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終わらない【トナラー論争】対策はある?不快・不安に感じる人へのアドバイス(心理カウンセラー解説)

  • 2024.5.1

“トナラー”への対策

車内のイメージ
車内のイメージ

2024年4月中旬にSNS上で、賛否が真っ二つに分かれる投稿が注目されました。「空席が複数ある電車内で、男性客が女性客の隣に座る」ことにある女性ユーザーが「キモい」と投稿したことが発端でした。投稿に対し、主に女性側は「男性側の配慮が足りない」と主張し、男性側は「女性側が主張する配慮の必要性には妥当性がない」などの反論が相次ぎました。

空席が複数あるにも関わらず、隣に座る人「トナラー」。正式な定義はありませんが、ここでは電車やカフェ・ 映画館、ないしは駐車場などにおいて、周囲ががら空きなのに、あえて隣に来る人のこととします(隣に座る行為や、車を停める行為は「トナリング」)。前回は、この「トナラー」行為を行う人について、どのような心理が働いているのかを解説しました。この記事では、トナラーを不快だと思ったり、電車に乗ることなどに対して不安になっている人に向けて、心理カウンセラーの立場からアドバイスしたいと思います。

トナラー対策には即効性の高い対策と、時間をかけて改善を促す対策と、2つに大別できます。この記事では主に電車の車内を想定して解説しています。

即効性の高い対策6つ

電車の車内のイメージ
電車の車内のイメージ

(1)その場を離れる先に座っている私がどうして移動しないといけないの?という疑念も湧くことでしょう。ただし、トナラーの中には、最初から犯罪目的の人もいます。その見分けが難しい以上、自分を守るためにも その場から去る」ことも大事です。新幹線のように長時間移動の場合、通路側の席を確保する方法もおすすめです。相手を気にせず、席を離れることができますから。

(2)座席に座らない短時間の移動であれば、予め座らないという選択もありです。健康上の理由でどうしても座る必要がある際は、次の(3)(4)をお試しください。

(3)カバンや荷物を置く元々、座席が空いている状況で生じるのがトナラーです。そうであるのならば、トナリングの防止として、座席の隣に自分の荷物を置いておくのもOKではないでしょうか。(空いている車内の場合)電車の床に置くよりもはるかに衛生的ですし、棚に置き忘れる心配もありません。

「心のバリア」を張るイメージ
「心のバリア」を張るイメージ

(4)心のバリアを張る上の図をご覧ください。コロナ禍ではアクリル板で仕切りを設けました。電車の中に、実際にアクリル板を置くことはできませんが、図のようにイメージすることは十分に可能です。「心のバリア」として活用してください。イメージする際のコツです。・アクリル板の厚みはcmあればOK?・アクリル板が曇りガラスだとしたら、向こうは見える?電車だけではなく、職場の苦手な人などにも用いることができます。

(5)トナラーの数値化ひと口にトナラーといっても、さまざまな人がいます。中には生理的に受け付けない人もいることでしょう。この場合、パーソナルスペースも広くなります。そこで、トナラーの数値化です。最も不快に感じた場面を10点満点として、今回のケースは何点になるのでしょう?自問自答してください。もし、5点ならばその不快感は、マックスと比較して50%ということがわかります。そして、何点ならば妥協できますか?この線引きを、予め決めておくことです。

(6)窓の外を見る電車の中でスマーに夢中になるのもOKです。何かに集中することにより気持ちが晴れます。ただ、その目的であるのならば、窓の外の景色を眺めた方がはるかに効果的です。スマーの狭い画面を見るよりも、視界が晴れ視野が広がるからです。 嫌だ」と感じるときは、どうしても視野が狭くなりがちです。

長期的な対策「五感の実践」

無理に「気にしない」と追い込むのではなく、心地よいと感じる“五感”に意識を集中させる
無理に「気にしない」と追い込むのではなく、心地よいと感じる“五感”に意識を集中させる

トナラーを不快に感じる人の場合、内向的な人が多いとお伝えしました。この機会に少し外向的を目指してはいかがでしょう?性格を変えると捉えるとハードルが高くなります。そこで、シンプルな方法のご紹介です。「周囲を自分から見る・聞く・感じる」こと、つまり「五感の実践」です。

内向的な人の中には、周囲の視線を過度に気にする人も多いです。気になる人に「気にしない」というアドバイスをする人がいますが、そもそもできる人の発想です。できない人にとっては拷問のようなアドバイスではないでしょうか?

周囲を見るとは、「自分から主体的に物事を見る」ことを意味します。例えば、桜の開花など、季節の変化を、あなたは感じ取っていますか?実はメンタルを病みがちな人の場合、この「主体的に見る・聞く・感じる」ことが苦手です。

しかし、冷静に考えてみれば、誰にでも目(視覚)はついています。耳(聴覚)もあります。口(味覚)や鼻(嗅覚)・肌感覚(触覚)があります。これらの五感を取り戻すことです。生まれたばかりの赤ちゃんは、自分の五感をフル活用していますよね。日々の生活の中、数分でOKです。自分の五感をフルに活用してみてください。

例えば、・自分から美しいと感じる景色を探してください。・自分から心地よいと感じる音を探してください。・自分から美味しいと感じる食べ物や飲み物を探してください。・自分からいい香りと感じられる香りを探してください。・自分から素敵な手触りと感じられるものを探してください。

この「五感を取り戻す練習」をする際、「正しさ」ではなく 心地よさ」を優先してください。悪気の無い人トナラーもいます。この一方、故意に近寄って来るトナラーもいます。この2つの見分けもできるようになります。なぜならば、あなたの中にある「五感センサー」が働くようになるからです。

さいごに

ここまでトナラーについて考えてきました。最後に一点お願いです。先入観や固定観念で、相手を決めつけないでください。 自分で考えること」を妨害するからです。ここまで色々な観点から考えてきました。トナラーをはじめ、物事を先入観で捉えてしまうと思考の固定化・硬直化につながります。これはご注意ください。

トナラー論争、まだまだ議論の余地はあります。ぜひ、この記事が皆様の一助になれば幸いです。たくさんのコメントお待ちしています。

(佐藤城人(さとう・しろと))

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