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【後編】分かりづらいと言われてショック!自分の話がうまく伝わらない・伝えられないと悩む子どもへのアドバイスについてお伺いしました。

  • 2024.4.20


自分の話がうまく伝わらない・伝えられないと悩む子どもにどんなアドバイスができる? そんな悩みに、一般社団法人インナークリエイティブセラピスト代表 佐藤城人さんに前後編に分けてお答えいただきました。今回は後編です。

ママ広場

結論から話すとスッキリする

前回、一文が長くなると、分かりにくくなるとお話をしました。
ではなぜ、一文が長くなるのでしょう?大きな要因は、時系列で説明するから(結果から話そうとしない)です。
物事を説明する際、順序良く時系列で説明する方法と、結論から説明する方法。この2つに大別できます。

話が得意な人は時系列タイプでも、聞いている人を退屈させず、話している間に盛り上げることができるでしょう。しかし、「それで、結論はなに?」「結局、何が言いたいの?」と、家族や友だちから言われた経験があって、話すことが苦手な場合は、結論から話すほうがいいかもしれません。

例文で比べてみましょう。
Aー1 学芸会の演劇ですが、ずっと裏方ばかりだったから、舞台に出ることがなかったので、〇〇はストーリーがハッピーエンドで終り、登場人物が多く、大勢が参加できます。だから、私は賛成です。

Aー2 学芸会の演劇ですが、私は〇〇に賛成です。なぜかというと、ストーリーがハッピーエンドで終わり、登場人物が多く大勢が参加できるからです。
*たんに「賛成です」ではなく、あえて主語の「私」も加えてあります。

Aー1の例のように延々と話してしまうと、周囲はどのように受け止めるでしょう?
内心、「早く終わらないかな、何が言いたいんだろう?」と思うことでしょう。

再度、Aー1とAー2を見比べてください。接続詞の違いはなんですか?Aー1の時系列タイプは「だから」を用いています。
これに対して、Aー2の結論タイプは「なぜならば」です。会議や討論会など結論を先に述べた方が良い場面では、「なぜならば」を用いること。これがポイントです。

*「なぜならば」は少し硬い言葉です。そのため「なぜか(どうしてか)というと」「その理由は」などに言い換えるのもOK です。

この他、自信がない人の場合、説明が長くなる傾向があります。全部説明しないと分かってもらえないのではないのか、という不安感からです。
自分の感想や行動など、できる範囲からでいいので、短く言い切る断定口調を意識してください。これだけで自信が強まり、自己肯定感も高まります。

・荷物の方、お預かりします → 荷物をお預かりします
・とてもよかったかな、みたいな → とてもよかった
・渋谷とかで、映画とか観たりとかして → 渋谷で映画を観た

太字部分を言い切りの形にしてみました。この違いです。お子さんの自己肯定感も高めるためにも、言い切ることを意識なさってください。

誤解を防ぐために、事実と解釈を分ける

例文をお読みください。

Bー1 学校で太郎君に挨拶をしたら無視された。

この例文を、事実と解釈に分けてください。
事実は「学校で太郎君に挨拶をした。太郎君から返事がなかった」です。ラストの「無視された」は、あくまでも本人の解釈です。
この例文のように、事実と解釈を同じ文に混ぜると、聞いた相手が解釈=事実のように受け止めてしまいます。これが誤解やミスコミュニケーションを招きます。

この場合の対処法もシンプルです。
・主語と目的語を加えること
・一文を短く区切ること
心掛けることは、この2つでOKです。

上記のBー1の例文であれば、

Bー2 学校で太郎君に挨拶をした。しかし、太郎君からは返事がなかったよ。

このようにまず、事実だけを話して解釈と一旦区切れば、誤解は生まれませんね。

さいごに

「子どもは社会を映す鏡」といいます。話し方に悩む子どもが増えたとすると、大人の私たちも「話し方に悩む人が増えた」ということです。
まず、親がお手本を示すことが大事ではないでしょうか。その際、気をつけたいことがあります。相手への思いやりを意識してください。話し方に正しさはありません。
「正しさ」「分かりやすさ」ばかりを求めてしまうと、息苦しい社会になります。

話し方にまごつき、言い間違えた人がいるとします。その際、
・「間違えるな!」と怒鳴る
・「お互い様だよね」と許す

あなたは、どちらを選びますか?この選択が人間関係を形成するのだとしたら?
そして、言葉を用いる際は、正しさだけではなく、「美しさ」「心地よさ」という価値基準もある、このように私は考えています。

執筆者

ママ広場


佐藤城人(さとうしろと)
一般社団法人インナークリエイティブセラピスト協会 代表
心理カウンセラー・心理セラピスト・気功師範

経歴
過去にアルコール依存症を患った経験があり、それを克服する過程で40代に再度大学に入学、心理学と出合う。
各種依存症やインナーチャイルドを抱える方、さらには摂食障害の悩みなど、これまで10年間で約5,000名様の悩みをサポート。
近年はヤングケアラーはインナーチャイルドの予備軍と位置づけ、お子さまや親御さまの支援にも力を入れている。
2019(令和元)年一般社団法人インナークリエイティブセラピスト協会を設立。
カウンセラー・セラピストの養成にも力を入れている。

一般社団法人インナークリエイティブセラピスト協会
https://in-ct.org/

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