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インスタグラム販売から夢の実店舗をオープンする方法【北欧で働くおしゃれガールのキャリア連載 #5】

  • 2024.5.1
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ELLEgirl

デンマーク・コペンハーゲン在住のエディターFUMINAが、ファッション/デザイン/アート業界など、憧れの仕事に就いて働くおしゃれな北欧ガールたちに急接近。オフィスや自宅、作業スペースにお邪魔し、普段の業務内容や就職に至るまでの経緯、お仕事ファッションやバッグの中身など、気になるあれこれを徹底解剖する新キャリア連載!

第5弾は、インスタグラム販売から人気に火がつき、2023年に念願の実店舗をオープン……蚤の市やフリーマーケット文化の盛んなコペンハーゲンで、注目度急上昇中のヴィンテージショップ&カフェ「ジョリマン」を手がけるイザベラ・ルンドにインタビュー。

Q1. プロフィールを教えて!

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「コペンハーゲンから車で40分ほどの場所にある、リングステズという街で生まれ育ちました。地元にいた頃から周りにはよく“働き者”と言われていて、人生初の仕事は13歳のときにした新聞配達。18歳からレストランのホールスタッフとして5年半働き、ギャップイヤー期間中に勤めた家具店では、倉庫管理や荷物の梱包、店頭での販売、バイイング業務も担当。コペンハーゲンに引っ越してからは『ガニー』のようなファッションブランドや、セレクトショップなどアパレルでのショップスタッフを経験しました。その後、念願だった自分の店である『ジョリマン(フランス語でかわいらしい/こぎれいなという意味)』を2023年8月にオープン。現在はカフェを併設したヴィンテージショップのファウンダー兼オーナーを務めています」

Q2. ヴィンテージショップ&カフェのファウンダーの仕事って?

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「とにかくすべて! 『ジョリマン』は私ひとりの会社なので、常に業務は多岐にわたります。商品の仕入れ、カスタマーケア、経理、インスタグラムなどSNSの運用、撮影をはじめとするコンテンツ作成、イベント企画……そして忘れてはいけない、お店の掃除もね」

Q3. 「ジョリマン」をオープンするまでの経緯は?

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「子どもの頃、夏休みになると両親と一緒に南フランスを訪れるのが恒例でした。母と祖母の趣味はさまざまな蚤の市をめぐること。私もそれに加わり、ヴィンテージの皿や陶器、ガラスのグラス、雑貨など、美しいモノに出会ったり、触れたりするのが大好きに。私が地元を離れて独り立ちする際、何年もかけて収集してきたヴィンテージの品々を整理すると、65平方メートルのアパートが埋め尽くされるほど!」

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「そこで、インスタグラム上でヴィンテージ雑貨を販売するというアイディアを思いついたのが、『ジョリマン』誕生のきっかけ。思いがけずフォロワーがどんどん増えていき、仕事と並行しながら『ジョリマン』を5年ほど運営した後、自宅の近くに空き物件を発見。インスタグラムからの顧客、ふらっと立ち寄る新規顧客も同時に迎え入れられるよう、カフェも併設。ショッピングをしてもいい、コーヒーを飲みに来てもいい……自分の“好き”を詰め込んだ小さなお店を持つという、長年の夢をかなえることができました」

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「ヴィンテージやセカンドハンドのアイテムが日常にあふれているデンマークでは、春から夏にかけて、たくさんの蚤の市が各地で開催されます。そこでの“宝探し”は何より楽しく、今では蚤の市に行けば『ここに掘り出し物が眠っているかどうか』がすぐにわかるように。フランスのヴィンテージ雑貨に目がないので、見つけるとだいたい購入。イギリス、イタリア、デンマークの古い食器もよく集めています」

Q4. 一日のタイムスケジュールを教えて!

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7:00 目覚まし時計のアラームで起床。ベッドで15分ほど横になり、スマホをチェック。起きてスキンケアをした後、ワークアウトウェアを着て2匹の犬と朝の散歩へ。家に戻ったら、着替えとヘアメイクの準備をする。

8:30 出勤し、コーヒーを淹れる。『ジョリマン』は自宅と同じ通りにあるので、通勤は歩いて1~2分ほど。その後、散歩がてら近くの広場までパンを買いに行く。散歩中は友人と電話をしたり、ポッドキャストや音楽を聴いたりしてリラックス。

9:30 店に戻り、掃除機をかけて準備。花瓶に花をいけたり、新しいコーヒーを淹れたり、朝食をとったりしているうちに開店時間に。

10:00 『ジョリマン』オープン。接客対応、インスタグラム用の写真撮影、注文の梱包作業、カフェでの提供サービスなどを行う。

17:00 店を閉めて帰宅、犬と散歩をする。仕事終わりは友人と会ったり、夕食を作ったり、テイクアウトを頼んだりして夜を楽しむ。

22:00 夜のスキンケアをし、就寝。寝る前に瞑想をするのが欠かせない日課。

Q5. “好き”を追求しながら人々に愛される店を作るうえで重要な“3つのルール”は?

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【RULE 1】強い信念を持ち、悩んだら直感に従うこと

「常に自分の直感に従うこと。自分の店や世界観、こだわりに対して舵を切らなければいけないとき、決断しなければならないとき、悩んでしまったとき……目の前の選択肢のなかからどの道を歩むべきか、信念が強いほど直感的に選択することができる。心の声に耳を傾けて」

【RULE 2】見る者にインスピレーションを与える一貫したテーマ性

「店に一貫したテーマ性を設け、はっきりとわかりやすく提示することがとても重要。どんな店で、どんな雰囲気で、どんなモノを販売しているのか……インスタグラムのフィードを見れば、店を作り上げる要素ひとつひとつの密接なつながりを感じることができるはず。私はただ商品を売りたいわけではありません。大切なのは、店を訪れた人の感性を刺激し、インスピレーションを与えられるような世界を作ること」

【RULE 3】いつも遊び心を忘れずに

「クリエイティブであることは楽しいこと。だからこそ、常に遊び心と好奇心を持つよう意識。インスタグラム、店のレイアウト、商品の選び方、包装の仕方ひとつとっても、“当たり前”を打ち破るような新しいアイディアを模索しています」

Q6. これまでに経験した挫折や困難だったことは?

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「自己分析すると、細かいところまで気になって心配性なタイプ。仕事の傍ら趣味で始めたインスタグラムでのヴィンテージ雑貨販売から実店舗をオープン……つまり自営業になることは、間違いなく人生における大きな転換期でした。『安定しなければ』という不安を振り払い、『これで生計を立てられる』と信じる勇気をもつこと。幸い、会社勤めから同じく自営業への道に踏み出したすばらしい友人が、背中を押してくれました。私の決断に対していつも協力的な家族と、応援してくれる最高の友人たちに感謝しています」

Q7. お気に入りのお仕事ファッションを教えて!

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「基本的にオーバーサイズの服を着るのが好き。毎日の相棒は、バギージーンズにゆったりめのTシャツ、そしてヴィンテージのブレザーの3点セット。ヴィンテージのシャツもお気に入りで、シルクのロングドレスの上からさらっと羽織ったり、パンツをあわせてラフに着こなしたりするのがマイルール」

Q8. お仕事バッグの中身は?

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「マチたっぷりの大きなかごバッグを愛用中。中身のスタメンは、コペンハーゲンのセレクトショップ『ホリー ゴライトリー』のケースに入れたノートPC、サングラス、ふと唇の乾燥が気になったときに塗れるリップバーム、リボンの形をしたヘアクリップ、ガムなど。大容量のバッグは、持ち物をクリアに整理整頓できるので◎」

Q9. 「いつか自分の店を持ちたい」という人へ何かアドバイスするとしたら?

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「どんなときも自分の心に従ってほしい。夢があるなら、それが何であれ、ゴールに向かって突き進むこと。『やらなかったことを後悔する』ことだけはしたくない! もっと具体的にアドバイスするならば、実店舗をオープンする前にインスタグラム上での販売を始めると、そこで一定数のファンを獲得でき、なおかつ需要を知ることができるのでおすすめ。リスクを回避するためにも、いきなり実店舗を構えるではなく、まずはオンラインから始めてみるのも正攻法のひとつだと実感しています」

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Isabella Lund(イザベラ・ルンド)

ヴィンテージショップ&カフェ「ジョリマン」ファウンダー

Instagram

デンマーク出身。家具店でのバイイング、アパレルでの接客業務などを経験した後、幼少期から両親と一緒に収集していたヴィンテージ雑貨を販売するインスタグラムアカウント「ジョリマン」を開設。センスあふれるセレクト&ラインナップが「おしゃれ!」と口コミで話題を呼び、2023年8月にカフェを併設した実店舗をオープン。コペンハーゲンの最新注目スポットとして、ローカルたちから人気を集めている。

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