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怖すぎるママ友トラブルに巻き込まれた主婦の行く末とは『その人って本当に、ママ友ですか?』【最終回ネタバレ】

  • 2024.4.24
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着ようと思っていたワンピースがない… (C)ちなきち
着ようと思っていたワンピースがない… (C)ちなきち

SNS上で漫画作品を発表するたびに話題を集めているちなきちさん。「結局怖いのは人間」というテーマのもと描かれた彼女の漫画は、多くの読者をひきつけています。今回の漫画「その人って本当に、ママ友ですか?」もその一つ。

夫の転勤で知り合いのいない土地に引っ越ししたサキ。ワンオペ育児の孤独感と、仕事のストレスからつらく当たってくる夫の愚痴をSNSで共有することで、心の平穏を保っていました。そのなかで同じような境遇のママ友とつながり、リアルでの交流が始まります。

慣れない土地でできた大切なママ友だと思っていたのに、やがて不信感を抱くような出来事が次々に起こり始めたのです…。

登場人物紹介

■主人公一家

サキ (C)ちなきち/KADOKAWA
サキ (C)ちなきち/KADOKAWA

サキ

30歳の専業主婦。

ケン (C)ちなきち/KADOKAWA
ケン (C)ちなきち/KADOKAWA

ケン

サキの夫で、32歳の会社員。

ショウ (C)ちなきち/KADOKAWA
ショウ (C)ちなきち/KADOKAWA

ショウ

3歳。この春から幼稚園に通う予定。

■サキのママ友たち

マリちゃんと娘のユズちゃん (C)ちなきち/KADOKAWA
マリちゃんと娘のユズちゃん (C)ちなきち/KADOKAWA

マリちゃん

サキのママ友。表情がくるくる変わる明るい性格。娘のユズちゃんは、サキの息子ショウの1歳上。

リカコさんと息子のリョウタ君 (C)ちなきち/KADOKAWA
リカコさんと息子のリョウタ君 (C)ちなきち/KADOKAWA

リカコさん

サキより年上で落ち着いていて品がある。ショウと同い歳の息子リョウタくんのママ。

子育て中の孤独をいやしてくれたのは…

専業主婦のサキは、息子ショウが3歳になった時、夫ケンの転勤により知り合いのいない土地で暮らすことになりました。

『その人って本当に、ママ友ですか?』より (C)ちなきち/KADOKAWA
『その人って本当に、ママ友ですか?』より (C)ちなきち/KADOKAWA

生活に不安はありましたが、優しい夫の存在が、サキの心を前向きにしてくれました。

しかしショウはイヤイヤざかり。話の通じない息子と二人きりの生活で、サキのストレスは溜まる一方です。夫は慣れない仕事に疲れ切っており、かつての優しさは消え、サキに強く当たるようになっていました。

『その人って本当に、ママ友ですか?』より (C)ちなきち/KADOKAWA
『その人って本当に、ママ友ですか?』より (C)ちなきち/KADOKAWA

悩みや愚痴を話してストレスを発散させる場所もない。孤独感に潰されそうになっていたサキを救ってくれたのは、SNSで出会ったママ友たちでした。

『その人って本当に、ママ友ですか?』より (C)ちなきち/KADOKAWA
『その人って本当に、ママ友ですか?』より (C)ちなきち/KADOKAWA

サキの「つらい」気持ちに共感して押された「いいね」のボタンが、サキの心を慰めてくれたのです。

それ以来SNSで家族の愚痴を共有しはじめたサキは、偶然住んでいる場所が近いことが分かった二人のママ友と実際に交流するようになりました。

『その人って本当に、ママ友ですか?』より (C)ちなきち/KADOKAWA
『その人って本当に、ママ友ですか?』より (C)ちなきち/KADOKAWA

知らない土地で初めてできたママ友。次第に、互いの家を行き来する仲になっていきます。

『その人って本当に、ママ友ですか?』より (C)ちなきち/KADOKAWA
『その人って本当に、ママ友ですか?』より (C)ちなきち/KADOKAWA

相変わらず続いている夫の不機嫌と息子のかんしゃくにはへきえきしていましたが、意気投合したママ友のおかげで、サキの精神はなんとか保たれていました。

そんな日々がしばらく経ったある日、サキはあることに気づきました。ティーバッグや毛抜きなど、家の物がなくなっているようなのです。

『その人って本当に、ママ友ですか?』より (C)ちなきち/KADOKAWA
『その人って本当に、ママ友ですか?』より (C)ちなきち/KADOKAWA

そして、サキのお気に入りだったワンピースまで…。この日はちょうどママ友たちとランチをする予定で、そこに着ていこうと思っていたサキは落ち込みますが、あまり深く考えずに出発することに。

しかし、待ち合わせ場所で見たのは、信じられない光景でした。

嘘を見破ったけれど問い詰められない

『その人って本当に、ママ友ですか?』より (C)ちなきち/KADOKAWA
『その人って本当に、ママ友ですか?』より (C)ちなきち/KADOKAWA

ママ友のリカコさんが、サキが持っていたはずのワンピースと全く同じものを着て立っていたのです。

『その人って本当に、ママ友ですか?』より (C)ちなきち/KADOKAWA
『その人って本当に、ママ友ですか?』より (C)ちなきち/KADOKAWA

サキは衝撃を受けながらも記憶をたどると、前回リカコさんがサキの家から帰るとき、不自然に大きなバッグを持っていたのを思いだしました。リカコさんが着ているのはサキのワンピースなのではないか、頭によぎった考えをサキは打ち消しましたが、リカコさんの言葉でサキは確信を抱きます。

『その人って本当に、ママ友ですか?』より (C)ちなきち/KADOKAWA
『その人って本当に、ママ友ですか?』より (C)ちなきち/KADOKAWA

リカコさんはワンピースを「駅前のショッピングモールで買った」と言ったのです。

しかしサキの記憶では、このワンピースは約1年前にモデルさんとブランドがコラボして販売した限定品。駅前のショッピングモールで買えるはずがないのです。

結局、ママ友との友情が壊れるのを恐れ、サキはワンピースについて言及することはありませんでした。

『その人って本当に、ママ友ですか?』より (C)ちなきち/KADOKAWA
『その人って本当に、ママ友ですか?』より (C)ちなきち/KADOKAWA

帰宅したケンにワンピースのことを話してみましたが、帰ってきたのはそっけない言葉。親身になってくれない夫にサキは落胆します。

疑惑のママ友と知り合い?普段とは違った夫の様子

そんなある日、サキの家に突然の来訪者がやってきます。

『その人って本当に、ママ友ですか?』より (C)ちなきち/KADOKAWA
『その人って本当に、ママ友ですか?』より (C)ちなきち/KADOKAWA

それはリカコさんでした。そして彼女は、子どもたちを遊ばせるという名目のもと、サキの家にあがりこんできます。

ワンピースの一件もあり、リカコさんに対して懐疑心を抱くサキ。

『その人って本当に、ママ友ですか?』より (C)ちなきち/KADOKAWA
『その人って本当に、ママ友ですか?』より (C)ちなきち/KADOKAWA

リカコさんはふだんと何ら変わない様子です。サキはやはりワンピースの件は自分の被害妄想だったのかと思っていたところに、ケンが帰ってきました。

『その人って本当に、ママ友ですか?』より (C)ちなきち/KADOKAWA
『その人って本当に、ママ友ですか?』より (C)ちなきち/KADOKAWA

にこやかにケンとあいさつをかわし、リカコさんは帰っていきました。その途端、夫は彼女をどこかで見たことがあると言うではありませんか。

『その人って本当に、ママ友ですか?』より (C)ちなきち/KADOKAWA
『その人って本当に、ママ友ですか?』より (C)ちなきち/KADOKAWA

夕食時には、ワンピースの件を持ち出して、リカコさんの話をしてきたのです。リカコさんのことを気にしているような夫を前に、サキは不穏なものを感じはじめていました。

『その人って本当に、ママ友ですか?』より (C)ちなきち/KADOKAWA
『その人って本当に、ママ友ですか?』より (C)ちなきち/KADOKAWA

許せない! 犯人は絶対にあのママ友

リカコさんたちが帰ったその日の夜のことです。神妙な面持ちの夫が、結婚指輪がなくなっていることを告げてきたのは。

詳しく話を聞いてみると、夫はその日の朝、結婚指輪を付けていくことを忘れていました。夜になって指輪ケースの中を確認してみたら、指輪がなくなっていると言うのです。

翌々日になっても指輪は見つからず、あきらめて新しいものを買おうかと思ったその矢先、サキは植木鉢の中から切断された指輪を発見しました。犯人はリカコさんだと確信したサキは、単身彼女の自宅に乗り込むことに。

『その人って本当に、ママ友ですか?』より (C)ちなきち/KADOKAWA
『その人って本当に、ママ友ですか?』より (C)ちなきち/KADOKAWA

玄関先に出てきたリカコさんに、ワンピースのことや指輪のことを問い詰めるサキですが、「証拠がない」とかわされてしまいました。

ママ友トラブルで子どもにも影響が?

その日の夜、サキがリカコさんの家に向かったことを知っていた夫からは心配されましたが、くやしさのあまり、何があったかを彼に話すことはできませんでした。

数日後、息子ショウが行きたがった公園に一緒に行くと、マリちゃんに加えて顔見知りのママ友数人の姿が。話しかけるサキを一べつしながら、ママ友たちはそそくさと公園から出ていってしまいました。そんな誰もいない公園でショックを受けていたサキでしたが、そこへ一人わざわざ戻って来てくれたのはマリちゃんでした。

『その人って本当に、ママ友ですか?』より (C)ちなきち/KADOKAWA
『その人って本当に、ママ友ですか?』より (C)ちなきち/KADOKAWA

マリちゃんの話によると、リカコさんは関係のないほかのママ友に、サキが突然家にやってきて言いがかりをつけてきたと泣きながら訴えたそうです。それを聞いたママ友たちは憤慨し、子どもも含めてかかわるのはやめようと決めたというのです。

『その人って本当に、ママ友ですか?』より (C)ちなきち/KADOKAWA
『その人って本当に、ママ友ですか?』より (C)ちなきち/KADOKAWA

しかしマリちゃんは、サキが理由もなく人を泥棒扱いするような人間ではないと信じていると言い切ってくれました。その言葉に勇気をもらったサキに、その日、夫が衝撃的な事実を告白してきました。

ママ友は夫のデート相手だったなんて

「思い出したんだけど…リカコさんと…知り合い…なんだ」と話しはじめたケン。リカコさんは10年近く前に一緒に働いていた派遣社員で、プロジェクト仲間だった二人は何度かデートを重ねたそうです。しかしその後、別の女性と付き合いだしたケンに、リカコさんは激怒しました。

それからというもの、ケンの当時の彼女の私物がなくなることが多くなったと言います。不審に思った彼女が見回りをしていると、ロッカーをあさっているリカコさんを発見…!

『その人って本当に、ママ友ですか?』より (C)ちなきち/KADOKAWA
『その人って本当に、ママ友ですか?』より (C)ちなきち/KADOKAWA

その経緯はケンを経由して会社の上司にも伝わりました。そうして派遣社員だったリカコさんは、「契約満了」という形でケンの会社を去ることになったのです。

『その人って本当に、ママ友ですか?』より (C)ちなきち/KADOKAWA
『その人って本当に、ママ友ですか?』より (C)ちなきち/KADOKAWA

リカコさんは最後に、ケンや当時の彼女に暴言をまくしたてたそう。この一件で会社に居づらくなったケンは、やむなく転職することになりました。

この日まで真実を言い出せなかったこと、すべてをサキに抱え込ませたことを謝罪する夫に、サキはリカコの自宅に行って話をし、過去を清算することを提案します。そうして到着したリカコさんの家で、夫は彼女にまだ怒っているのかと問いました。

するとリカコさんは、やはり怒っている様子で心の内を話し始めました…。

偶然ではなかった⁉ ママ友との出会いの真実

彼女が言うことには、当時28歳だったリカコさんにはプロポーズしてくれた婚約者がいました。しかしなかなか話が具体的に進まず悩んでいた彼女の心の隙間に入ってきたのがケンでした。

「…俺だったら絶対幸せにするのにな」というケンの言葉を信じ、リカコさんは婚約者との別れを決めましたが、その直後にケンの態度が豹変。彼はほかの女性と交際しはじめていました。

『その人って本当に、ママ友ですか?』より (C)ちなきち/KADOKAWA
『その人って本当に、ママ友ですか?』より (C)ちなきち/KADOKAWA

若くて独身、役職もついていたことでかなりモテていた当時のケンは、いろいろな人とデートを楽しんでいました。ケンにとってみれば、リカコさんもそんな女性のうちの一人に過ぎなかったのですが、リカコさんは真剣にケンとの将来を考えはじめていました。

自分だけでなく、何人もの派遣社員がケンに泣かされていたと訴えるリカコさんは、ケンに対し「お前は人のことを舐めすぎだろ!!」と激昂するのでした。

ケンの会社を辞めたリカコさんはその後、現在の夫と出会い、子どもも授かります。しかし、孤独な育児生活のなかで、幸せそうなケン一家をたまたま見かけ、うらめしく思うようになります。SNSでケンを特定し、その妻のサキにアプローチしてきたというわけなのです。

『その人って本当に、ママ友ですか?』より (C)ちなきち/KADOKAWA
『その人って本当に、ママ友ですか?』より (C)ちなきち/KADOKAWA

ママ友トラブルのカギを握る人物

過去のあやまちを誠心誠意わびろと詰め寄るリカコさんに、ケンが頭を下げようとしたそのとき、現れた人物がいました。リカコさんの夫です。

『その人って本当に、ママ友ですか?』より (C)ちなきち/KADOKAWA
『その人って本当に、ママ友ですか?』より (C)ちなきち/KADOKAWA

彼は深々と頭を下げ、ケンとサキに謝罪してきたのです。

「このたびは妻が多大なる迷惑をおかけし、申し訳ありませんでした」

さらに彼は、リカコさんを制止したうえで、職場を追われたのはリカコさんにも非があったからで、ケンだけが悪いわけではないこと、恋愛はすべて思い通りにいくわけではないことなどを諭します。

『その人って本当に、ママ友ですか?』より (C)ちなきち/KADOKAWA
『その人って本当に、ママ友ですか?』より (C)ちなきち/KADOKAWA

これからもずっとリカコさんを支えていくつもりだ、と話す夫に心を動かされ、リカコさんは泣きながらケンとサキに謝るのでした。

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子ども同士がどんなに仲が良くても、その母親であるママ友のことは「知っているようで知らない」ものです。その関係性のあやうさ、あいまいさを具現化したかのようなこの作品には、人間関係の難しさをあらためて考えさせられました。

『その人って本当に、ママ友ですか?』より (C)ちなきち/KADOKAWA
『その人って本当に、ママ友ですか?』より (C)ちなきち/KADOKAWA

ストーリーもさることながら、ちなきちさんの臨場感あふれる描写もこの作品の見どころ。そして、夫とママ友との過去を知ってしまった主人公サキが、最終的にどのような決断をするのか…。結末まで見逃せない作品です。

文=山上由利子

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