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【本当に恐いホラー映画】旅先で仲良くなった家族がヤバすぎた『胸騒ぎ』 5/10公開 【伊藤さとりのシネマでぷる肌‼】

  • 2024.5.1

映画パーソナリティ・心理カウンセラーの伊藤さとりさんが、お肌も心もぷるっと潤う映画を紹介する連載。今回は、5月10日(土)公開、北欧発のヒューマンホラー『胸騒ぎ』。ラスト15分の想像を絶する展開、全編通して漂う不穏な空気と音楽などが話題です。


ずっと“嫌な予感”が続く97分

いつ自分の身に降りかかるかもしれない恐怖を全身で浴びたホラー映画!それが今回ご紹介するデンマーク・オランダ映画『胸騒ぎ』です。
まず観て思ったのはホラー映画というより、スリラー映画という括りが似合うテイスト。別にゾンビやジェイソン、フレディ、貞子が出てくるわけでもなく、最初はひたすら家族同士の関わりが映し出されるのだけど、それだけで十分、不気味で怖い。この感覚はアリ・アスター監督の大ヒット作『ミッドサマー』(2019)に近いのだけど、もっと身近に感じるのは旅先で有り得るかもしれない現実味を帯びた恐怖体験だからです。強いて言うなら「ヘンゼルとグレーテル」か!?

監督はデンマーク人の俳優でもあるクリスチャン・タフドルップ。彼がイタリア旅行で出会いその後に体験したある家族との違和感から脚本を執筆した本作は、人間関係において大切なことをすればするほど事態は悪化する恐怖を描いたもの。だって相手を不快にしたくないからやることが裏目に出るなんて恐ろしすぎるし、「イイ人」ぶっている人ほど地獄を見るなんてどれだけこの監督は悪趣味で洞察力に優れているんだと拍手を送りたくなったもの。

怖い映画が大好きな人にはたまらない

それにデンマーク人家族とオランダ人家族という組み合わせから、共通言語の英語でコミュニケーションを取りながら、大事な時に母国語を使うことで相手の真意が分からず不安になるという心理をついた脚本に脱帽でしかないし。しかもサウンドが不穏過ぎる! 家族同士の距離感が近くなればなるほど心的不安を煽るような音の演出や、言葉ではない「違和感」がたまらなく気持ち悪いんだから日本タイトルの『胸騒ぎ』通り、ずっと嫌な予感が続く97分なのです。

見終わってすぐにこれが『M3GAN/ミーガン』などのホラー映画を製作するハリウッドのブラムハウスがリメイク権を獲得したのも分かるなぁと激しく首を縦に振った私。これ以上は言うまい。怖い映画が好きな方には最上級の興奮剤であることは間違いないです。
——伊藤さとり

☑5月10日(金)新宿シネマカリテほか全国公開 『胸騒ぎ』

【あらすじ】イタリアでの休暇中、デンマーク人夫婦のビャアンとルイーセ、娘のアウネスは、オランダ人夫婦のパトリックとカリン、その息子のアーベルと出会い、同世代の子どもを持つ者同士で意気投合する。
“お元気ですか?少し間があいてしまいましたが、我が家に遊びにきませんか?”
後日、パトリック夫婦からの招待状を受け取ったビャアンは、家族を連れて人里離れた彼らの家を訪れる。オランダの田舎町。豊かな自然に囲まれたパトリックの家に到着し、再会を喜んだのも束の間、会話のなかで些細な誤解や違和感が生まれていき、それは段々と広がっていく。パトリックとカリンからの”おもてなし”に居心地の悪さと恐怖を覚えながらも、その好意をむげにできないビャアンとルイーセ。善良な一家は、週末が終わるまでの辛抱だと自分たちに言い聞かせるが ——。

2022/デンマーク・オランダ/97分/PG12
監督:クリスチャン・タフドルップ
脚本:クリスチャン・タフドルップ、マッズ・タフドルップ
出演:モルテン・ブリアン、スィセル・スィーム・コク、フェジャ・ファン・フェット、カリーナ・スムルダース
配給:シンカ
宣伝:SUNDAE
宣伝協力:OSOREZONE
提供:SUNDAE、シンカ © 2021 Profile Pictures & OAK Motion Pictures

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