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自分のトリセツがわかると――良い?悪い?【大人のお作法】

  • 2024.5.3
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60の質問を回答した先には「All about me」が待っている!

最近20代を中心に流行っているというMBTI (マイヤーズ=ブリックス・タイプ)診断。皆さんはご自分のタイプをご存知ですか? 約60項目の質問に直感で答えることで、16タイプから「あなたは〇〇タイプ」と性格診断されるのですが、そのタイプには「INTJ建築家」や「ISFP冒険家」「ESFPエンターテイナー」など、4つのアルファベットと一見関係なさそうなワードが並んでいます。

説明を読むと、アルファベットはそれぞれ、E:外交型、I:内向型、S:感覚型、N:直感型、T:思考型、F:感情型、J:判断型、P:知覚型を表し、その組み合わせで性格タイプが判断されるようです。

若い方々の間では、私は「ENTJ。あなたは?」「私はINTJ」と、まるで「私はかに座。あなたは何座?」という感じで自分のタイプを知っているとか…。ならば、と私も早速チャレンジ! 診断結果は「ENFJ主人公」でした。

ENTJ主人公の解説を読むと「主人公は楽観主義者として、周囲をインスパイアし、自分が正しいと思うことをすぐさま実行します」とあります。ポジティブで耳触りの良い言葉が並び、ちょっとくすぐったいような嬉しい気持ち。

でも裏をかえせば「楽観主義者」は「お気楽者」だし、「自分が正しいことをすぐに実行する」っていうのも「自分勝手でせっかち」ということ? 「自分の主張で周りを振りまわす、せっかちなお気楽者」と解釈すると「なるほど当たっているかも」と苦笑し納得してしまいました。

血液型や占星術と違って、自分で質問に答える手法は潜在意識を引き出してくれるのかも知れません。また、それぞれの性格タイプ別のトリセツも出版されていたり、相性診断があったりとビジネスに発展しているようです。興味深いのはMBTI診断を紹介しているいくつかのサイトから転職サービスのサイトに飛んで適職診断をしてくれること。今流行りのタイパでしょうか? キャリアを重ねてくると、「このタイプの人はこの仕事が向いている」と言われても、「そうかなぁ?」と疑ってしまうけれど、若者が‟可能性の芽”を見つけるモチベーションには良いツールなのかも?と思います。

MBTI診断や骨格診断、ブルベイエベなどなど、自分のタイプを知ることや、自分トリセツは数年前からブーム。市場にもいろいろなスタイルの本が発売されていますが、先日、断捨離中に本棚の奥から自分トリセツの草分けのような本を見つけました。

20年前にアメリカ人の親友から贈られた‟All About Me. (私について)”と記された本。本というより、まるで書き込み問題のテキストのように、たくさんの質問が書かれ、その答えを記入するための空欄で構成されています。最初のページには「あなた自身も知らなかったあなたが発見できるでしょう」というメッセージがあり、次のページからは、氏名、住所、生年月日、身長、体重、星座、目の色、髪の色、血液型などの基本データを入れるページ。続いて家族について、お気に入りのファッションや花、言葉、動物、食やスポーツ、モラル(常識)についてなど多岐にわたっての質問が80ページ続きます。

この本の質問に対してすべて答えを記入すれば、詳細な「わたしトリセツ」ができる仕組み。20年前の私は案の定、途中で挫折して、半分以上がブランクのまま。未完成のトリセツです。この本を見つけたのも何かのメッセージ。もう一度トライして、All About Meを完成させようと思っています。パラパラとページをめくると、仕事や生活環境は変わったけれど、好きな花や好きな色は変わっていないようです。好きな言葉を3つあげてという欄に、‟Thank you”‟Love”‟Happy” という書き込みを見つけました。MBTIで分類された楽天主義者は当たっているのかも?

自分自身のことは、よく知っているようで、案外分かっていないもの。また、日々の生活のなかでは、「私は何が好きで、こんなことに喜びを感じる」と意識することもあまりないように感じます。性格タイプを知るMBTI診断や‟自分トリセツ”の作成は、本当の自分を知るツールに活用できそうです。解説を読んだり、文字に書き留めたりすることで、知りたかったメッセージやアドバイスに出合えるかも知れません。

さて、ミーハーな私は、家族や友人にMBTI診断のサイトを送り、「何タイプだった?」と聞き回っているのですが、ほぼ全員が「ごめん、時間がなくてやっていない」「質問60問もあるの?」と消極的…。

「診断したがらない人の性格タイプ」もぜひ診断していただきたい、今日この頃です。

TEXT=丸野ひかる

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