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『天気の子』『ちはやふる』の制作陣が参加!スタジオコロリド作品『好きでも嫌いなあまのじゃく』が伝えるメッセージとは?

  • 2024.6.4
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Netflix映画『好きでも嫌いなあまのじゃく』5月24日(土)より独占配信

5月24日からNetflixにて世界独占配信&日本劇場公開されたスタジオコロリドの新作映画『好きでも嫌いなあまのじゃく』。スタジオコロリドから10代へのメッセージが詰まった作品となっている。同スタジオの長編「泣きたい私は猫をかぶる」も手がけた柴山智隆監督の2作目の作品であり、人間の少年と鬼の少女の交流を描いた青春ファンタジーに仕上がっている。

自分の気持ちを伝えることの大切さ

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Netflix映画『好きでも嫌いなあまのじゃく』5月24日(土)より独占配信

主人公は山形県に山形県に暮らす高校1年生の八ッ瀬柊(やつせひいらぎ)。人に嫌われたくないという思いのあまり、頼られたら断れず、自分から便利屋を演じてしまう一面もある。頼まれごとを引き受けたものの、相変わらずうまくいかなかった季節外れの雪が降ったある夏の日、鬼の少女・ツムギと出会う。ツムギは人間の世界に母親を探しに来ており、二人はツムギの母が最後に訪れた神社を目指すことに。柊とツムギの旅が始まる。

鬼が住むなばりの郷からやってきたツムギ。鬼の世界は、自分の言いたいことを我慢しなくていい場所だという。人間も言いたいことを我慢しすぎると、鬼になってしまうと柊に伝える。柊の身体からは雪のような物体(小鬼)が出ており、それが雪となって目に見えるようになっていた。

この作品の中では、言いたいことを我慢している状態が小鬼という形で可視化される。友人にも親にも言いたいことを我慢していた柊の身体からは、大量の小鬼が放出され、柊は最終的にツノを生やした鬼の姿になってしまう。また、なばりの郷もツムギの母親の感情を犠牲にして安寧を保っており、そのバランスが崩れたことでなばりの郷は危機に陥ってしまう。

この作品は自分の言いたいことを我慢しすぎていると、さまざまなところで綻びがでること、だれも幸せになれないことを伝えているのだ。

スタジオコロリド作品が届ける10代へのメッセージ

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Netflix映画『好きでも嫌いなあまのじゃく』5月24日(土)より独占配信

スタジオコロリドは、これまでオリジナルアニメ作品を多数手掛けてきた。『泣きたい私は猫をかぶる』では、猫の世界を通して自分を見つける女子高生を描いた青春ファンタジーを、『雨を告げる漂流団地』では、別れの感情を小学生男子と建物の両面から捉えた物語を世に送り出してきた。どの作品も今を生きる大人が通ってきた感情ではあるが、「自分を見つける」「別れと向き合う」という葛藤の渦中にいるのは、どちらかと言えば10代の若者だろう。

近年のアニメ作品は大人にも人気の作品が多く、うまく言葉にできない複雑な感情や懐かしい感情を思い起こさせる作品が増えているように感じる。一方、スタジオコロリド作品は、登場人物にもなっている10代の等身大の悩みに寄り添い、今そのテーマで悩んでいる人の心にそのまま染み渡ってくるような物語を制作してきた。

『好きでも嫌いなあまのじゃく』も、柊とツムギ、柊と父親、ツムギと母親などさまざまな関係性を通して、自分の気持ちを伝えることの大切さを描いている。友人との関係だけではなく、家族とのコミュニケーションにおいても自分の気持ちを我慢せずに伝えようというメッセージを伝えているのだ。

10代が抱えるリアルな悩みを丁寧に掬い取り、美しい映像と共に柊とツムギの冒険譚へと昇華させた本作。「自分の気持ちをうまく伝えられない」「言いたいことを我慢して苦しい」と今悩んでいる人の心に、深く突き刺さる作品だ。

Netflix映画『好きでも嫌いなあまのじゃく』5月24日(土)より独占配信



ライター:古澤椋子
ドラマや映画コラム、施設取材、イベントレポートなどを執筆するライター。ドラマ・映画・アニメ・漫画とともに育つ。X(旧Twitter):@k_ar0202

※記事内の情報は執筆時点の情報です