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女であることを都合よく利用されるような職場でも、私は辞めない

  • 2024.4.20
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ダイバーシティ、女性活躍推進法、昨今騒がられているようだが、私には関係ないことだと、この会社でそれは絵空事だと思っていた。

◎ ◎

私は高卒で今の会社に内定をもらい入社した。この春で10年目になる。男女比率は圧倒的に男が高く、重要な仕事は男。手が器用な女は細かい仕事。
女性軽視をしているような職場ではなかったが、その中で確実に女と男というだけで与える仕事の線引きは引かれていた。

入社1年目、2年目の時は問題なかった。職場環境への適応、与えられた仕事の習熟。分からないこと、不安なことばかりで毎日が精一杯だった。

だが入社3年目頃からこの線引きに気付き始めた。私の先輩にどんな仕事もこなせる優秀な女の先輩がいた。入社して12年目になるそうだ。だが彼女は一般の社員だった。1年経つ事に給料はあがるが、それだけだ。優秀だと周りの人から認められていても『女』というだけで上にはあがれなかった。

悔しくて、虚しくて、やるせない気持ち。彼女は「そんなものだよ」と笑っていたけれど実際はどう思っていたのか。

◎ ◎

私は自分より仕事のできない男が上にあがって、私に命令をする立場になることに不満があった。私の方がもっとできるのに、私だってやれるのにって。でも結局は私は女で線引きされたその線を超えることは出来なかった。

せめてもの抵抗で強い女になろうとピアスをあけ(私の勝手な強い女のイメージ)、お酒を沢山飲むようになり、言葉は強く、化粧はしない。仕事は丁寧に確実に行ったが、女っぽいなんて言葉は絶対に言われたくなかった。そんな変な方向に意固地になりながら続けてきたこの職場にも転機が訪れた。

それがダイバーシティ、女性活躍推進だ。部署ごとにダイバーシティ活動の目標がたてられ私に白羽の矢がたった。正直嬉しい気持ちが大きかった。女でも認められるようになるのか、と。
だが違った。認められた訳ではなく利用されているだけだと、『女』の私がちょうど良かったから。

私が褒められてもそれは女であるから褒められている。評価されるのも女だから評価されている。あれだけ嫌だった女っぽいと思われることが必要になっていた。

「折角女の子いれたんだからもっと女性目線で発言してよ」
「女の子が活躍してるのみせたいから貴女が発表してね」
「女の子なんだし服装替えたら?女の子なんだから綺麗にしなきゃ」

今まで女として接さず良き同僚として関係を紡いでいた男の先輩には非難された。

「女っていいよね、気に入られてるから評価されてるんでしょ」
「女だからって出来ないとか言うの勘弁してよ」
「女って楽だね、すぐ上にあがれるじゃん」

◎ ◎

結局私は線引きされたままだった。そんなことがあっていいのか、と。無性に腹が立って会社を辞めようと思ったことは1度や2度ではない。

でも辞められない。辞めない。利用されてるのはわかってる。わかってるけどそれすらも利用して私は上にあがる。あの頃の線引きされて仕事を区別されて、悔しくて、虚しくて、やるせなかった私がいるからだ。線引きの中で諦めた女の先輩方がいるからだ。

女だ男だなんてどうだっていい。なんて簡単には言えないけれど、その中でも何でも利用して進むことにした。あの時諦めた私には見えなかった『先』が今の私には少し見えるからだ。

これからも女だからと評価され、非難される。それは簡単には変わらないと思う。
それに腹が立つのも変わらない。それでも進みたい私の気持ちを大事にしたい。
それでも進もうとする女の私を認めさせてやりたい。

覚悟と野望と意地でここから私は先へ進んでいく。

■夜由のプロフィール
自分のおもいを人に伝えられるようになりたい。文字を紡ぐことや、写真を撮ることがすき。犬と猫をこよなく愛しています。

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