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ミラノデザインウィークで注目! ファッションブランドのインテリア5選。

  • 2024.5.3

毎年4月にイタリア・ミラノで開催される、世界最大規模の家具見本市「ミラノサローネ」。ミラノサローネの開催に伴い、市内では、ブランドやデザイナーによる展示「ミラノデザインウィーク」が行われた。一流のデザイナーたちが集まるこの祭典に今年は昨年よりも来場者が増え、街全体がお祭り騒ぎに。とくにファッションブランドによるプレゼンテーションは、業界関係者以外の来場者も「並んでも見たい」と行列ができた。各ブランドが個性を出した今年の展示をご紹介。

LOEWE

世界のクラフトとコラボを続けるロエベから、ユニークな照明が登場。

長期的な視野でアーティストと協働を続けるロエベ。作家もこのプロジェクトを通して新たな視座を得たようだ。photography: LOEWE

石塚源太の作品は一見すると漆とは思えない形。漆の新しい境地を生み出した。photography: LOEWE

毎年、世界のクラフトや文化に着目した展示を展開し定評のあるロエベ。今年はロエベのデザインウィーク史上最大の24種の照明を展示し、デザイナー、ジャーナリストなど関係者からも「とにかく良かった!」の声が。作品は、ロエベクラフトプライズの受賞者をはじめとする世界的なアーティストたちによるもの。照明の制作が初めてというアーティストがほとんどで、日本からも7人の作家が出展。なかでも2019年のクラフトプライズを受賞した漆作家の石塚源太の作品は、生物の細胞を思わせる有機的なかたちと、光沢のある漆から漏れる柔らかな光が美しい。このランプは会場で販売。松本破風、ケイ・セキマチとのコラボレーションバッグもモンテ・ナポレオーネ店で販売し、6月末からオンラインと日本のカサロエベでの展開も予定している。

SAINT LAURENT

サンローランは、ジオ・ポンティによる特別な食器を復刻。

3世紀頃に誕生したと言われているサン・シンプリチャーノ教会が会場に。photography: 〇〇

アルマンド(Armando)の「A」の文字がモチーフ。ジノリ1735の工房で手描きされている。photography: 〇〇

サンローランからは、ジオ・ポンティ アーカイブスとアナラ&アルマンド・プランチャート財団による食器が発表された。アナラ&アルマンド・プランチャート夫妻は、1953年にイタリアの巨匠デザイナー、ジオ・ポンティに別荘「プランチャート邸」の設計を依頼。ポンティはその別荘のインテリアの施工にイタリアの職人を起用し、合わせて食器セットもデザイン。その食器は以前ポンティがアーティスティック・ディレクターを務めていたフィレンツェの名窯「ジノリ1735」によるもので、今回特別に12点が復刻。サン・シンプリチャーノ教会の中庭に登場したパビリオンの柱の中に食器を展示するという斬新な手法で、一般公開では予約制にも関わらず長蛇の列ができるほどの人気に。この限定食器はサンローランのオンラインサイト(日本では一部のみ購入可)、ロサンゼルスのサンローラン リヴ・ドロワ、またパリのサンローラン バビロンで販売している。

GUCCI

イタリアの黄金時代のデザインを復刻させた、グッチ。

マリオ・ベリーニのソファ、レ・ムラを中心に、さまざまな製品が復刻。photography: ©Courtesy of Gucci

スペイン出身の建築家ギレルモ・サントマがデザインしたグリーンの空間に際立つ、ガエ・アウレンティとピエロ・カスティリオーニによる照明パローラ。photography: ©Courtesy of Gucci

数々のハイブランド店が並ぶモンテナポレオーネで、新たな世界観を提示したグッチ。クリエイティブ・ディレクターのサバト・デ・サルノによる特別展示「Gucci Design Ancora(グッチ デザイン アンコーラ)」で、60年代や90年代に発表された5つの製品を復刻した。マリオ・ベリーニのレ・バンボレなど、イタリアらしさやミラノらしさを象徴する、いわば黄金時代の名品たちを、デ・サルノは「ロッソ アンコーラ」と呼ばれる深い赤色で再編集。緑色の湾曲した壁を背景に展示された。製品はグッチの公式オンラインショップで購入可能。

HERMÈS

過去の製品がインスピレーションに、原点に立ち返ったエルメス。

会場入り口の床に広がる大きな美しいインスタレーションは、クロスの模様になっている。photography: Maxime-Verret

写真手前にあるのが1980年代の狩猟用鞭。新作の3点の照明の支柱にはバイカラーのレザーを編み込むなど、細かな職人技が光る。photography: Maxime-Verret

毎年ミラノデザインウィークでホームコレクションを発表しているエルメス。今回は卓越した美しさと職人技という、エルメスの原点に立ち返る新作が並んだ。例えば乗馬のヴォルティング(曲芸乗り)の美しい姿勢からインスピレーションを得て生まれたランプなど、会場でもインスピレーション源となった名作と合わせ新作を展示。また、会場の入り口には大地をテーマにしたセノグラフィーを展開、会場を俯瞰してみると騎手のシルクジャージのクロス模様になるという構成だ。素材はレンガ、石、スレート、木、土などが使われた。そのほとんどはフランスとイタリアのものを使用し、フランスの職人の手により一カ月の製作期間を経て完成させた。

BOTTEGA VENETA

コルビュジエのスツールがボッテガ仕様になって登場。

ボッテガの新社屋であるパラッツォ・サン・フェデレの1階が会場に。その中心にはLC14 タブレの発想源となったウイスキーの木箱が置かれていた。

レザーのモデルは、レッド、イエロー、ブルー、レインツリーグリーンの4色展開。

ボッテガ・ヴェネタからは、カッシーナ社とル・コルビュジエ財団のスペシャルコラボレーションアイテムが登場。建築家のル・コルビュジエがフランスのカップ・マルタンのカバノン(休暇小屋)で使うためにデザインしたスツールLC14 タブレを、ボッテガ・ヴェネタのレザーで覆ったモデルと、日本の焼杉の技法をもとにした技術を用いた木製モデルの特別なふたつのバージョンで再解釈。木製のモデルはボッテガのコレクション会場で観客席として使われていたものだ。もともとLC14 タブレはウイスキーの木箱をインスピレーションとして作られており、会場の中心にはその木箱が置かれ、周囲にふたつのアイテムがうず高く積まれるという構成だった。レザーモデルは60脚、木製モデルは100脚限定で販売中だ。

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