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ルバーブの育て方&ルバーブジャムの作り方【ガーデンセラピー実践レシピ】

  • 2024.4.24

甘酸っぱい味が病みつきになる「ルバーブのジャム」を食べたことがありますか? 軽井沢や那須など高原リゾート地でよく見かけるジャムですが、実は、ルバーブは庭でも簡単に育つハーブです。今回は、ルバーブを育てて、収穫し、それをジャムに加工するまでのプロセスを、ハーバルライフコーディネーターの堀久恵さんにご紹介いただきます。庭でできる豊かな健康生活「ガーデンセラピー」にもつながりますよ。

ルバーブとはどんなハーブ?

原産地はシベリア南部。タデ科の多年草で、カリウム・カルシウム・食物繊維が豊富に含まれています。カリウムは、体内のナトリウムの濃度を一定に保ち、余分な水分を排出する働きがあり、むくみの解消につながります。このルバーブ、なんと紀元前3000年頃から栽培されていて、ヨーロッパではとてもポピュラーな食材です。

日本には、明治時代に長野県・信濃町や軽井沢を訪れていた外国人宣教師により広まったようですが、日本全国に広まるにまでは至らず、一部の地域でしか栽培されていません。そのため、‘ここでしか買えないハーブ’として価値が高くなっています。軽井沢などの避暑地で、ジャムやソースに加工・販売されているのを見かけたことのあり方も多いのではないでしょうか?

ルバーブ、元はこんな形をしています。

ルバーブ、元はこんな形をしています

フキによく似た形状です。茎の部分を食べます。爽やかな酸味が特徴です。葉にはシュウ酸(アク)が含まれているので、食べません。

ルバーブ栽培のコツ

ルバーブはシベリアが原産といわれるだけに、寒冷地に向いた植物です。国内では高冷地がある長野県と、最北の北海道が主な産地となっていますが、じつは意外と栽培地を選ばない植物で、地植えやプランターなどで栽培が可能。実際、私の住む埼玉県熊谷市は、日本一暑い街ですが、毎年立派に育ってくれていますよ。5月下旬くらいに第一弾を収穫し、また2~3カ月経ったお盆頃にも収穫、涼しくなった10月頃に最後の収穫ができるほど生育旺盛! 放っておいてもかなり元気いっぱいに育ってくれます。

植え付けは、苗を購入しましょう。4~5月頃が植え付け時期です。1年目は、株を充実させるために収穫を控えて株を休ませると、2年目以降、たくさん収穫できるようになりますよ。

栽培のコツは、日当たりと水はけのいい場所に植えることと、風通しよく管理すること。そして、過湿にしないこと。株元は常に風が通るようにしておき、水やりは極力控えめに。私の場合は地植えなので、根が付いた後の水やりはお天気任せです。

そのほか注意することといえば、栽培面積がかなり取られることです。地植えの場合、幅80cmほど確保しておく必要がありますので、あらかじめ広めの場所に植え付けてくださいね。

また、初夏に白い花が咲きますが、葉を充実させたいので、花芽が上がってきたらカットしてください。

ルバーブジャムの作り方

収穫できたら、ジャムを作ってみましょう。

収穫できたら、ジャムを作ってみましょう。

<材料> ※仕上がり300g目安

  • ルバーブ 300g(茎の状態でおおよそ15本程度)
  • きび砂糖 200g
  • レモン汁(お好みで) 大さじ1/2

<作り方>

1. ルバーブを1cmほどに刻み、鍋に入れる

2. きび砂糖と1を混ぜ、1時間ほどおいて水分を出す

3. そのまま中火にかけて、丁寧にアクを取りながら煮る

4. 30分ほど煮て、 トロミがついたら出来上がり

出来上がったルバーブジャム、オススメの食べ方は?

ルバーブのジャムのお味は、甘酸っぱく、あんずに似ているかな? という印象。私はヨーグルトのソースとして愛用しています。

ヨーグルトのソースとして愛用

クラッカーに添えてもおいしいですよ。

クラッカーに添えてもおいしいですよ。

そのほか、ハーブティーの甘味に使ったり、パイのフィリングにも。

我が家のルバーブは茎が青いタイプなので、こんな色ですが、赤い茎のタイプのルバーブならジャムも赤いものができます。またグラニュー糖を使えば、もっときれいな色も楽しめますよ。

庭でできる豊かな健康生活・ガーデンセラピー

植物を育てること・育てた植物を食べること・植物の香りで安らぐことなど、植物との触れ合いから生まれる、さまざまな自然療法との掛け合わせを「ガーデンセラピー」といいます。昔から、園芸療法・食事療法・芳香療法など、自然療法は存在していますが、育てることだけでなく、自分たちで育てたものを食べること(園芸療法×食事療法)や、ハーブを育てて香りを楽しむ(園芸療法×芳香療法)など、単体ではなく、掛け算することで相乗効果を得、より豊かなライフスタイルを提案するのが、ガーデンセラピーです。

今回のルバーブのジャムも、自分で大切に育てたもの(園芸療法)を、加工して食べる(食事療法)という、2つが合わさったガーデンセラピーの形。買って作るのではなく、育てて作るという点がポイントです。そこに、喜んで食べてくれる人たちの笑顔が加われば、素晴らしい癒やしになりますよね。

数年経ち大株に成長したら、年に数回作れます。ぜひご自身で育てて、ジャムを作ってみてください。きっと味も格別ですよ。

Credit
写真&文 / 堀久恵 - 花音-kanon- 代表 -

ほり・ひさえ/ガーデンセラピーナビゲーター。一般社団法人日本ガーデンセラピー協会専門講師。

生花店勤務を経て、ガーデンデザイン・ハーブ・アロマセラピー等を学び、起業。植物のある暮らしを通じて、病気になりにくい身体を作り健康寿命を延ばすことを目指した「ガーデンセラピー」に特化した講座の企画運営と庭作りを得意とする。埼玉県熊谷市の『花音の森』にて、日々植物に囲まれ、ガーデンセラピーを実践中。

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