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筋金入りのARMYライターが解説するBTS・SUGAの凄さとは? 映画『‘D-DAY’ THE MOVIE』考察レビュー

  • 2024.5.8
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BTS SUGA初のソロワールドツアー。感動の舞台を紡ぐ『SUGA | Agust D TOUR ‘D-DAY’ THE MOVIE』が公開中だ。JIMIN、JUNG KOOKとのコラボステージも収録された本作をKPOPガチファンが徹底レビューする。(文・紺野 真利子)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価】
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【著者プロフィール:紺野 真利子】
エンタメ系ライター。映画誌やテレビ誌をメインに、俳優・アイドル・声優などのインタビュー記事やコラムを執筆中。好きなK-POPはBTS、SEVENTEEN、(G)-IDLE。好きな映画はマーベル全般、「スパイダーバース」シリーズ、「キングスマン」シリーズ、「プラダを着た悪魔」、「ラ・ラ・ランド」など。

SUGA BTS
第64回グラミー賞のSUGAGetty Images

BTS・SUGAの初のソロワールドツアーが映像化。劇場であの熱狂を再び体験することができる。ARMYである筆者が実際に映画館に足を運び、『SUGA | Agust D TOUR ‘D-DAY’ THE MOVIE』を鑑賞。大興奮と感動に包まれた本作をレビューしていく。

本作は、劇場にアミボム(BTSのペンライト)の持ち込み、歓声や声援、拍手もOKの応援上映も実施中。そのため、会場さながら盛り上がることができる。さらにシネマティック専用カメラで撮影した貴重なアングルの映像のおかげで、劇場にいながらSUGAのパフォーマンスをより臨場感たっぷりに味わうことができる。

1曲目「Haegeum」から、SUGAは全力だった。この曲は、SUGAがソロ活動名義“Agust D”で2023年にリリースしたアルバム『D-DAY』のタイトル曲だ。「Haegeum」(ヘグム)とは朝鮮の伝統楽器と、“解禁”というふたつの意味を持つ。抑圧からの“解禁”を歌ったこの曲は、まるでSUGAから「俺のライブをどんどん自由に楽しめ!」というメッセージにも感じられた。

「Haegeum」で最高に盛り上がった状態からの、「大吹打(Daechwita)」! 3年前にリリースされた“Agust D”の代表曲のひとつで、MVはなんと現時点で4.5億回も再生されているほどの大人気曲だ。個人的に筆者も「大吹打(Daechwita)」は大好きなので、「飛べ!」というSUGAの煽りに、劇場で鑑賞していることを忘れて思わず立ち上がって飛んでしまいたくなった。

ライブ会場にいるARMY(BTSのファンネーム)たちがアミボムを激しく上下に揺らしノリにノッている様子がスクリーンに映し出された時は、「ああ、今すぐ会場にワープしたい!」と、心の底から思った。そして、SUGAの高速ラップに悶絶! 何回聴いても新鮮に圧倒される。

第64回グラミー賞のBTS
第64回グラミー賞のBTSGetty Images

BTSメンバーたちのサインとメッセージが書かれたギターで歌うのは、「Trivia轉:Seesaw」だ。BTSのライブではダンスパフォーマンスしていたこの楽曲を、今回のツアーではコロナ禍の間に習い始めたというギターでの弾き語りバージョンで披露。「3年の間に変化した姿を見せたい」というSUGAの強い思いによって、弾き語りとなったそうだ。

「People Pt.2(feat. IU)」は、IUのパートで「歌ってくれますよね?」と、会場にいるARMYへ当たり前かのようにマイクを向ける。そしてしっかりと歌えるARMYがさすがすぎる。SUGAとARMYの絶大な信頼関係が見えた瞬間だった。

そしてRM、JIMIN、Jung kookとのコラボステージ! もうこれは、劇場でアミボムを大きく振りながら大興奮だった。RMとの「Strange」は、強い絆で結ばれている2人のステージが圧巻。歌詞も、RMとSUGAだからこそ書ける深いメッセージが突き刺さるのでぜひ調べてみてほしい。

JIMINとの「Tony Montana」は、なんと2016年ぶりに披露された2人のユニット曲。普段あまり見ることのできないJIMINのラップ姿が最高にかっこいい。そして、Jung kookとは「Burn It」を披露。圧倒的ボーカルで、ステージをあっという間に掌握したJung kook。頼もしすぎるBTSの末っ子の実力をまざまざと見せつけられた。

さらにBTSのラップライン(RM、SUGA、J-HOPE)メドレーを、SUGAがひとりでパフォーマンス。「ARMYの皆さんが見たいと思う姿をすべてお見せしようと思いました」とSUGAが語っていたように、“Agust D”の楽曲だけじゃなく、こうしてBTSメドレーもパフォーマンスしてくれたのは、ARMYとしてはとても嬉しかった。

“茶色いピアノ”の弾き語りで披露されたのは、「Life goes On」。ラッパー・SUGAが、実はボーカリストとしても高い実力を誇っていることを証明する一曲だ。この楽曲はBTSの同名曲の、“Agust D”バージョンとして制作された。

会場中の輝くアミボムに囲まれながら「時間は流れていって誰かは忘れていくだろう」「それでも忘れないで僕を探してくれ」と、澄み切ったボーカルで歌い上げるSUGAを見て、思わず泣きそうになってしまう。

こんなにもかっこよくて、メンバー愛が激しく強く、さらにARMY想いの男を忘れるわけがないのに…! 会場全体を優しい眼差しで見渡すSUGAを見て、さらに感動を強めた。

SUGA
SUGAGetty Images

ラストソング「The Last」は、SUGAが壮絶な過去と怒りを綴った一曲。「うつ病 強迫障害が時々ぶり返す」、「初めて精神科に行った日」など、かなり赤裸々で重い歌詞が続くが、「俺のファン達 堂々と顔を上げてくれ 俺ほどの奴なんていないんだから」という一節こそが、最高に“ミン・ユンギ”(SUGAの本名)らしくて震える。

ライブの最後にこんなふうに歌われたら、もう永遠にSUGAからは、BTSからは離れられないではないか。

本作ではSUGAが「公演こそが歌手である意味」「公演ができなくなったら歌手をやめるべきだ」と語るシーンがある。その言葉どおり、SUGAがどれだけライブに命を削って、全身全霊でステージに立ってくれているのかが、十分すぎるほど伝わってくる。

そして、幸せそうにパフォーマンスをして、まぶしいほどの笑顔でARMYを嬉しそうに見渡すSUGAを見ていたら、これからも一生ARMYで居続けたいなと改めて思った。兵役前にソロツアーを行い、こうして映画化までしてくれたSUGAには感謝の気持ちでいっぱいだ。

もう少ししたらメンバーのJINが兵役を終えて戻ってくるし、2025年にはBTSは完全体として復活する予定だ。その日を私たちARMYは“堂々と顔を上げて”待っていよう。

(文・紺野 真利子)

【作品情報】
■タイトル:『SUGA | Agust D TOUR ‘D-DAY’ THE MOVIE』
■公開表記:2024年4月26日(金)より全国公開
■上映時間:84分
■配給:エイベックス・フィルムレーベルズ
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