離婚しシングルマザーとして1人息子を育てている、筆者の知人Aさんから聞いた話です。Aさんに「父親がいないとちゃんと育たない」という言葉をかけてくるママ友Pさんがいたんだそうです。その発言から数年後、AさんとPさんの子育ての結果はどうなったのかご覧ください。
シングルマザーでも育児は手を抜かない
Aさんは息子が5歳のときに離婚を選択。女手1つで子どもを育てていくことに不安もありましたが、シングルマザーになっても育児は手を抜かず、責任を持って頑張ることを決意していました。
当時、離婚はそれほど珍しいことではなくなっていましたが、まだまだ偏見があったことも事実。ほとんどのママ友は普通に接してくれましたが、ある1人のママ友Pさんだけが辛辣な言葉を投げかけてきます。
父親がいないとちゃんと育たない!
Pさんは何かあると「シングルマザーはこれだから」「父親がいないとちゃんと育たない!」といった言葉をAさんに浴びせてきます。
もちろんAさんはムッとしますが、あえて言い返すことはせずにへらへらしてやり過ごしていました。
Aさんはここで言い返すよりも、きちんと育児をしてその結果で見返せばいいと思っていたのです。
保育園には他にもシングルマザーがいましたが、Pさんはシングルだと知ると誰にでも「父親がいないとちゃんと育たない」と言って回っていました。
それから数年後、子育ての結果は?
それからも手を抜かず子育てを頑張ったAさん。息子は高校生になり、進学校に合格し自分の夢を追いかけ充実した日々を過ごしています。
一方、Pさんの息子は成績不振で何とか合格した高校を、問題行動を起こして退学処分。すっかり荒れた姿を夜の街で見かけるようになりました。
Aさんはその姿を見かけるたびに「父親がいてもちゃんと育たないこともあるんだね」とPさんに言ってやりたい気持ちが湧いてくるのでした。
よそはよそ、うちはうち
母親と父親の両方が揃っていたほうが、子育てのメリットはあるのかもしれません。しかし、だからといって一人親がダメなわけではありません。しかもそれを口に出して伝える必要はまったくありません。
悔しいことを言われたけれど、子育ての結果で見返したAさん。その頑張りは素晴らしいものですね。多様性の時代、それぞれの子育てのあり方を尊重し、余計な口を出してしまうことがないよう気をつけていかなければなりません。
「よそはよそ、うちはうち」の精神で、何事も寛容に受け止めたいものです。
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:安藤こげ茶