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風間俊介、40代の実感はまだ湧かず 『金八』『それでも、生きてゆく』を見返し感じたこととは?

  • 2024.4.22
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風間俊介 クランクイン! 写真:高野広美 width=
風間俊介 クランクイン! 写真:高野広美

岸谷五朗と寺脇康文による演劇ユニット・地球ゴージャスの6年ぶりとなる新作『儚き光のラプソディ』が間もなく上演。結成30周年公演となる本作に、地球ゴージャスへの参加は三作目となる風間俊介が出演する。昨年40歳を迎えた風間に、地球ゴージャスや岸谷、寺脇の魅力、新しい環境で40代を生きる今の心境を聞いた。

【写真】キュートなウインクも披露! 風間俊介・40歳、いつまでも変わらない撮り下ろしショット

◆地球ゴージャスは「エンターテイメントの中にそっと大切なメッセージがある」

「ここはどこだ」。ひとり、またひとりと謎の白い部屋に集まる人たち。共通することはただ一つ、それぞれの「逃げたい」という強い感情があふれそうになった瞬間に目の前に現れたという「扉」。その扉を開くと、この部屋が現れたという。

集まったのは7人の男女。孤児院で育ったという青年、謎のジョッキー、軍服を身にまとった男、ホテル支配人に、ひまわり畑から来たという2人の男、そして老婆…。生きていた場所も時代もさまざまである。

部屋の中で繰り広げられる会話により、互いの関係が微妙に、でも確実に変化する。なぜこの人と、なぜこの部屋で、なぜこの時に私たちは出逢ったのか。

結成30周年記念公演となる本作には、岸谷、寺脇、風間のほか、中川大志、鈴木福が初参加。さらには三浦涼介、佐奈宏紀、保坂知寿ら豪華キャストが顔をそろえる。

――風間さんは、10周年の時の『クラウディア』、20周年の『クザリアーナの翼』にもご出演と、地球ゴージャスの周年作品には欠かせない存在となってますね。

風間:初めて出させていただいたのが20歳の時なので20年前ですね。その時に冗談で「10年後な」って言われて。五朗さんってそういうことを覚えている人で、本当に10年後にお話が来ました。その時もまた「10年後だな」って笑って言われて、「もっと早く呼んでくれてもいいんですよ」って返していたのですが、10年経って今回のお話が来た時は、本当にすごいな、あの約束だって思いました。

初めて出た時に五朗さんの40歳の誕生日をカンパニーでお祝いしたんです。そう思うとなんか感慨深くて。それと同時に、あのとき僕が見ていた五朗さんは、それはそれは大きくて偉大で…。(40歳になった)自分大丈夫か?と思いますけど、人にはそれぞれの時間があるので、僕の40歳を出していけたらいいなと思ってます。

――風間さんが思われる地球ゴージャスの魅力というのはどんなところでしょう。

風間:地球ゴージャスの作品で僕が素敵だなって思うのが、公には反戦三部作とは言っていませんが、争いをテーマにした、強く、でもどこか寂しげで悲しげな物語をエンターテイメントで包んでいる。大切なメッセージを含みながら、みんなが楽しかったって言って帰れるような作品であるところですね。

地球ゴージャスはエンターテイメントであり、生き様を大事にしていると僕は勝手に思っているんです。大切なメッセージがあるんだけど、大切なメッセージですと言って渡すのではなく、観た方たちが心躍ったり、喜びを感じたりするエンターテイメントの中にそっとメッセージがあるんです。

◆20歳の風間青年の目に映った“かっこいい大人”岸谷五朗&寺脇康文


――20年前最初に出演された『クラウディア』は、まだ風間さんも外部の作品に出る経験があまりなかったころかと思います。何か記憶に残っていることはありますか?

風間:ステージ上でハーモニカを吹くんですけど、五朗さんに「俊介、ちょっと待ってな。群衆を固めるから」って言われ、3週間くらい放置されてたんです。みんなと仲が良かったので居心地はよくて、端っこでハーモニカを吹きながら役のことを考えていました。

あとは、「俊介、どうしたい?」って聞かれて、殺陣や動きを付ける時に僕の意見がバンバン通っていくんです。寺さんも含めてすごい方たちなんですけど、こんな若造に「やってみな」って言ってくれて、器が大きいんです。

――20歳の風間青年にとって、岸谷さん、寺脇さんというお二人は…。

風間:かっこいい大人ですね。もちろん役者としての話もできるんですけど、それ以上にかっこいい大人だなと思ってました。

余裕なのかな、やっぱり。ステージ上でもユーモラスだったり、自由さもあったり。めちゃくちゃ稽古をしているんだけれども、稽古をベースとしつつ変えるべきところはスパンと変えていくし。受け止める包容力みたいなものがかっこいい大人だなと見てました。

――そうしたお二人の姿はその後の風間さんの舞台への姿勢に影響は与えましたか?

風間:文言化が難しいですね。間違いなく血肉になっているとは思うんですけど、文言化するとそれだけになっちゃいそうで、悔しいな。

たぶんなんですけど、地球ゴージャスってアンサンブルという概念がないんです。全員役者だし、どこにフォーカスが当たっているかの違いだけであって、今回の物語ではこの役にフォーカスが当たって分量が多くなっているけど、ステージにいるやつらには全員物語があると。そういう考えはもともと僕にもあって、ドラマだろうが映画だろうが、一緒に物語を作ったら、そこに優劣はないなって思っています。そこに確信を持ったのは、やっぱりお二人のスタンスからじゃないですかね。

――20歳のころから風間さんにはすでに完成された印象があります。

風間:10年前とか15年前の写真が出てきても、いつの写真か分からないんですよ、僕(笑)。10年前に撮りためたんだろうって言われたりしますが、僕の中では年はとっているんです。

『クラウディア』を観る機会があって、「若ぇ!」って思いましたし、今やったら全然違うのにとも思うんですけど、面白いのが、今できるようになったこともあれば、もうできなくなってしまったこともあるんです。役者としては一歩一歩進んでるって自分でも思ってるし、今までの経験が糧になって成長できてると思うんですけど、成長しちゃったからできなくなったことも実はあって。いつだって、その時にしかできないことがあるんですよね。

『3年B組金八先生』で捕まってパトカーの中で振り向くっていうシーンを今見ても、この顔は二度とできないって思いますし、僕のターニングポイントになった『それでも、生きてゆく』もきっと今やったらこんな顔はできないって思うし…。がむしゃらさとかじゃなくて、顔つきなんだと思うんですよね。顔は変わってないんですけど(笑)。

――(笑)。舞台は“生もの”とも言いますものね。

風間:SNSを始めまして、今回共演する福くんが『儚き光のラプソディ』を告知していたので「観に行きたい!」って書いたんです。ボケたつもりもあったんですけど、でもそれがなまじ嘘でもないんです。映像作品と舞台の決定的な違いって、“生もの”というのもありますが、一番大事なのは、舞台はお客様と同じ客席に座って観ることが一生ないということです。テレビも映画もお客様と一緒に客観的に見ることができるんだけど、舞台はそれができない。僕はそこに儚さを感じていて。1回やったら終わっちゃうという儚さもあるけど、僕は観ることはできないんだっていう儚さが舞台にはあります。

◆“ちゃんとしてる人に見られる”風間の逃げたいものとは?


――今回の作品は、「逃げたい」という感情があふれたキャラクターが登場しますが、風間さんは、何かから逃げたいと思うことはありますか?

風間:……書きものとかの締め切りですね。今日も帰ったあとに今日中に出さないといけないものがあるんですけど…。朝の番組をやったりいい人の役をやらせていただくことが多く、ちゃんとしてる人と言われる機会が多いんです。実際ちゃんとしてないわけではないと思うんですけど、僕は目の前のことに向き合うのがめちゃくちゃ得意なんです。現場に行って、目の前で起きていることが同時多発だったとしても、「すげえ、俺タブ何個も開けるんだ!」って自分で思うくらい、目の前のことは大丈夫なんです。

ただ1週間後とかは無理なんです。今じゃなくていいって解釈すると、処理済みのほうに置かれていく(笑)。で、ギリギリになってしまいます。ただ、今やらないといけないとなった時の自分はすごいんです。だからなんとかなっちゃうのでよくないんですよね。子どものころからそうでした。宿題も、やらないで行っちゃってその場でやるか、夏休みの宿題だったら終業式の日に終わらせるか、どっちか極端なんです、計画的が無理(笑)。

――(笑)。話は変わりまして、風間さんは昨年40歳になられました。

風間:まだ実感してないです。40歳だなとは思っているんですけど、変化みたいなものはそんなに感じてないですね。

――憧れる40代の俳優像みたいなものはありますか?

風間:憧れの役者を聞かれたときに基本的に挙げているのはアンソニー・ホプキンスです。初めてアンソニー・ホプキンスを認識したのは『羊たちの沈黙』だったんですけど、あの時、何歳だったんだろう? あれで40とか言われたらびっくりなんだけど(笑)。53歳? よかった、まだチャンスある!(笑)

――(笑)。10年後の地球ゴージャス40周年公演では、よりアンソニー・ホプキンスに近づいた風間さんが見られることを期待しつつ、まずは今回の『儚き光のラプソディ』で二度と見られない風間さんの姿を心に刻みたいと思います。

風間:でも、いかんせん歌に苦手意識が強くてですね…。今回も歌うんだよなぁ~。

伝説的な話がありまして、『クラウディア』で最初の通し稽古をやった時に、3時間を超えちゃったんです。これはまずいとなり、五朗さんに「俊介、申し訳ないんだけど、お前のソロ曲切っていいか?」って言われて、「いいと思います!」と答えました(笑)。切ったことによって、ずっとステージ上で動いているけど、一言もしゃべらないキャラクターになり、みんなの意識がガッと集まって、すごくいい結果を生んだんです。あれは英断だと思う(笑)。今回はどうなることやら(笑)。

(取材・文:近藤タイスケ 写真:高野広美)

地球ゴージャス結成30周年公演『儚き光のラプソディ』は、東京・明治座にて4月28日~5月26日上演。大阪・SkyシアターMBSにて5月31日~6月9日上演。

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