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鶏もも肉をごちそうに格上げ!二つ星フレンチ元料理長の「鶏もも肉のクリスピー・ソテー」

  • 2024.4.24
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皮目をカリッと焼くだけで鶏もも肉がごちそうに格上げ (C)城二郎/KADOKAWA
皮目をカリッと焼くだけで鶏もも肉がごちそうに格上げ (C)城二郎/KADOKAWA

フランスで料理を学び、ミシュラン二つ星フレンチで料理長を務めていた城二郎さん。現在はYouTuberとしても活躍し、チャンネル登録者数は107万人超。

そんな城二郎さんが、身近な食材やメニューにシェフならではのこだわりとフレンチの手法を落とし込み、丁寧に解説したレシピ本が『二つ星フレンチ元料理長が教える おうち格上げレシピ』です。

「塩のタイミングは3回ある」「物足りないと感じたら“うま味”を加える」など、「難しすぎないけれど料理の格が上がる」「ひと手間の積み重ねで食材の旨味を最大限に引き出す」調理法を紹介。焼き方や煮込み方、塩を振るタイミング等、「ここを押さえれば料理の格が上がる」というポイントをプロセス写真付きで説明してくれます。

だれでも確実に、いつもの食材・料理を格上げ可能にする、プロのコツを学びましょう。

※本記事は城二郎著の書籍『二つ星フレンチ元料理長が教える おうち格上げレシピ』から一部抜粋・編集しました。

※分量や調理時間など、レシピ通りに調理してください

鶏もも肉のクリスピー・ソテー

鶏もも肉がごちそうに格上げ (C)城二郎/KADOKAWA
鶏もも肉がごちそうに格上げ (C)城二郎/KADOKAWA

皮目をカリッと焼くだけで、鶏もも肉がごちそうに格上げ。

焼き加減の目安は、皮目:身=8:2が基本。

【材料/2人分】

鶏もも肉 …… 2枚(350g)

塩 …… 肉1 枚に各ひとつまみ

じゃがいも(メークイン) …… 1個

オリーブオイル …… 小さじ2

A

・バター …… 30g

・マスタード …… 小さじ2

・七味唐辛子 …… 少々

白ワイン …… 80ml

みりん …… 小さじ2

水 …… 大さじ1

パセリ(みじん切り) …… 適量

白こしょう …… 少々

【作り方】

1 鶏もも肉は皮目と身の両方に塩をふり、皮目を上にして冷蔵庫で2 時間ほど置いたあと、表面の水分をキッチンペーパーで拭き取り下処理する。

◆ここが格上げ!

・皮目を上にして置く

塩をふった肉はラップをかけずに、皮目を上にして置き水分を蒸発させる。

皮目を乾かすことがパリッと焼き上げるコツ。

皮目を上にして置く (C)城二郎/KADOKAWA
皮目を上にして置く (C)城二郎/KADOKAWA

2 じゃがいもは皮ごとよく洗う。鍋にじゃがいも、かぶるくらいの水、塩ひとつまみ(どちらも分量外)を入れ、中火にかけて15分ほどゆでる。ゆで上がったら横に約5mm厚さに切り塩ひとつまみ(分量外)をふる。

3 フライパンにオリーブオイルを中火で熱し、肉を皮目から焼く。

4 皮目から脂が出てきたら、2のじゃがいもを入れて両面をこんがり焼く。

◆ここが格上げ!

・じゃがいもをソテーする

肉から出た脂でじゃがいもをソテーして肉のうま味を移す。

じゃがいもをソテーする (C)城二郎/KADOKAWA
じゃがいもをソテーする (C)城二郎/KADOKAWA

5 肉の皮目に焼き色をつけ、8割程度火が入ったら、ひっくり返してアルミホイルをかぶせ、火を止めて余熱で3~5分火を入れてバットに取り出す。フライパンに残った肉汁を容器に取る。

◆ここが格上げ!

・フライパンに残った肉汁を取る

うま味が凝縮した肉汁は捨てずに小さめのボウルに取りソースに加える。

フライパンに残った肉汁を取る (C)城二郎/KADOKAWA
フライパンに残った肉汁を取る (C)城二郎/KADOKAWA

6 ソースを作る。フライパンの汚れをキッチンペーパーでサッと拭き取り、Aを加えて軽く混ぜ合わせ、白ワイン、みりんを入れて強火にする。5の肉汁、水を加えてトロリとするまで煮詰め、パセリ、白こしょうを加える。

◆ここが格上げ!

・アルコール分をとばす

白ワインとみりんに火を入れてアルコール分をとばし、煮詰めてみりんの糖度を上げる。

アルコール分をとばす (C)城二郎/KADOKAWA
アルコール分をとばす (C)城二郎/KADOKAWA

7 器に5の肉を盛り、じゃがいものソテー、ソースを添える。

【ポイント】下処理で格上げ!

■もも肉は余分な脂肪やスジを取ると仕上がりに差が出る

1 軟骨を取る

身の真ん中付近に残っている軟骨を取る。

食べる人への思いやりが料理をおいしくする (C)城二郎/KADOKAWA
食べる人への思いやりが料理をおいしくする (C)城二郎/KADOKAWA

2 余分な脂肪を取る

身に脂肪がたくさんついていると、臭みの原因になるので、脂肪が多すぎる場合は取り除く。

余分な脂肪を取る (C)城二郎/KADOKAWA
余分な脂肪を取る (C)城二郎/KADOKAWA

3 細いスジを取る

足首にある細いスジを引っ張り、包丁で身からはがしながら取る。

細いスジを取る (C)城二郎/KADOKAWA
細いスジを取る (C)城二郎/KADOKAWA

4 太いスジを取る

足首にあるいちばん太いスジも同じように、身からていねいにはがしながら引っ張って取る。

太いスジを取る (C)城二郎/KADOKAWA
太いスジを取る (C)城二郎/KADOKAWA

5 身をたたく

包丁の背で身をたたくと柔らかく焼き上がる。

身をたたく (C)城二郎/KADOKAWA
身をたたく (C)城二郎/KADOKAWA

6 皮目を包丁の先で刺す

皮目を包丁の先端で刺して焼き縮みを防ぐ。フォークで刺してもOK。

皮目を包丁の先で刺す (C)城二郎/KADOKAWA
皮目を包丁の先で刺す (C)城二郎/KADOKAWA

【ポイント】火入れで格上げ!

■皮目をしっかり焼き、身はさっと火を入れて「もち肌」に

1 身を押さえる

フライパンに皮目を下にして置いたら指でしっかり押さえて、皮目全面がフライパンに当たるようにする。

身を押さえる (C)城二郎/KADOKAWA
身を押さえる (C)城二郎/KADOKAWA

2 押さえながら焼く

身が縮もうとそり返ってくるので焼きムラができないように押さえつけながら焼く。

押さえながら焼く (C)城二郎/KADOKAWA
押さえながら焼く (C)城二郎/KADOKAWA

3 脂をかける

皮目から出た脂をかけて、身の乾燥を防ぎながらていねいに火を入れる。

脂をかける (C)城二郎/KADOKAWA
脂をかける (C)城二郎/KADOKAWA

4 皮目に8割火を入れる

皮目はしっかり焼いて香ばしさを出す。

皮目に8割火を入れる (C)城二郎/KADOKAWA
皮目に8割火を入れる (C)城二郎/KADOKAWA

5 余熱で火を入れる

ひっくり返したら火を止め、あとは余熱で火を入れる。

余熱で火を入れる (C)城二郎/KADOKAWA
余熱で火を入れる (C)城二郎/KADOKAWA

■火入れでこんなに差が…

火入れでこんなに差が… (C)城二郎/KADOKAWA
火入れでこんなに差が… (C)城二郎/KADOKAWA

左が皮目の火入れが中途半端なもの、右が皮目をしっかり焼いたもの。

皮目をしっかり焼くと、皮目と身の間の脂肪が焼き切れて皮がパリッとする。

火入れが中途半端だと皮に脂が残りブヨブヨしている。

著=城二郎/『二つ星フレンチ元料理長が教える おうち格上げレシピ』(KADOKAWA)

著者 (C)城二郎/KADOKAWA
著者 (C)城二郎/KADOKAWA

【著者プロフィール】

城二郎

服部栄養専門学校を卒業し、都内ホテルのレストランに就職。その後フランスへ渡り、パリのミシュラン一つ星レストランにて修行。帰国後は都内のミシュラン二つ星レストランで研鑽を積み、パリで修行したレストランの日本進出に伴い日本店副料理長として新規開業を担う。4ヶ月後、ミシュランガイドにて二つ星を獲得。その後、同グループ姉妹店開業の際、料理長に就任。

さらに日本各地への多店舗展開を行う同グループの統括料理長として全店舗の厨房指揮を任される。

退社後はYouTube チャンネル「料理人城二郎」を中心に料理動画を配信。YouTubeチャンネル登録者数は107万人、TikTok のフォロワー62万人を突破。

著=城二郎/『二つ星フレンチ元料理長が教える おうち格上げレシピ』

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