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【『光る君へ』の世界】平安時代の男女はどうやって出会う? 貴族の恋愛事情と、釣りができる住まい「寝殿造」について

  • 2024.4.28
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紫式部が主人公の大河ドラマ『光る君へ』により、彼女が生きた平安時代への注目が高まっています! 今回は、貴族の恋愛と住まいについてご紹介!


【恋愛】女性は惚れられ待ち!?

平安時代の貴族の女性は、他人に顔を見せませんでした。そのため男性貴族たちは、相手の顔や姿を見る前に「美しい姫君がいる」といった噂で恋に落ちることが多く、あるいは邸[やしき]の垣根や御簾越し[みすこし]に女性の姿をちらっと見る「垣間見[かいまみ]」で恋愛感情を抱く男性も。

1. 恋愛のきっかけ

パターン① 噂話

パターン② 垣間見

2. 交際開始

手紙(和歌)のやりとり

男性は和歌を添えた手紙を女性に送る。女性はその手紙が気に入れば返歌を送るが、最初のうちは侍女などが代筆する場合が多かった。つまり、和歌や文字が下手な人は恋愛も下手。

3. 結婚までの手順

女性の邸に通う

手紙のやりとりを重ねたのち、男性が女性の邸を訪れる。夜深くに裏口から入り、明るくなる前に帰るのがマナー。翌日、男性が後朝[きぬぎぬ]の手紙(和歌)を女性に送らなかった場合は、そこで破談となる。

4. 露顕[ところあわらし]

お披露目する

女性のもとに3 日通い続けたら、男性は結婚成立の証しとして「三日夜[みかよ]の餅」を食べる。そのあと、女性の邸で用意した装束を身につけ、露顕(披露宴)を行った。

当時の結婚は、男性が女性の邸に通う「通い婚」が主だったため、女性側の親が用意した装束を男性が着ることで「女性の家の人になった」ことを意味しました。

【住まい】平安貴族の住居「寝殿造」

寝殿造は、唐の宮殿建築の技法に日本独自の技法を取り入れたもので、10世紀頃に完成したとされています。当時の建物は残っておらず、正確にどのようなものであったかはわかっていません。

中央に南向きに寝殿があり、その東、西、北などに対屋[たいのや]を設け、渡殿[わたどの]で結ぶのが一般的だった模様。

寝殿

主人が起居する主屋。

庭園

寝殿の前庭には白砂が敷かれ、その南には中島[なかじま]のある池が掘られた。

対屋

寝殿の東、西、北などに配置された家族などの居住空間。

釣殿[つりどの]

池に面して設けられた建物。納涼や宴会、釣りなどを楽しむ時に使った。

寝殿造の主屋「寝殿」の内部

塗籠[ぬりごめ]

母屋の端につくられた壁で囲まれた部屋。主に寝室として用いた。

妻戸[つまど]

両開きの板の扉。

二階厨子[にかいずし]

二段になった棚の下に開き戸がある戸棚。

御帳台(みちょうだい)

四隅に柱を立てて帳[とばり](布)を垂らしたもの。主人の座所や寝所として用いた。

屏風[びょうぶ]

部屋の仕切りや装飾に用いた調度品。

茵[しとね]

座る時に用いる敷物。

蔀[しとみ]

格子を取り付けた板戸。外または内側に水平につり上げて開ける。

簀の子縁[すのこえん]

廂の外につくられた板縁。

母屋[もや]

寝殿の中心部の生活スペースで、家具なども置いた。

几帳[きちょう]

二本の柱の上に横木を渡し、そこに帳[とばり](布)をかけて室内を仕切った。

廂(庇)[ひさし]

中央部の母屋を取り囲むスペース。方角によって「南庇」「東庇」などと呼んだ。


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監修=吉田裕子 イラスト=木村 誠 ※GLOW2024年4月号より

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