四則演算には計算の順序が決まっていますが、ちょっとした工夫で計算の順序を変えると、とても簡単に解けることがあります。
今回は、そんな問題に挑戦してみましょう。
問題
次の計算をしなさい。
25×3.14-16×3.14
掛け算と引き算の混ざった計算です。
通常は掛け算から計算をしなければいけないのですが、小数点もあるので少し手間のかかる計算になりそうです。
工夫をすることができないでしょうか。
解説
今回の問題の答えは「28.26」です。
次のように計算をすることができます。
25×3.14-16×3.14
=(25-16)×3.14
=9×3.14
=28.26
ここでは「分配法則」を用いて計算しています。
分配法則とは、次のような計算法則です。
分配法則
A×C-B×C =(A-B)×C
「(A-B)×C = A×C-B×C」のように「×C」を配るように計算するのが「分配法則」です。
左辺と右辺を入れ替えた「A×C-B×C = (A-B)×C」もまったく同じものですが、「分配法則の逆」と言うこともあります。
※この記事では、どちらの場合も「分配法則」と言っています。
今回の問題は「25×3.14-16×3.14」と、「×3.14」の計算が二回出てきています。
同じ掛け算を二回しているので、一回にまとめ、残った部分をカッコに入れます。
すると「(25-16)×3.14」となり、「×3.14」の計算が一回だけになりました。
桁数も大きく、小数もある計算なので、何度も計算するのはミスをする可能性があります。
このようなときに、分配法則を利用することで、計算ミスの可能性を減らすことができます。
ちなみに、「掛け算を優先」という通常の解き方をすると、次のようになります。
25×3.14-16×3.14
=78.5 - 50.24
=28.26
同じ計算結果になりました。
もちろんこれでも間違いではないですが、分配法則を利用した方が簡単に答えを求めることができます。
まとめ
「分配法則」は、計算の工夫でよく利用されます。
うまく活用することで、簡単に、そして正確に計算が可能になるので、ぜひ使いこなせるようになりましょう!
※当メディアでご紹介する数学関連記事において、複数の解法を持つものもございます。
あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。
文・編集(監修):SAJIMA
日本国内外の学校、学習塾で数学・理科の講師として幼児から高校生までを指導。現在はフリーランスとして独立し、オンラインを中心に授業を展開している。子供への学習指導だけでなく、大人向けの数学講座も開講し、算数・数学の楽しさを広く伝える活動を行っている。日本数学検定協会認定「数学インストラクター」
分配法則の問題に挑戦!