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グルマン温故知新:初台〈Add〉南仏+北欧&発酵が生むフレッシュな味わい

  • 2024.4.25
初台〈Add〉「馬肉と発酵ビーツのタルタル ソッカ添え」

Add(初台)

南仏+北欧&発酵が生むフレッシュな味わい

ずらりと並んだ何やら怪しい保存瓶は、シェフの手になる“かわいい”発酵食材たち。料理に深みや奥行きを与え、「ん、食ベたことがあるけど、遠くで不思議な香りがするぞ」などと、食べ手の五感を刺激する。

東京・初台の不動通り商店街にあるこの店、ガラス張りだから、道行く人も気になるもよう。オーナーシェフの金子武尊さんは南仏のニースとアルルで修業。アルルでともに働いた岡田伸之さんがサービスを務める。

グルマン温故知新:初台〈Add〉の「馬肉と発酵ビーツのタルタル ソッカ添え」
フランス産の馬肉(産地は異なる時も)を刻んで、発酵させたビーツ、エシャロット、自家製マスタードピクルスを合わせたタルタルにアマランサスを飾って。ソッカはヒヨコ豆で作るカリッとした食感のニース風のクレープ。たっぷりタルタルをのせて。2人分2,600円(写真は1人分、ほか同様)。
グルマン温故知新:初台〈Add〉の「寒鰤のタタキ 芽キャベツ」
揚げた芽キャベツ、セミドライイチゴの上に、大ぶりに切った寒ブリをのせて。発酵トマトジュースをソースに、ピスタチオパウダーと刻んだピスタチオを散らして。いくつもの旨味が巧みにバランスを保つ。2人分2,400円。
グルマン温故知新:初台〈Add〉の「和歌山県 紀州鴨の炭火焼 新玉葱」
25日熟成させた紀州鴨の胸肉を炭火で焼いて、新タマネギのローストと赤キャベツのシュークルートを添えたもの。仕上げに7週間熟成させた黒ニンニクを削って。発酵食材が融合した深みのある味わい。2人分4,000円。

「研究するのが好き」というシェフは、帰国後もモダン・ノルディックの手ほどきを受け、南仏と発酵のニュアンスが融合した新機軸を打ち出す。

例えば、発酵させた菊芋のブルーテというポタージュのような滑らかな口あたりの一品。発酵の優しい酸味と旨味が味の底支えになり、添えられた菊芋のきんぴらとカカオの香りが心地よいアクセントに。料理は発酵にかけた時間も含め、手がかかりすぎってくらい丁寧な仕事だ。

グルマン温故知新:初台〈Add〉オーナーシェフの金子武尊さん
南仏が好きで修業先をパリではなく、南仏に決めたという金子シェフ。
グルマン温故知新:初台〈Add〉の店内
オープンな雰囲気の店内。椅子の座り心地もよい。

Information

Add

〈アド〉
住所:東京都渋谷区本町2-9-12 FARE初台1F
TEL:非公開。連絡はSNSのDMで。
営:12時~14時LO、17時~23時LO
休:月曜休、不定休

2023年11月8日オープン。アラカルトは1皿2人分が中心。アペタイザーは鴨のクロケット2,600円、鰯のマリネ2,200円など。リングイネ ピストゥ1,800円などパスタもあり。パンは〈パン屋塩見〉製。器好きのシェフ厳選の器も楽しい。グラスワイン1,100円~、ビール800円~。ランチ3品3,500円~、ディナー8,800円。アラカルトもあり。カウンター10席、テーブル4卓8席。

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