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定年が70歳までになるとか巷では言われているけれど、65歳までバリバリ働く人も少ないんじゃないかな問題

  • 2024.5.2

定年が伸びていると言われる昨今ですが、皆さんの周りで65歳までバリバリ働いている人ってどれくらいいるのでしょうか。地方都市のそこそこ規模の企業で働く私の肌感覚ですが、

60~65歳で働いている人ってそんなにいない

いや『0』ではない。定年後、再雇用されている人はモチロンいます。厚生労働省からも以下の措置を講じなければなりません!と言われています。① 65歳までの定年引き上げ② 定年制の廃止③ 65歳までの継続雇用制度(再雇用制度・勤務延長制度)の導入うん。制度としては整っている。でも、職場の周囲みーーんなから、「この人はいてもらわないと困る~~」なーんて思われている人なんてとーっても少ない。というか60歳オーバーの人が主力で働いている組織はかなりマズイ気がします。人を育てていないのか、はたまた極度の人手不足なのか…いやね、知っているとある企業の研究者がいます。その人は御年63歳。再雇用3年目です。希望すればあと2年は再雇用を延長できるとのこと。私が新入社員だった約20年前からその業界に鎮座していた人でした。でね、その方、自分が企業に残るため上席たちにあの手この手を使って、「自分がいないとこの技術は出来ない。みんな困ることになるぞ。だから自分を再雇用するんだ。」と言っていたそうです。で、5年くらい前までその人を大事にすると言いますか、「ベテランの意見、重要視した方が良いのでは?」という機運がその会社の中にもあったようです。

しかーし!

再雇用が2年を過ぎ、あと数年しかないよ~というゴールもみえてきて、社内からも「引継ぎをしてもらわないと・・」と突っつかれ始めても、全然引継ぎをしない。企業の技術系って、何か最新の重要な情報が来た時に統制を取るため、その分野の最も権力のある人に情報が集まる場合が多い。もちろんその再雇用の方も『ある分野』の上位に位置する人。情報はその方に集まります。ですが、最前線の面白い仕事はメールの時点でぶんどって、自分ばかり動き、下には渡さず。「この仕事は自分にしかできませんからね~」なぁんて言って下を育てていませんでした。育ちそうな人がいると、「○○さんは向いていない」とか何とかいって、キックオフしていました。で、上席たちはそういう人をどうして見ていたか?

ほったらかしにしていました

上の人達も自信満々に『経験から来る主観や昔あったあれこれを教えてくれる』ベテラン研究員を便利だとも思っていたのです。まぁマネジメントが悪いので野放しにされていたと言っても過言ではない。この傾向、腹立つけど分からなくもない。上席や役員にしてみたら同世代(もしくは自分より上の年代)のベテラン研究員が頼もしく見えるのでしょう。ベテランだから何でも知っているように見えるんでしょうね。経験がモノを言うわーって思っちゃうのかな。まぁ、そういう分野もあるかもしれません。だがしかし!

時代は確実に流れています

ベテランが若い頃に思い描いていた未来、おそらくそこそこの大学や大学院を出て、そこそこの企業で研究員として働いて、ある一定の成果を出し、定年まで『その分野の専門家』でいたら何とかなる。という未来ではなくなっているのです。今の世界はもっとシビア。そしてそれに、気がついていない。いや気がついているかもしれませんが、自分は大丈夫という絶対的な自信がある。ハッキリ言って、今の60代が大学生だった時代って約40年前です。その時の技術には、プログラミングなんぞございません。パソコンも研究室によってはなし。情報系の学部の確立もまだ。今、いろんな分野で行われている高度な自動分析機器もない。WindowsOSの歴史も1985年から始まっており、まだまだ処理が遅かった時代。そうなってくると、

大量の試験区を回せません

例えば私が以前担当していたとある試験は12年前、1日に24個体の実験サンプルを扱うのが限界でした。今はどうか?384個体×4回できます。何なら専用のロボットを購入すれば、夜間に全ての実験作業を行ってくれます。12年でこの進化です。40年前って、いつのことでしょか?というお話なのです。ちなみに、この技術が産声すらをあげていませんでした。申し訳ないですが、40年前は鉛筆なめなめの時代です。パソコンがオフィスになく、電話でメモ、集計は手書き。Excelやワード、パワポなんてありません。学会はスライドのフィルム写真で行われていました。はい。何が言いたいのかと言うと、技術職において、

60歳オーバーの人でこの人がいないと!という現象は滅多にない

というか、あったらヤバい。若い人は遥かに前進的で最新の教育を受けてから入社しているのです。かつ、研究室の人間関係もホットで同世代がまだまだ最前線の研究室に残っていたりします。もちろん、ベテラン達もパイプがありますが、60歳を超えた方に限って言わせてもらいますと、こればっかりは人による!昔は最前線の研究者と仲良しだったけど、もう権限のない顧問になってね~とか、自分のちょっと上の方は退官されていて…というのもあるあるです。最近、そんな60代になるかもしれない予備軍50代後半をいろんな会社で、結構な頻度で見てしまい『自分は知っているんだ』発言を聞くたびにげんなりします。なんせ私もプロパー(新卒で入った会社で勤続約20年)なので、もう結構なオバちゃん。この20年ほどキャラも仕事パターンも変わっていない大ベテランの方々をみていると、げんなりする時も。一方で、少しでも雇用年齢を上げるために60歳以上には働いて欲しい!とも思っています。これはホントに。冗談抜きで、労働人口も減っているため頑張れる人には行ける所までいってもらいたい。では、どんな60代ならば若者に紛れて平気で働いているか?ズバリ、

いい人!!!

いいおっちゃんや、いい人だけが上手に楽しく残っています。黙々と寡黙に働いて、周囲に害がない方もサラッと馴染んでいます。その人が仕事ができるか、知識があるかなんて二の次です。うん。そうなってくると、ある意味、結構なハイポジションに就いてしまった人の方が潰しが効かない。自分の栄光を捨てきれないのか、下のポジションになることへの抵抗があったり、上に上がれないと今さら気がつきどうしたら良いか分からず無気力になってしまったり…バランスがおかしくなってしまう方が散見されます。どちらにしてもサラリーマンも因果応報。ポジションが上だ!と威張り大きな顔をしていると、その時は良いかもしれませんが、定年まで!70歳まで!なんて夢のまた夢で、65歳までもその位置をキープできるのも難しい。稀にキープできる人もいると思いますがごく少数派な気がします。そんなもんですね。人生なんて。ここまで好き勝手お伝えしましたが、私も立派な『70歳まで持たない予備軍』です。延長戦で細々と働くか、行ける所まで上を目指してパッと散ってスッと去るか…戦略を練らなくてはいけないですね。ではまた!

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