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【編集部スタッフコラム】長崎で出合った私のとっておきごはんとおやつ・GW特別編

  • 2024.5.3

ぜひ訪れてほしい、長崎のお気に入りスポット

2024年のGW、みなさんいかがお過ごしでしょうか。また自由に旅行ができるようになり、国内外問わず各地へお出かけされている方も多いことと思います。

今回はGW特別編ということで、私の地元である長崎市を久しぶりにぶらり散歩しながら出合ったとっておきのごはんやおやつをご紹介します。地元民に愛されている町中華や唯一無二の梅ヶ枝焼餅など、一度は訪れていただきたいお店ばかりです。

老舗菊水 大徳寺

時間がとまったような、穏やかで心地よい木陰にたたずむ一軒の古民家。明治20(1887)年創業、長崎で137年にわたって愛されて続けている「老舗菊水 大徳寺」

大徳寺公園の一角にそびえ立つ樹齢800年を超える大きなクスノキのそばにあり、夏はこの巨木の葉っぱたちが日差しを遮ってくれてクーラーがいらないほど涼しいそう。

代々受け継がれている重さ3キロの鉄型を使って、焼き釜の上で何度もひっくり返しながら焼き上げる、名物の梅ヶ枝焼餅。

もち米粉を沸騰した熱々のお湯で手早く捏ね上げて、こしあんを包んで丸く整えたら鉄型にのせる。

3代目として60年間、焼餅を作り続けてきた85歳の奥様は、昨年右腕に力が入りにくくなったとのことで、退職後70歳から裏方として奥様を支えてきた90歳の旦那様が今は表に立って、奥様が成形した餅を焼き上げています。

作り置きはしないで、注文が入ってから生地を捏ね始め、焼きたてを提供するのが創業当時からのこだわり。一般的な梅ヶ枝餅の3倍近くありそうなほど大ぶりな焼餅は、1人前4個で700円。物価が上がり材料費も高騰する中、値上げはしていないそう。

松本さんご夫婦のやさしい気持ちがたくさん詰まった焼餅は、驚くほどやわらかでやさしい甘さのこしあんと一緒に食べると最高においしくて、今まで食べてきた梅ヶ枝餅とは一線を画す唯一無二の味わい。

一口ほおばるごとに笑みがこぼれる、帰省するたびに訪れたい私のお気に入りです。

KARIOMONS COFFEE

毎年各国のコーヒー農家を訪ねて豆の買い付けを行い、一杯のコーヒーにとどまらない体験を提供している「KARIOMONS COFFEE」

淹れたてコーヒーの香り漂う店内にはカフェも併設されており、手作りのおいしいお菓子とともにゆっくり楽しむことができます。

店頭にはペルーやエルサルバドルなど中米各国のコーヒーが並んでいて、それぞれの産地や特徴について伺いながら選ぶ時間もいいですね。

今回選んだのは、ニカラグアのSAN JOSE 2023。店内で焼き上げられているパウンドケーキとともに。

添えられているカードを開くと、明るい笑顔が印象的なご夫婦の写真とともにエピソードが丁寧に紹介されていて。

生産者さんにまつわるストーリーにふれながら味わう一杯のコーヒー、作り手のみなさまの想いが伝わってきて感謝の気持ちがあふれます。

カリオモンズのスイーツブランド「菓子hibi」の無地のケーキは、山の鶏鳴舎さんの上質でおいしいとっておきの卵を使ったお菓子を作りたくて考えられたレシピとのことで、シンプルだからこそ素材の味わいが際立っていて絶品。コーヒーと一緒にぜひ味わってほしいな。

味処 寿々屋

新地中華街に程近い唐人屋敷界隈の一角にある、ちゃんぽんと皿うどんの名店「味処 寿々屋」

初来店時お電話して伺ったのに暖簾が出てなくて、あれもう閉まってる⁇ と恐る恐る入口をあけてみるとシャッターを上げる間もないほど忙しかったとのこと。暖簾もこちらで出迎えてくれました。

オーダーが入ってから揚げる極細のパリパリ麺に、できたてあつあつ具だくさんのあんがたっぷりかかった寿々屋の皿うどん。しみじみおいしくて、なつかしさでいっぱいに。

キャベツの甘み、イカの旨みなどそれぞれの素材が持つおいしさをしっかり楽しめる、やさしい味わいのスープ。一口ごとに幸せな気持ちになれる、口福のちゃんぽん。

『ふくあじ』でご紹介いただいたのがご縁で……小山薫堂さんとのエピソードをうれしそうに聞かせてくださる高橋さん親子。今もずっと88歳の高橋さんがお一人で作られていて、息子さんや娘さんがサポートされているとのこと、

まるで親戚の家へおじゃましたようなお二人の心温まるおもてなしに、おなかも心も満たされました。

永楽苑

大波止にある「永楽苑」は、長年地元で愛され続けている中華料理店。

ちゃんぽんや皿うどんももちろん人気ですが、こちらの名物のしいたけ肉そばはぜひ食べていただきたい逸品。

肉厚でジューシーなしいたけ、白菜の自然な甘みとシャキシャキ食感、鶏ガラの白湯スープにはほんのりとろみがついていて細いちぢれ麺との相性も抜群。しいたけの豊かな香りと旨みがジュワ〜っと口いっぱいに広がって、おいしいが止まりません。

そして、隠れた人気メニューがこちら。独特の香ばしさがたまらない町中華のチキンライス。洋食屋さんとはまた違ったおいしさで、一度食べたらやみつきになるかも。

桃若

長崎随一の繁華街「思案橋横丁」にある、4世代にわたって92年続くおでんの名店「桃若」

Instagramでよく見かけていたのですが、母も私も地元でおでんを食べに行ったことがなく、この日が初めての長崎おでん。

わしかんというイワシを使った自家製かまぼことしっかり味が染みたとうふ。あご(飛魚)ベースのだしでじっくり煮込んだご当地おでんはあっさりとした上品な味わいで、柚子胡椒と一緒に食べるとさらに美味。

どんなときもすべてをやさしく包み込んでくれるような3代目のおかみさんと、常に明るくてホスピタリティあふれる4代目の息子さん。

「阿蘇で生まれて初めて雪を見ました!」ととてもうれしそうな台湾からのナース2人組、ご近所のお医者さん。おでん鍋を囲みながらはじめましての方々と会話が弾み、偶然が織りなすひとときが本当に楽しくて、ますます地元が好きになりました。

おいしいもの探して、てくてくと

幼少期を過ごした長崎市で今回出会った方々は、ほんわかした笑顔にやさしくて思いやりあふれるお人柄が表れていて、みなさんとお話しているうちに私も自然と長崎弁に。

最近では帰省しても実家で過ごしてそのまま東京に戻ることが多くなっていましたが、今回のんびり街歩きしながら新たな地元の魅力に気づくこともでき、心がぽかぽかになる瞬間がいっぱいでやっぱり素敵なところだな~と。

ぜひ長崎を訪れた際には、地元の方々とふれあいながらおいしいものとの出合いを楽しんでみてください。

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