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【月の不思議】いまだに解明されていない謎5選!最新の月面探査計画・月旅行も紹介

  • 2024.5.1

月とはご存知の通り地球に一番近いところにある天体です。しかし、いまだに多くの謎があります。日本には「月うさぎ伝説」や『竹取物語』のかぐや姫といった、いくつもの伝説や物語が残っているため、月はどこか神秘的な存在ですよね。今回は、そんな月の不思議にフォーカス。最新の月面探査計画・月旅行についても、あわせてご紹介します。

月はどんな天体?

地球からおよそ38万km離れた場所にある天体で、直径は約3,476kmと地球の約4分の1の大きさです。質量は地球の81分の1、月の公転周期・自転周期は約27.32日になっています。

地球とは異なりほとんど大気がないため、昼夜の温度差が激しく、月の赤道付近の観測によると、昼は110℃、夜は-170℃と、200℃以上も差があることがわかっています。

月は地球の周りを回る衛星です。そのため、月と地球と太陽の位置によって見え方が、満月や三日月、新月(月が地球と太陽の間にあり、地球から月の影の部分しか見えない)と、変わります。

また、地球は月の引力を受けており、月の位置によって満潮と干潮が起こります。さらに太陽の引力からの影響も少なからず受けていて、月の満潮と太陽の満潮が重なったときは「大潮」になります。

解明されていない月の謎5選

神秘的な雰囲気が漂う夜空に浮かぶ月、まだ解明されていない謎がいくつもあります。ここからは、月の代表的な謎についてご紹介します。

月の起源

アポロ計画で実施された調査や実験により、月の誕生は地球の誕生と同じく、およそ45億年前であることがわかりました。

しかし、地球の一部がちぎれて月になった説や、まったく違うところで生まれた月が地球の重力に捕らえられた説、地球ができあがった頃に、火星くらいの大きさの星が地球にぶつかり、宇宙空間に広がった地球のかけらが集まって月が形成された説などがあり、どのような過程を経て月ができたのかは、わかっていません。

月の裏側

月は地球の周りを1公転する間に、1自転するため、地球から見えるのは月の表面のみです。そして、月の表側の明るい部分は「高地」、暗い部分は「海」と呼ばれています。実は月の裏側は、広大な平原である「海」がほとんど存在せず、クレーターだらけで荒々しいです。

最近では、表と裏では地下のつくりも異なることがわかっていますが、どうして月の表側と裏側がこれほどまで異なるのかは判明していません。

月の中心

地球の内部は大きく分けてコアとマントルの2つで構成されています。コアは鉄やニッケルでできた固まりで、一方のマントルは、コアの周りを包む層で、地球の内部をゆっくり動いています。しかし、月の内部はこれまでの調査の結果、金属でできたコアがあることは間違いないようですが、詳しいことはわかっていないのです。

衛星にしては大きい

金星と水星を除き、太陽系の惑星には衛星があります。ほとんどの惑星の衛星は、その惑星と比較して小さく、いびつな形をしています。ですが、月の直径は地球の4分の1と大きく、真球に近い形に見えます(実際の月は歪んでいます)。

月は年々地球から離れていっている

アポロ計画で宇宙飛行士が月面に鏡を設置したことにより、地球の科学者がその鏡にレーザーを当てることで、月が地球から少しずつ遠ざかっていることが判明しました。1年に約3.8cm遠ざかっているのです。

しかし、約500億年後には月の公転と地球の自転が一致し、それ以上、地球から月は離れていかなくなるとか。とはいえ、それよりも早い50億年後に太陽が「赤色巨星」と呼ばれる状態になり膨張し、地球を飲み込むといわれています。

続いて、将来的な月旅行につながることが期待される「アルテミス計画」について解説します。

国際探査計画「アルテミス計画」とは?

1969年、アメリカのアポロ計画による人類初の月面着陸から半世紀以上の時を経て、現在、アメリカ航空宇宙局(NASA)主導の国際探査計画「アルテミス計画」が本格化。これは2025年以降(2026年9月以降になる可能性大)に人類を送り、月を周回する有人拠点などの計画を通じ、月に物資を運び、月面拠点を建設し、月での人類の持続的な活動を目指すものです。

この計画を推進するため、2020年10月にアメリカ、日本、カナダ、イタリア、ルクセンブルク、UAE、イギリス、オーストラリアの8カ国がアルテミス合意にサインしました。

なお、月を周回する有人拠点であるゲートウェイは、月面や火星に向けた中継基地のことで、2028年の完成を目指しています。JAXA(宇宙航空研究開発機構)で開発中の国際宇宙ステーションへの輸送機である「HTV-X」は、最終的にはゲートウェイへの輸送にも使えるように検討中だそうです。

さらにJAXAでは、宇宙飛行士が一定期間居住できる機能と空間を備えた、月面上の広い範囲を持続的に移動可能なモビリティ「有人与圧ローバ」の実現も目指しています。いやはや、少し先の未来を考えただけでワクワクしてきますね。

そして、2024年4月8日には、おめでたいニュースが! なんと東京大学、学習院大学、岡山理科大学、東北大学がJAXAや海外の研究機関などと共同で開発を進めている「月面誘電率計測器」がアルテミス計画に採択されたそうです。「月面誘電率計測器」は、月面に設置された後、独立した小型基地のように月面で観測を開始するといいます。

イーロン・マスク率いるスペースXが現在開発中の宇宙船の役割

「アルテミス計画」には、この先8回以上予定されている月へのミッションがあります。

月周回試験飛行と地球帰還を無人で行う「アルテミス I」はすでに成功していますが、4人の乗組員が宇宙船に乗り、月を周回して地球に帰還する「アルテミス II」、2人の宇宙飛行士がスペースXの宇宙船「スターシップ」(現在開発中)に乗り込み、月の南極近くに着陸し、約6日半、月面での船外活動を行う「アルテミス III」を2025年9月以降に順次実施予定です。

しかし、「スターシップ」は3度の飛行試験を実施し、すべて失敗に終わっています。とはいえ、これまでの失敗を糧に改良され、月や火星に向けて着実に前進しているようです。

大きな話題になった、前澤友作氏のスペースXによる月周回飛行も、2024年以降に延期されましたが、近い将来、人類が再び月面を歩くことになるのは間違いなさそうですね。

スペースXは打ち上げ頻度を高めることも計画しているため、100年といわず、50年以内に一般人の月旅行が可能になるかもしれません。月のお土産は、やはり月の石なのでしょうか(地球に持ち帰れる数や重さなどを制限されそう)。いろいろなことを想像してしまいますね。同時に、月の数々の謎がひとつでも解明されることを願っています。

[参考]

JAXA(宇宙航空研究開発機構)

スペースXの大型宇宙船 試験飛行中に信号途絶える 空中分解か|NHK

前澤友作さん計画の月周回旅行 ことし中の打ち上げ断念|NHK

人間2人を月に送り込むNASAとSpaceXの偉大な計画が始動|Forbes JAPAN

※画像はすべてイメージです

[All photos by Shutterstock.com]

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