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1位は羽生結弦「離婚劇」キャンペーン! 2024年前半期、女性週刊誌のベスト3記事

  • 2024.5.8
1位は羽生結弦「離婚劇」キャンペーン! 2024年前半期、女性週刊誌のベスト3記事の画像1
Getty Imagesより

下世話、醜聞、スキャンダル――。長く女性の“欲望”に応えてきた女性週刊誌を、伝説のスキャンダル雑誌「噂の真相」の元デスク神林広恵が、ぶった斬る!

最大で10日間の大型連休。みなさんいかがお過ごしでしたか? ということで、今回はゴールデンウイーク特別企画、2024年前半期の中から“ベスト3なセレクト記事”をお送りします!

目次

・2024年度前半期“ベスト3”
・「女性セブン」による羽生結弦特集ラッシュ
・大谷翔平の電撃結婚&朋友通訳・水原一平の巨額違法賭博スキャンダル
・前半期、最も怖い記事は松本人志関連

2024年度前半期“ベスト3”

第697回(1/1〜5/9発売号より)

1位「女性セブン」による羽生結弦離婚劇キャンペーン

離婚後毎号のように女性セブンに掲載された羽生関連記事

2位 大谷翔平の“妻”をいち早く報じた女性週刊誌

「大谷翔平を射止めた“献身新妻”の純朴素顔」(「週刊女性」3月19日号)
「大谷翔平 新妻を待ち受けるドジャーズ夫人会の試練」(「女性自身」3月19日号)など

3位 松本人志を微妙に擁護・美化した女性週刊誌

「『引退するわけない』『家族の支え』独占肉声」(「女性セブン」4月4日号)
「浜田雅功 オファー固辞に秘めた松本人志へのリスペクト」(「週刊女性」3月26日号)
「松本人志 『申し訳ない…』懺悔の肉声」(「週刊女性」4月16日号)など

「女性セブン」による羽生結弦特集ラッシュ

2024年度前半期、女性週刊誌で特筆すべきは「女性セブン」による羽生結弦特集ラッシュだろう。羽生結弦、人生最大の誤算、計算違いに違いない。それほどまでに毎号のように「セブン」に掲載され続ける羽生記事――。

発端は昨年11月、羽生が105日というあまりに短い結婚期間を経て、離婚を発表したことだった。その際、羽生はXに離婚理由に関する文書を出したのだが、これは世間を、そしてマスコミをあぜんとさせるものだった。

それは「様々なメディア媒体」から「誹謗中傷やストーカー行為、許可のない取材や報道がなされています」とマスコミをストーカー扱いした上で「私が未熟であるがゆえに、現状のままお相手と私自身を守り続けることは極めて難しく、耐え難いものでした。これからの未来を考えたとき、お相手に幸せであってほしい、制限のない幸せでいてほしいという思いから、離婚するという決断をいたしました」とあったから。

要するに、離婚は主にマスコミのせいと主張したのだ。あまりに自己中心的で異様とも思える離婚文書だが、これにマスコミが反応したのは当然だった。これまでマスコミに対し、厳しい規制や条件などをつけて情報を統制、コントロールし、一種タブー化していた“カリスマ”羽生の存在だが、この離婚劇以降その風向きは変わっていく。

中でも「女性セブン」は辛辣だった。昨年の12月14日号で「異様な結婚 羽生結弦 完無視された嫁の追い出し部屋」というおどろおどろしいタイトルでその口火を切って以降、その後も毎号のように羽生関連記事を掲載するようになる。それは年をまたいで現在に至るまで、である。

・「羽生結弦 元妻が手にする『2億円財産分与』」(1月1日号)
・「羽生結弦『嘘や妄想』元妻側との全面戦争」(1月18・25日号)
・「羽生結弦の鼻を折る 盟友村上佳菜子『一般人夫を公開』皮肉婚」(2月8日号)
・「羽生結弦が消えた! ファン憤怒のフィギュアムック騒動」(2月15日号)
・「追跡スクープ 羽生結弦蒼白! “一般人”元妻の禁断 ステージ復帰」(2月22日号)
・「羽生結弦 元妻のディナーショーまさかのガチンコ激突」(3月28日号)
・「羽生結弦と浅田真央『リング建設』で明暗わかれて」(4月4日号)

す、すごい。ある時は“羽生ファミリーの異様さ”をクローズアップし、ある時は“慰謝料の算定”をし、結婚当初から妻を“一般人”としてひた隠す異様さを指摘する――。よほど頭にきたんだろうね。

実際、「セブン」は羽生のマスコミに対する姿勢について、こんな苦言を呈していた。

「特にスケート以外の話を聞くことはご法度で、少しでも聞こうものなら、“取材拒否”されかねない雰囲気があるんです。まるで、旧ジャニーズ事務所がメディアをコントロールしていた問題と同じような構図ですよ」(スポーツ紙記者のコメント)

こうした事態に羽生はX に《酷い“妄想”とか、“想像”や“嘘だけ”で記事になっててびっくりします すごいですね 訴訟して勝ってもなにも良いことないのでしませんが》と投稿したが、これも火に油を注いだだけだった。「セブン」の羽生ネタは、まだまだ続きそうだ。

大谷翔平の電撃結婚、通訳・水原一平の巨額違法賭博スキャンダル

2位は大谷翔平関連記事だ。日本中、いや世界も驚いた大谷の電撃結婚。それまで交際情報や密会情報もなかったからね。ほんと、びっくり。

マスコミもこの祝報を軒並み大きく報じたが、ワイドショーをはじめとするテレビは、 “お相手は一般人”という大谷の説明を真に受け(というか大谷の意向を無視して怒りを買って取材拒否なんて恐ろしいことになるのを避けるため)、“静かに見守りましょう”などとマスコミの責務を放棄するような、報道自粛まで訴えていた。

が、我らが女性週刊誌は違った。

まずニュースサイト「NEWSポストセブン」がお相手の素性をスクープ、さらに「女性自身」「週刊女性」も妻を実名ではなくA子さんと匿名扱いしたものの、妻が元女子バスケットボール選手だったことなど詳細なプロフィールを紹介していった。

そして3月には「MLBワールドツアーソウルシリーズ2024」出場のため韓国入りした大谷に妻が同行、写真や動画などが公開されたことで、妻は“A子さん”から“真美子さん”になる。そして、その人となりがより知られるようになり、祝賀ムードは絶頂に。羽生のケースとは真逆だ。

その後まさかの朋友通訳・水原一平の巨額違法賭博スキャンダルが発覚、これまた世間を震撼させたが、しかし大谷は本業での好調ぶりをキープ、多くの人を安心させるという偉業を続けている。どれだけすごいのか、大谷。感服するしかない。

前半期、最も怖い記事は松本人志関連

そして前半期、目を剥いたのが性加害スキャンダルで芸能活動休止を続ける松本人志関連報道だ。

問題発覚当初から女性週刊誌はこの一件を報じたが、しかし肝心の“性加害”について深堀することなく、ポスト・松本について論じたり、テレビ局や番組への影響について語ったりと、お茶を濁し続けている。いや、お茶を濁すどころか露骨な擁護記事もあった。それが「セブン」の「『引退するわけない』『家族の支え』独占肉声」なる特集だ。

内容は松本の“大物ぶり”がアピールされ、“松本寄り”のコメントが知人や関係者から寄せられたりと、松本を擁護しているとしか思えないものなのだが、極め付けが“松本の知人”(匿名)が語ったとされる松本の性加害報道による妻や家庭への影響についてのくだりだ。

「松本さんは結婚前、奥さんに『俺はそれ(不倫)がない男ではないよ』と告げています。奥さんは、もし松本さんが浮気して、会見で『一線は越えてません』などとごまかしたりしたら『ガッカリする』、『そんな松本人志は見たくない』と言ってのける気丈な人」

不倫すると堂々と宣言し、妻も浮気を容認する“気丈な人”だと開き直る。だから夫の性的報道が出ても家庭は安泰って――。なんて気持ちの悪い文章だ! これほど性搾取、女性蔑視が問題となっている時代、こんな文章が女性週刊誌に堂々と掲載されるとは――。前半期、最も怖い記事だった。

神林広恵(ライター)
伝説のスキャンダル雑誌「噂の真相」(噂の真相)の元デスク。著書に『噂の女』(幻冬舎)、共著に"『日本を脅かす! 原発の深い闇』、『木嶋佳苗法廷証言』(共に宝島SUGOI文庫)などがある。

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