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【科学の料理】「袋麺焼きそばを200%おいしく作る方法」にトライ!精緻な切り方・分量・火入れ…で優勝!解像度が凄い

  • 2024.4.28

誰が作ってもだいたいおいしく出来る、袋麺の粉末ソース付き焼きそば。そんな市販の焼きそばを200%おいしく作る方法があるんです!「粉末ソースに料理酒を混ぜる」「野菜と肉を別々に焼き、少量の粉末ソースで下味をつける」などなど…特別な材料を使わず、手間ひまもかけずにおいしく作るポイントが満載です。そして具体的でわかりやすいレシピなんですね。解像度がすごいレシピです。紹介しているのは、分子調理学研究家のこじまぽん助さん。分子調理学研究家お墨付きのこの方法、試してみることに!



分子調理学研究家のこじまぽん助さん。「分子調理学」とは、食材や料理のプロセスを科学の視点で分析して、従来の調理に科学的な裏付けをしたり、新しいレシピを生み出したりする考え方や技術のことだそうです。

そんな分子調理学の研究家であるこじまぽん助さんは、「材料は同じ、テクニックも不要、だけど圧倒的においしく作れる」レシピを紹介しています。一般的なレシピは「工程のみ」を紹介するものがほとんどですが、ぽん助さんは「おいしくするために、なぜその工程が必要なのか」までを丁寧に解説してくれます。

本日挑戦する「市販の焼きそばを200%おいしく作る方法」は、以前、ぽん助さんが紹介したレシピのアップグレード版。工程や作り方がより簡単になり、味もよりおいしくなったそうです。

では、「市販の焼きそばを200%おいしく作る方法」で、焼きそばを作ってみましょう。

アップグレード版「市販の焼きそばを200%おいしく作る方法」に挑戦!



【材料】2人分
焼きそば麺…2袋
付属の粉末ソース…2袋
豚バラ薄切り肉…2枚
キャベツ…1枚
ピーマン…1個
料理酒…大さじ2
サラダ油…大さじ1
生しょうゆ…小さじ1程度

◆仕上げ
こしょう…適量
青のり…適量

付属のソースが粉末ではなく液体の場合も、少し料理酒を足すとおいしくなるそうです。

そして、しょうゆは「生しょうゆ」を使うのがポイント。



「生しょうゆ」は、一般的なしょうゆで行う、色・味・香りを整える「火入れ」という工程を行わない、しょうゆ。調理した時に初めて火が入るので、香ばしさが立ちのぼり、旨味豊かな味わいが楽しめるとのこと。最後の仕上げにこの「生しょうゆ」を使うことで、しょうゆの香ばしさと豊かな味わいを焼きそばにプラスするそうです。

【作り方】

1.具材の下準備
ピーマンは2~3mm幅の細切りに、キャベツは3cm角くらいに切ります。

豚バラ肉は2枚重ねて、2~3cm幅くらいの短冊切りにします。豚バラ肉は薄いので、火が通りすぎて硬くなりがち。2枚重ねて焼くと、火の通りすぎを防げるそうです。

2.ソースの下準備



容器に粉末ソースを入れます。ですが、2袋全部は入れず、1袋と2/3袋分入れ、少量残しておきます。残した粉末ソースは後ほど具材の下味に使います。





容器に入れた粉末ソースに料理酒を加え、よく混ぜます。





料理酒を使うことで、料理酒の“いい意味“での雑味がコクとなり、味に広がりが出るそうです。甘めの味付けが好きな人は料理酒の代わりに、みりんを使ってもよいとのこと。

また、味の面だけでなく、粉末ソースは麺に絡むのに時間がかかるため、ソースを液体状にしておくと失敗なく作れるそうです。


3.具材を炒める
フライパンにサラダ油を引いて中火にかけ、細切りしたピーマンを軽く炒めます。



ピーマンに油がまわり、少し火が入ってきたかなというところで、キャベツを投入し、軽く炒めます。



後ほど麺と一緒に炒めるので、ここではピーマンとキャベツに6割ほど火が通ればOK。一旦取り出します。

続いて、同じフライパンで豚バラ肉を炒めます。

豚バラ肉は薄いので、広げて焼くと火が通りすぎてしまいます。2枚重なったくらいで焼くのが、ちょうどいいとのこと。



豚肉に触らず、中火で片面だけしっかり焼き色がつくまで焼きます。ここでは、食材に含まれるたんぱく質と糖が、140℃以上の環境になった時に起こる褐色反応「メイラード反応」を起こすのがポイント。こんがり焼けた肉の香ばしい香りを料理に加えることで、仕上がりのおいしさが何倍も変わってくるそうです。ですが、焼きすぎは肉が硬くなるのでご注意を!



片面に焼き色がついたら火を止め、余熱でもう片面に火を通します。余熱で火を通すことで、肉全体がカリカリになるのを防ぐそうです。

肉が焼けたら、一旦取り出します。なお、肉の脂がついたフライパンは洗わず、麺を炒める際、そのまま使うとのこと。

4.具材に下味をつける
フライパンから取り出した野菜と肉に、2の粉末ソースの残りをかけて軽く和え、具材に下味をつけます。





このひと手間を加えることで、「麺にだけ味がついて、具材に味がない」という失敗を防げるそうです。

5.麺を加える
麺の入った袋の先端部分を切り取った状態で、麺を電子レンジ(600W)で1分ほど加熱します。レンチンする際、袋が破裂しないよう、念のため袋を開けてレンチンする方がいいとのこと。





麺を炒める前にレンチンするのは、麺をほぐしやすくするため。水を入れてほぐすと、麺がやわらかくなりすぎてしまうので、レンチンして事前に温めてほぐしやすくするそうです。こうすることで、麺もやわらかくなりすぎず、具材と炒める工程もスムーズに進められるというわけ。

肉を炒めたフライパンを中火にかけ、そこにレンチンした麺を入れます。その際、麺がデコボコしている方ではなく、“平らになっている“方の面を下にして入れましょう。フライパンとの接地面積が広いほど、より効率的に焼けるんですって。



麺を入れたら、すぐにほぐさず、フライパンについた豚肉の脂を麺を使って拭き取ります。この豚肉の脂を麺につけることで、麺に焼き色がつきやすくなるそうです。

麺の片面に焼き色が少しついたら、麺をひっくり返します。焼きすぎると麺がカリカリになるのでご注意を。今回は1分30秒ほどで焼き色がつきました。



ひっくり返した側の麺にも少し焼き色がついたら、麺をほぐします。



麺をほぐしたら、火加減を弱めの中火にします。2のソースを回しかけてさっと混ぜ、さらに4を加えて混ぜます。





具材と麺がなじんだら火を止め、隠し味に生しょうゆをかけてさっと混ぜます。生しょうゆの香ばしい香りがたまりません♪


お皿に盛り付け、こしょうと青のりをふりかけて出来上がり。今回、食べたい気持ちがはやり、こしょうをかけるのをついつい忘れてしまいました…。



調理時間は10分。いつもの焼きそばを作る時間と、さほど変わらず。難しい工程もなくとっても簡単に出来ました。



では、いただきます!



おお~、おいしい。麺がやわらかすぎず、いい感じのもっちり食感です。粉末ソースに料理酒を入れて液体状にし、具材に粉末ソースを少しかけて混ぜておくという工程が効いていて、麺にも具材にもしっかりソース味が行き届いています。そして、麺をすするとふわっと香る、しょうゆの香ばしい香りもいいです。



いつもは野菜も肉も炒めすぎてしまい、野菜はクタクタ、肉はカチカチパサパサになりがちですが、今回は野菜も肉も最高。ピーマンもキャベツもシャキシャキした食感が残っているうえ、火が通っているので野菜の甘味も出ています。豚肉は香ばしさがありつつもカリカリしすぎず、やわらかさも残っています。



粉末ソースに料理酒は加えましたが、わたしの味覚が鈍感だからか、味としてはさほど変わったような感じはしません。味の違いはあまり気づきませんでしたが、麺がやわらかすぎる、硬すぎる、ソースが均一に混ざっていない、具材に火が通りすぎ…など、マイナス面が全くない焼きそばに仕上がったのは、間違いありません。

「市販の焼きそばを200%おいしく作る方法」とは、市販の焼きそばのポテンシャルを最大限に引き出すことが出来て、失敗を確実に回避出来る方法なのかなと思います。



分子調理学研究家・こじまぽん助さんのアップグレード版「市販の焼きそばを200%おいしく作る方法」で、市販の焼きそばを作ってみてはいかがでしょう♪失敗することなく、おいしい焼きそばが作れますよ。

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