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今年度はどんな山に登りたい?四季ごとの登山の魅力とおすすめの登山スポット【8選】

  • 2024.4.23
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こんにちは!トラベルライターの土庄です。

いよいよ4月を迎えて、新年度に入りましたね!仕事や学業、趣味までいろいろなことに思いを馳せているのではないでしょうか。

もちろん仕事や学業も大事ですが、そのためには趣味の充実も不可欠だと思っています。

筆者にとっては、欠かせない趣味が「登山」です。

すでに登山が趣味という方や、これから始めたいという方に向けて、四季ごとの登山の魅力とおすすめの山をまとめてご紹介したいと思います。

さて、みなさんは今年度どんな山に登りたいですか?

春|花の絶景も。低山歩きが気持ちの良いシーズン

山の春は、街よりも遅め。桜の満開とともに、標高が低い山で芽吹き始め、それ以降、緑の色づきがみるみるうちに標高を上げていきます。

4月〜5月上旬は、低山(標高の低い山、一般的に1,000m以下の山のこと)ハイキングを楽しみ、GW以後から標高1,500m前後の山まで足をのばすのがおすすめです。

ただ標高2,000m以上の山となると、5月〜7月には雪がある場合も多いので、初心者の方は安易に計画を立てないように注意しましょう。

新緑ならではのグラデーションがかった淡い緑が美しく、ヤマザクラやツツジなど春の花との共演も楽しめます。

気温も高くないので、低山でも快適にハイキングができる貴重なシーズンです。

【愛知県】低山ハイキングの魅力が詰まっている「宇連山」

愛知が誇る名山のひとつ「宇連山(うれさん、標高929m)」。四方に尾根を育み、低山とは思えない壮大なルートが魅力。

宇連山は、ルートのほとんどを占める尾根の標高が標高200〜600m。4月の上旬でも美しい緑で彩られ、気温が上がりすぎない爽快な気候のもと、気持ちの良いハイキングを楽めます。

また4月下旬になると、遠州・奥三河エリアでしかみられない固有種のホソバシャクナゲが咲くことでも有名。春らしい緑とピンクの可愛らしい共演に魅せられますよ。

【大阪府】ヤマツツジが山肌を覆い尽くす「大和葛城山」

大阪府最高峰である「大和葛城山(やまとかつらぎさん、標高959m)」。金剛山地を縦走するダイヤモンドトレールの中核をなす山として、多くのハイカーに愛されています。

魅力は、5月上旬から山頂一帯で見頃を迎える「ヤマツツジの大群落」。"一目百万本"とも称され、山肌が一面赤く染まる風景は、思わず言葉を失うほど鮮烈です。

葛城山ロープウェイも運行しているので、往路か復路でロープウェイを利用するのもあり。ツツジが見頃を迎える季節には、山腹の新緑も大変美しいですよ。

夏|一年のうち束の間、手軽に高山の世界へ

梅雨が明けると、スッキリとした気候とともに気温が上がり、同時に夏山シーズンの到来を迎えます。

夏山いえば、真っ先に候補に挙がるのが「日本アルプス」。北・中央・南の3つからなり、標高3,000m前後の山々は、多くの登山愛好家で賑わいます。

気温の高い下界を離れて雄大な稜線を歩いたり、非日常の冒険に浸ったりする高山のならではの山旅は、夏山登山の醍醐味!

高山にも慣れ、装備を整えたらテント泊などを行い、稜線の世界を1泊2日以上で歩くという冒険も楽しむことも可能。夏山の世界は奥が深いですよ。

【岐阜県】標高約2,700mからスタートできる日本百名山「乗鞍岳」

長野県と岐阜県にまたがる、北アルプス「乗鞍岳(のりくらだけ、標高3,026m)」。標高3,000mを超える山でありながら、手軽に登れる山として有名です。

その理由は、標高約2,700mの畳平(登山口)までバスでアクセス可能なため。そのおかげで歩行距離5.6km、累積標高差は約420mと、初心者向けの内容になっています。

翡翠色をした池や、咲き乱れる高山植物、大迫力の火山地形など、雄大で美しい北アルプスの山の世界を味わうことができますよ。

爽やかな夏空とドラマチックな雲の対比も素晴らしいです。

【長野県】千畳敷カールを越えて高山植物に癒される「木曽駒ヶ岳」

中央アルプスを代表する「木曽駒ヶ岳(きそこまがたけ、標高2,956m)」。標高3,000mに迫る高山ですが、2,600mまでバスとロープウェイでアクセス可能で、山頂まで片道2時間弱と初心者向けの内容となっています。

ロープウェイを降りると、いきなり「千畳敷カール」の絶景が展開!ダイナミックな氷河地形とその間に広がる緑が、一連の壁となって立ちはだかります。

暑い夏でも天国のように涼しく、雲が切れて雄大に広がる山並みに感動。道中には色とりどりの高山植物が咲いており、夏の日本アルプスの魅力を満喫できる名山です。

秋|山岳絶景でしか出会えない季節の紅葉をめぐる

9月を迎えると、一足早く山の紅葉が始まります。日本で一番早い紅葉が見られるのは、北海道の大雪山系。神々の遊ぶ庭(カムイミンタラ)と呼ばれる山上の世界がパッチワークのように色づきます。

そこから9月下旬には日本アルプスや東北の名峰、10月に入ると標高2,000m弱の山まで紅葉が最盛期を迎えます。

山の紅葉はスケールが段違いで、この世のものとは思えない神秘の色づき。束の間ですが、1年のうちもっとも鮮やかで神々しい山の表情を見られるのが秋の季節です。

訪れるタイミング次第では、夏から秋、秋から冬など、標高が変わるごとに四季の景色変化を感じられるのも魅力と言えるでしょう。

【長野県】日本一の山岳紅葉として名高い「涸沢カール」

日本一の山岳紅葉といっても過言ではない北アルプス「涸沢(からさわ)カール」。穂高連峰に囲まれた場所に形成されている氷河地形で、上高地から片道約6時間ほどでアクセスすることができます。

日帰りが難しくテント泊が必要なハードルの高い場所ではあるのですが、紅葉最盛期の10月初旬には多くの登山愛好家が訪れます。それがこのカールを覆い尽くす極彩色の紅葉。

赤・黄色・オレンジの三色が織りなし、上には荒々しい岩峰がそびえる風景は、まさに山の美しさと荒々しさを見せてくれます。早朝、朝に山が照らし出されるモルゲンロートも必見ですよ。

【岐阜県】原生林のカラフルな紅葉を歩く「天生湿原」

世界遺産・白川郷の合掌造りと飛騨古川をむすぶ国道360号・天生(あもう)峠。本当に国道?と思うほど、狭路とヘアピンカーブが連続するルートですが、その困難を乗り越えてでも訪れたいのが「天生湿原」。

10月中旬になると周囲の原生林がほぼ全て色づき、まるで絵画の世界に足を踏み入れたような、果てしなく美しい世界が広がります。

黄金色に輝くカツラ門や、紅葉を見下ろすことのできる籾糠山(もみぬかやま、1,744m)など、感動の絶景の連続!世界文化遺産の裏山には、日本が世界に誇りたい山岳紅葉が根付いています。

冬|霧氷の絶景とロープウェイで隔絶した山へ登る

ハードルが上がると思われがちな雪山登山ですが、登る山を吟味し、装備が万全で、当日の天候が良ければ危険ということはありません。むしろ好奇心が満たされる、最高に楽しい冒険に変わります。

本格的に雪山登山を楽しめるのは12月から。1月や2月であれば、低山でも雪山登山を楽しめるようになります。

意識したいのは、天候が悪い時は無理をせず撤退することと、残雪期(3月以降)では雪崩や滑落事故も起きやすいということ。自分のレベルにあった山やルートを選ぶのも大切です。

気候条件が良ければ青空と雪原が織りなす美しい世界や、雪山の風物詩である霧氷(むひょう)に出会えることも。ロープウェイを使えば、通常冬の時期には入れないような高山にもアクセスできます。

【長野県】霧氷と中央アルプスの展望が素晴らしい「南沢山」

長野県と岐阜県にまたがる郷土の里山「南沢山(みなみさわやま、標高1,564m)」。雪がない時期よりも雪がある冬に登山者が増える珍しい山です。

その理由は、山頂周辺で見られる霧氷です。厳しい気候環境により、空気中の水分が凍てつき、エビの尻尾と名付けられるほど、巨大で立派な霧氷が形成されます。

天候が良ければ中央アルプスなどの名峰を一望でき、パノラマも一級品。樹林帯で眺められる霧氷と青空のコラボレーションも果てしなく美しいです。

【北海道】冬季限定でアプローチできる絶景「旭岳噴気孔」

北海道最高峰の大雪山「旭岳(あさひだけ、標高2,291m)」。本州の標高3,000m級に匹敵する厳しい気候条件の山ですが、旭岳ロープウェイを使って中腹までアプローチすることが可能です。

ロープウェイを降りれば、火山ガスが噴き出る真っ白な山体に、見渡す限りの広大な雪原。ワカンやスノーシューといった専用の装備を履き、ひたすらに白銀の世界を歩きます。

目指すのは旭岳噴気孔です。実は夏場は高山植物を守るため立ち入りが規制されており、じつはここに近寄れるのは、雪が積もった冬だけ。雪山は鼓動をする姿は、他の山では見られない荘厳な光景です。

だから登山は止められない。日常の活力をくれる山

季節によって山の楽しみ方も変わりますが、登るたびに山の一期一会の表情に魅せられ、日常生活を過ごす上での活力をもらうことができます。

そしてまるで自分のなかで、山の魅力のギネス記録が更新されるように、山に通っている限り、素晴らしい山との出会いは続いていきます。

そう思うことも多いです。ぜひ皆さんもまずは春の山から登って、山のパワーをもらってみてはいかがでしょうか?

All photos by Yuhei Tonosho

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