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出産からテニス復帰まで。大坂なおみの1年を振り返る

  • 2024.4.26

テニス界で長年活躍を続けてきた大坂なおみ。昨年は娘のシャイちゃんを迎えるために一時活動を休止していたけれど、4月12~13日のビリー・ジーン・キング・カップで見事な復帰を果たした。

グランドスラム通算4勝の大坂は、夏季オリンピックの出場権も狙っている。出場が決まれば、前回の東京で9位に終わって以来、2度目のオリンピック出場となる。現在26歳の大坂は、有給育児休暇の重要性を主張するキャンペーンに取り組む一方、今後は子育てと並行してテニスに打ち込んでいく決意を表明している。

でも、大坂はコートを走り回っているイメージが強いので、彼女が出産したことを知らない人もいるかもしれない。そこで今回は、彼女が母親になるまでの軌跡を辿ることにした。アメリカ版ウィメンズヘルスから見ていこう。

2023年1月、妊娠を発表

2023年1月、大坂はインスタグラムで妊娠を発表した。「この数年は控えめに言っても楽しかったのですが、人生で一番楽しいのは一番大変な時期なのかもしれません。これから楽しいことがたくさんあると思いますが、いつか子どもが私の試合を観て、周りの人に『あれが私のママなのよ』と言ってくれたらうれしいですね」(この投稿はすでに削除されている)

この時点で大坂は、2024年にコートに戻る予定であることも明かしていた。

同年7月、パートナーのコーデーとの間にシャイちゃんが誕生

『People』誌によると、大坂は7月に第1子を出産した。同誌は彼女の関係者が「母子ともに元気です」と語ったことも報じている。大坂は以前、『Vogue』誌とのインタビューの中で母親になることへの想いを聞かれ、「とてもワクワクしています。私の周りで子どもがいる人はみんな、子どもが生まれたことで人生が変わったと言っていますから。(母親になる)準備はしたくてもできないと思うので、流れに身を任せます」と答えていた。

大坂とコーデーは娘を「シャイ」と名付けた。この名前には“神の贈り物”という意味がある。

大坂は「私とコーデーにとって彼女は神の贈り物です。娘にも、そう感じてもらいたい」とESPNに語っている。

2024年1月、シャイちゃんがデビュー

大坂は基本的に私生活を明かさない。でも、1月号の『Glamour』誌の写真には、大坂の腕に抱かれるシャイちゃんの後ろ姿が写っていた。「自分が強くなった気がします。出産の話は人から聞いていましたが、自分で経験すると違いますね。いまなら何でもできるような気がするし、何も苦になりません。出産を通して痛みに強くなりましたし、人の意見も気にならなくなりました」

親になるというのは大坂にとって「成長の瞬間」だった。「去年からの1年で自分がまったくの別人になったような気がします。自分の意見は何なのか、自分は何のために戦いたいのか、自分にとって大切なものは何なのか。それを知るのに何年もかかりました」

同月、テニスに復帰

大坂は、2024年1月の全豪オープンで試合に復帰。シャイちゃんを家に残してくるのは「本当に辛かった」とテニス専門誌『Tennis.com』に語っている。

「シャイは私が家にいない間も、いろいろなことを学んでいます。彼女がハイハイを覚える前に帰れるといいのですが、もう高ばいで前後に動き回っているので、ちょっと難しいかもしれません」

「(一緒にいられないのは)もちろん悲しいですが、彼女がここにいないことを悲しむのは自分勝手。彼女の健康を思えば、住み慣れた環境にいるのが一番でしょう。まだ小さいので、そこから無理やり引き離すようなことはしたくありません」

有給の育児介護休暇の重要性を訴えている

大坂は、米国における有給育児介護休暇の導入を求める活動を積極的に行っており、粉ミルクメーカーBobbieの広告キャンペーンの顔にもなった(米国は国が有給育児休暇制度を導入していない世界6カ国のうちの1つで、アメリカ人の大多数は会社から有給育児休暇をもらっていない)。大坂は、連邦政府による有給育児休暇の導入を主張する一方で、Bobbieと共に一時的な援助として50の家庭に助成金を支給した。

「統計を聞いたときは本当にショックでした」と『Glamour』誌に語った大坂。「幸い、私はすぐに仕事に戻らなくても済みますが、さまざまな出来事を自分の中でちゃんと処理して、赤ちゃんのことをよく知るためには間違いなく時間が必要でした。その選択肢がなく、すぐに仕事に戻らなければならない女性が非常に多いというのは、本当に悲しいことです」

娘からインスピレーションを受けている

テニスに復帰した大坂は、娘のために勝ちたいと思うようになったそう。テニス専門誌『Tennis 365』によると、1月の試合後に大坂はコートの上で「何と言えばいいのか分かりませんが、シャイが私を観ているような気がしたんです。彼女のためにベストを尽くそうと思いました」と語った。母親になってからは、ファンとも積極的に交流するようになった。

「娘が生まれる前にプレーしていた数年間、私は与えられたほどの愛を返していませんでした。これからは、その愛を返していきたいと思っています。試合を観に来て、私を知って、応援してくれる方々には心から感謝しています。私も小さい頃は憧れの選手の試合を必死で観ようとしていましたから」

※この記事は、アメリカ版ウィメンズヘルスから翻訳されました。

Text: Korin Miller Translation: Ai Igamoto

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