パリジェンヌがよくはいている「テーパードデニム」や「テーパードシルエットのスウェット」の「テーパード」って何？【お洒落さんのためのファッション用語辞典 vol.75】

出典：テーパードデニムを美しく着こなすヒケツは程よいゆとり感と足首を見せる丈感

連載『お洒落さんのためのファッション用語辞典』では、トラッドファッションから最新のファッションまで、FUDGEでおなじみのファッション用語についてわかりやすく解説します。第75回目は「テーパード」のルーツを探ります。この連載を読んでファッション用語の背景や起源を知れば、毎日のお洒落がより楽しくなること間違いなし！

 

【用語解説】まずは「テーパード」を知ろう。

出典：日本人のための《リーバイス》は、上質な日本製デニム地採用のテーパードシルエット。【マイスタンダードブック】

「テーパード」とは先細りになったという意味。したがって、「テーパード・シルエット」は先細りになっていくシルエット、「テーパード・パンツ」は裾にかけてだんだんと細くなっていくパンツのことをさします。

 

【歴史】1990年代にブームとなった「ミラノスタイル」のメンズスーツに由来？！

出典：白シャツや白Tと相思相愛。スラックスライクな《フルーツオブザルーム》のスウェットパンツ。【マイスタンダードブック】

1980年代に、メンズのファッション界では、「ミラノスタイル」と呼ばれるスーツが流行しました。それ以前の構築的でオーソドックスなスタイルのスーツとは違い、ソフトな生地を採用。ジャケットはもちろん、股上が深く、タック入りのゆったりとしたスラックス、裾に向かって細くなっていく「テーパード・シルエット」が特徴的。それ以前と比較すると、自由度やリラックス感が色濃い、この「ミラノスタイル」はとても画期的で、世に広く受け入れられました。同じ時期、この「ミラノスタイル」に影響を受けた、スーツ以外のアイテムも続々登場。「テーパード・シルエット」のデニムパンツはその筆頭といえます。

 

【雑学】90年代に話題になったCMのパリジェンヌの着こなしが参考になる

近年、1990年代にテレビで流れていた、《エドウィン》のデニム、「SOMETHING」のCMへのオマージュCM動画が公開され話題となったのをご存知でしょうか。オリジナルCMでは、パリジェンヌが「テーパード・シルエット」のデニムをはいて街を闊歩したり、自宅でリラックスして過ごしたりする姿を追いかける構成で、おしゃれなムード満点。当時、多くの女の子たちが、着こなしにくわえ、ふわふわなカーリーヘアやインテリアまでマネしたいと、釘付けになりました。赤いジャケットを合わせる堅苦しくないきちんとスタイルや、×ノースリーブカットソーでだらしなく見せないルームウエアがいまでも参考になります。いまでもどこかでその動画を見ることができるかもしれませんので、ぜひチェックしてみては。

 

監修：朝日 真（あさひ しん）

文化服装学院専任教授、専門は西洋服飾史、ファッション文化論。早稲田大学文学部卒業後、文化服装学院服飾研究科にて学ぶ。『もっとも影響力を持つ50人ファッションデザイナー』共同監修。NHK『テレビでフランス語』テキスト「あなたの知らないファッション史」連載。文化出版局『SOEN』他ファッション誌へ寄稿多数。NHK「美の壺」他テレビ出演。

 

illustration_Sakai Maori
edit & text_Koba.A