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「平均300ヤード」飛ばす秘訣は?若手の男子プロのドライバーを解説

  • 2024.5.8

今月は男子ツアーに出場経験がある永井直樹コーチが、 馴染みのある注目若手男子プロのドライバースイングを解説! 選手の近くで見てきたからこそわかる特徴やマネたいポイントを紹介する。

顔を後ろに向けることで胸が回り、クラブが顔の中心に

J・スピースのような左腕の使い方

「平均300ヤード」飛ばす秘訣は?若手の男子プロのドライバーを解説
Pointバックスイングで顔は目標と反対方向を向いていて胸が回っている

金子選手は幼なじみでジュニア時代からよく知っている選手。

スイングの特徴としてはバックスイングでクラブと一緒に顔を後ろに向けることです。バックスイングでは体の回転とクラブの動きを連動させることが大切で、顔を後ろに向けると胸を回しやすくなるので、クラブが体の中心から外れることがありません。胸が回転不足になるとトップでシャフトクロスしやすいのですが、金子選手のように顔と胸を一緒に回せばクロスするミスを防ぐことができます。

「平均300ヤード」飛ばす秘訣は?若手の男子プロのドライバーを解説
Pointフォローまで体の中心にクラブ(シャフト)がある姿勢をキープしている

金子選手は右打ちですが、じつは左利き。だからインパクトからフォローにかけての左腕の使い方がすごく上手です。左ヒジがやや曲がったままインパクトすると、左ヒジが引けるという、アマチュアゴルファーによくあるミスが起きる。左の背中で引っ張っていくことで左腕を伸ばし、ヘッドを真っすぐ出すことで、フォローを上に大きく出していけるので、インパクトゾーンを長く作ることができます。米ツアーで活躍する右打ち・左利きのジョーダン・スピース選手の左腕の使い方にも似ています。

金子駆大
●かねこ・こうた / 2002年生まれ、愛知県出身。177cm、83kg。高校3年のときにプロテストに挑み、一発合格。23年は日本オープンゴルフ選手権で3位タイに入った。賞金ランキングは54位で、2024年のシード権を獲得。フリー。

下半身のパワーを最大限に使い手首を返さずシャットに打つ

ダンロップフェニックスでアマチュア優勝の快挙を達成した杉浦選手もジュニア時代から交流のある選手です。ジュニアのトップ選手として活躍していましたが、ときどきヒッカケのミスが出ていました。しかし、ナショナルチームに選ばれて下半身を強化するようになると、ヒッカケのミスが減り、飛距離アップにも成功したのです。

フェースの開閉を少なくしてヒッカケを抑える

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Point左手の甲を下(地面)に向けたままクラブを上げることでシャットフェースになる

ヒッカケが出なくなった最大のポイントはフェースの開閉を調整できるようになったこと。以前はバックスイングでフェースを開きすぎることもあったそうですが、今はフェースを閉じたままバックスイングしているので、トップでもシャットフェースになっています。

「平均300ヤード」飛ばす秘訣は?若手の男子プロのドライバーを解説
Point手首は返さず下半身の踏み込みと回転でスクエアインパクトの姿勢を作る

ダウンスイングでも下半身を強く踏み込むことでクラブを下ろしているため、シャローに打てている。フィニッシュに近いフォローでもまだ手首を返していません。杉浦選手のスイングは下半身の力が強いパワーヒッターじゃないとマネできないスイングですが、ヒッカケに悩むアスリートゴルファーにはすごく参考になるでしょう。

杉浦悠太
●すぎうら・ゆうた / 2001年生まれ、愛知道出身。172cm、74kg。23年は、50回目の記念大会となったダンロップフェニックストーナメントで史上7人目のアマチュア優勝を果たし、即日プロ宣言をした。日本大学在学中。

完璧なトップから、クラブを真下に引っ張って最速スピードに

練習でよく左打ちの素振りをしている岡田選手は、すごくバランスがいいスイングをしています。紹介した杉浦選手はアスリートゴルファーのお手本ですが、岡田選手はアベレージゴルファーが参考にしてほしいスイングです。

アベレージゴルファーのお手本になるスイング

「平均300ヤード」飛ばす秘訣は?若手の男子プロのドライバーを解説
Point右足の角度をアドレスから変えずに上半身を深く捻転している

アドレスでは左腕とシャフトが一直線になっている教科書どおりの構えになっています。そして、とくに素晴らしいのがトップです。体がしっかり回って、手元が高い位置にある理想的なポジション。

ダウンスイングでは手元を斜めに動かすのではなく、ほぼ真下に下ろしていることでヘッドスピードを上げることができています。シャフトが寝てしまうとフェースも開いてしまうのですが、手元をタテ方向に下ろすことでダウンスイングでもシャフトが立っています。

「平均300ヤード」飛ばす秘訣は?若手の男子プロのドライバーを解説
Point手元を少し先行させることで低くて長いインパクトゾーンになっている

ヘッドの通り道としては右サイドを広く使っているので、インパクトゾーンではレベルブローに近い角度からボールをとらえています。ヘッドが急角度で下りてくると打点が上下にズレやすいのですが、岡田選手のようなレベルブローに近い軌道だとフェースのセンターでボールを打つ確率が高くなり、効率よく飛距離を出すことができ ます。

岡田晃平
●おかだ・こうへい / 2002年生まれ、高知県出身。172cm。22年の日本アマチュアゴルフ選手権で優勝。23年は、米ツアーのソニーオープンに出場。日本ツアー のBMW日本ゴルフツアー選手権ではアマチュアながら15位タイに入った。東北福祉大学在学中。ドライバー平均飛距離は300ヤード。

いかがでしたか? 効率良く飛距離を伸ばしたい方は、ぜひ各選手のスイングを参考にしてみてください。

解説 = 永井直樹
●ながい・なおき / 1996年生まれ、愛知県出身。日本大学ゴルフ部卒業後、19年にはPGAプロテストに合格し、男子ツアーに出場。現在は目澤秀憲コーチを師事し、名古屋でレッスン活動を行なう。フリー。

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