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【札幌】あくびするキタキツネ…6人の大学生が見た北海道の景色 ゴールデンウィークに写真展開催

  • 2024.4.30

「ただ動物がいるだけではなくて、状況がわかるような写真を撮りたいです。動物の表情や、個性を出せたらと思っています」

そう話すのは、北海道の大学生、葉琉(はる)さん。
インスタグラムの@haru_wildlife_というアカウントで、主に野生動物をテーマにした写真を公開しています。

Sitakke
撮影:葉琉さん(@haru_wildlife_)

こちらの写真は、道東で撮影したキタキツネ。
遠くからカメラを構え、朝のあくびの瞬間をとらえました。

ことしのゴールデンウィーク、葉琉さんは新たな挑戦をします。
大学生6人で、札幌で写真展を開催するのです。

大学も学年もバラバラ、北海道外の学生もいます。
写真のテーマもそれぞれ。

Sitakke
撮影:左からNittoさん(@nitto_photography)、Nakiussaさん(@nakiussa_photography)

なぜ6人は出会い、写真展を開催することになったのか?
どんな写真が見られるのか?

ゴールデンウィークにおすすめのイベントをご紹介します。

連載「クマさん、ここまでよ」番外編
(なぜこの記事がクマ連載なのかは、記事の中で…)

6人それぞれの視点を楽しめる

大学生6人による合同写真展「Youth from the North」。

2024年5月1日(水)~6日(月)まで、札幌の中心部、大通西13丁目の「札幌市資料館 ミニギャラリー2」で開催されます。

葉琉さんは、「それぞれ撮っている写真が違うので、見に来る方もいろいろな楽しみ方ができるのでは」と話します。

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撮影:shotaさん(@shota_astro_view)

たとえば、こちらはshotaさん(@shota_astro_view)の作品。

北海道・十勝岳のふもとで、深夜に天の川が現われた瞬間をおさめました。
「日本の風景でも、海外のような『非日常感』を探して撮影している」といいます。

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撮影:きーとさん(@hokki_to)

一方、こちらはきーとさん(@hokki_to)の作品。北海道の寒い冬の夜、ランタンの明かりが顔を照らし、表情からあたたかさも感じられます。
「函館山では夜景単体の写真が多いので、ポートレートにすることで新しくしたかった」と話します。

きーとさんは京都大学の学生ですが、写真を撮るために休学し、北海道に移住したのだそう。そんなきーとさんが北海道のどんな風景を、どんなふうにとらえたのかも、注目のポイントです。

札幌市民なら誰もが見たことのある場所の、違った姿も見られます。

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撮影:higureさん(@higure_foto)

こちらはhigureさん(@higure_foto)が撮影した、JR札幌駅の一角。
道外出身のhigureさんは、「初めてこの札幌の風景を見たときに、きれいだと思った」と話します。

札幌市民には見慣れた場所でも、「実は特別な風景だったんだ」と気づかされます。

「動物のかわいさだけでなく、課題も伝えられるカメラマンに」

北海道や東京、京都と、大学も出身地も別々の6人。
それぞれがSNSでお互いの活躍を知り、つながっていったといいます。

葉琉さんは、「同じ年代で写真を本気でやっている人は珍しいし、一緒に撮影に行きたいのもあって連絡するようになりました。同じ場所で、同じときに撮っても、同じ写真は撮れないので、一緒に撮ることで違いを感じながら、ほかの視点から見ることができるんです」と話します。

キタキツネのほか、エゾモモンガやエゾリスなど、北海道の動物たちの写真を撮影している葉琉さん。中にはヒグマの写真もありますが、そのインスタグラムの投稿には、「安全な場所から超望遠カメラで撮影しています」と書かれていました。

葉琉さんには、「動物のかわいさも伝えたいけれど、それ以上に課題も伝えられるカメラマンになりたい」という想いがあります。

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葉琉さんは去年12月、札幌で開催された「小グマフォーラム」に出席しました。
住民が中心になってクマ対策を進めている団体や、これから始めたい個人が集まり、情報交換をしたり、それぞれにできることを話し合ったりするイベントでした。
私たちHBCも、クマ対策に関わる一員として参加していました。

この場で葉琉さんは、自分にできることとして、「写真展を開催して、写真で動物のことを伝えたい」と話していました。
そして今回、「本当に開催することにしました」と、連絡をくれたのです。
(クマの写真も展示したいとのこと。楽しみ!)

以前からshotaさんやNakiussaさんとは、「いつか一緒に写真展をやりたい」と話していたそう。「小グマフォーラム」の後、きーとさんにも相談するとすぐに動いてくれ、この6人が集まりました。

Nittoさん(@nitto_photography)は、「大学生がやる写真展はなかなかない。葉琉さんの行動力はすごいなと思うし、誘ってもらって、楽しそうだからすぐ『やる!』と答えました」と話します。

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撮影:Nittoさん(@nitto_photography)

スポンサーなどはおらず、自分たちだけでの初開催。写真集や写真の販売も考えているため、準備に大忙しだといいますが、写真展だからこその魅力も感じています。

higureさんは、「今はSNSなどで写真を発表する形式が多い。でも写真展なら、来場者との交流も生まれるし、写真を印刷するサイズやライトの配置などの工夫もできます。空間によって生まれるものを、来てくれる方と共有できたら嬉しいです」と話します。

きーとさんは、「一人で北海道に来て、つながりも少ないので、来てくれた方と交流できるのが楽しみです。若い中で頑張っているみんなと集まって、高め合いたいという思いもあります。見てくれた方に『この年齢でこんなん撮れるのか』と思ってもらえたら」と意気込みます。

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撮影:Nakiussaさん(@nakiussa_photography)

「こんなん撮れるのか」…で言えば、たとえば「誰も知らない絶景、自分だけしか知らない景色」を探しているというNakiussaさん(@nakiussa_photography)の作品。アップダウンのある山を登る途中、暖かい空気が雪にぶつかって生まれた霧のように見える一瞬を撮影しました。

Nakiussaさんは、「撮影には時間も体力も使っていて、撮るまでのつらさも、撮ったときの感動も詰まっています。見てくれた方にも、それだけの感動も伝えられたら嬉しいです。6人の写真を通して、北海道の風景をいろいろな視点で見てほしいです」と話します。

写真展は入場無料、入退場自由。たくさんの人に見てほしいと、ゴールデンウィークに札幌中心部での開催を決めました。

葉琉さんは、「全員大学生なので、実現できたら自信にもなります。大人にも、若い世代にも見てもらって、写真から何か感じ取ってもらえたら嬉しいです」と話していました。

大学生への応援の気持ちで、訪れてみてはいかがでしょうか。それ以上にこちらが刺激や、力をもらえるかもしれません。

合同写真展「Youth of the North」

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・場所:北海道札幌市中央区大通西13丁目 札幌市資料館ミニギャラリー2
・日程:2024年5月1日(水)~5月6日(月・祝)
・時間:午前9時~午後7時 ※最終日のみ午後5時終了

連載「クマさん、ここまでよ」
暮らしを守る知恵のほか、かわいいクマグッズなど番外編も。連携するまとめサイト「クマここ」では、「クマに出会ったら?」「出会わないためには?」など、専門家監修の基本の知恵や、道内のクマのニュースなどをお伝えしています。

文:Sitakke編集部IKU

※掲載の内容は取材時(2024年4月)の情報に基づきます。

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