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グルマン温故知新:神楽坂〈生蕎麦 い志井〉割烹感覚で楽しむ、端正な蕎麦とつまみ

  • 2024.5.4
グルマン温故知新:神楽坂〈生蕎麦 い志井〉割烹感覚で楽しむ、端正な蕎麦とつまみ

生蕎麦 い志井(神楽坂)

割烹感覚で楽しむ、端正な蕎麦とつまみ

「蕎麦に関する仕事をしていた父の影響で、蕎麦や和食に親しんで育ちました」と話す大森聡義(あきよし)さん。蕎麦に和食と約20年の修業を経て、赤城神社の近くに店を構えた。静かな路地に飛び石と植栽を整えたアプローチが清々しく映える。L字のカウンター中心の店内も、品の良い割烹のようで神楽坂らしい。

蕎麦打ちにおいて大切なことは「技術以上に、“合理性”に流されないこと」と話す。無農薬栽培の蕎麦粉を丸抜きで仕入れ、石臼で挽き十割で打つ。香り高くしなやかな蕎麦が店の矜持(きょうじ)だ。つまみも、数を絞って味を磨き上げる。ニシンの棒煮一つにしても黒糖でまろやかな甘味に仕上げ、鴨ロースやマグロのヅケなどは彩りに添えられる旬菜の一味が楽しい。

グルマン温故知新:神楽坂〈生蕎麦 い志井〉「手打ち蕎麦」
群馬県渋川市で無農薬、無化学肥料での蕎麦の栽培から加工までを手がける〈赤城深山ファーム〉の蕎麦を使用している。細挽きの十割で、芳潤な香りと、歯切れの良さがある。きりりとした醤油の風味の奥に豊かなだしのふくよかさを感じるつゆが、蕎麦の甘味を引き出す。1,050円(大盛りはプラス750円)。
グルマン温故知新:神楽坂〈生蕎麦 い志井〉
タコは一度冷凍してから低温で長時間かけて炊き、心地よく噛み切れ、かつ、皮が煮崩れないよう仕上げる。季節の青みを添えて(写真はウルイ)。濃いめの味で、旨味と酸味がある純米燗酒に合う。ハーフ700円。
グルマン温故知新:神楽坂〈生蕎麦 い志井〉「山菜の天ぷら」
春の味覚の代表格、山菜の天ぷら。軽やかな薄衣の奥から、みずみずしさやほろ苦さがあふれ出る。1,400円。旨味豊かな長崎県五島列島産の結晶塩で。天ぷらは野菜天が700円~、車エビ天は1,400円。

酒は燗上がりする純米推し。アラカルトのほかに、豆皿つまみ5種と蕎麦、甘味が付く「季節の盛り合わせ」もあり、一人利用時でもいろんな味と酒がゆっくり堪能でき、満足度が高い。

グルマン温故知新:神楽坂〈生蕎麦 い志井〉の大森聡義さん
大森さんは、東京都葛飾区出身の江戸っ子。
グルマン温故知新:神楽坂〈生蕎麦 い志井〉店内
懇意にする〈八丁堀こまつ〉の紹介で〈DESIGN WORKS〉に設計を依頼。

Information

生蕎麦 い志井

〈きそば いしい〉
TEL:03-6265-0617
営:11時30分~14時LO、17時30分~21時LO
休:月曜・第3火曜、不定休

2023年12月26日オープン。予約可。1人利用時、一部つまみはハーフポーションでの提供可。大森さん自身がクラフトビール好きなことから、クラフトビールも常時1種用意。小瓶1,000円~。日本酒はフリーランスで活躍する酒番・多田正樹さんのアドバイスを受けてセレクト、提供する。ビール(中瓶)800円~、日本酒(半合)850円~。コース4,500円~、一品料理約6種1,400円~、蕎麦3種1,050円~。カウンター7席、個室1卓4席。

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