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「雲のかたちが動物に見える!」この現象には名前があるんです

  • 2024.4.17
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ウサギが跳ねているように見える (C)荒木健太郎/KADOKAWA
ウサギが跳ねているように見える (C)荒木健太郎/KADOKAWA

空に浮かぶ雲にのってみたい!

虹のふもとはどうなっているんだろう?

空や雲、気象の疑問を本記事で解説してくれるのは、雲研究者で、映画『天気の子』やドラマ『ブルーモーメント』でも気象監修を務める荒木健太郎さん。雲、雨、雪、虹、台風、竜巻など、空(気象)にまつわる面白くてためになる知識をやさしく紹介してくれます。

ふとした瞬間に空を見上げるのが楽しくなる、天気や気象にまつわるとっておきのネタをお届けします!記事で紹介する内容は、YouTubeチャンネル「荒木健太郎の雲研究室」の動画でも解説していますよ。

※本記事は荒木健太郎著の書籍『空のふしぎがすべてわかる! すごすぎる天気の図鑑』から一部抜粋・編集しました

「雲が動物に見える現象」にはちゃんと名前がある

空に浮かぶ雲を眺めたときに、「あの雲、鳥に似てる!」「こっちはウサギ!」と思ったこと、ありませんか? このように雲がほかのものに見える現象には、きちんと名前がついているのです。

その名もパレイドリア現象。ふだんからよく知っているもののかたちを、本来はそこに存在しないにもかかわらず思い浮かべてしまうという、心理現象のひとつです。

パレイドリアはギリシャ語で「間違って見えるもの」という意味です。

また、雲が人の顔のように見えることもあります。これはシミュラクラ現象(類像現象)といって、点や線が逆三角形に並んでいると、脳が人の顔だと判断してしまうというものです。シミュラクラは英語で偽物という意味。そこにいないはずの人が写っているように見える、いわゆる心霊写真の多くもこれで説明がつくのだとか。

空を見上げるときに、動物や人のような顔に見える雲を探してみると、もっと空を楽しめそうですね。

ウサギが跳ねているように見える (C)荒木健太郎/KADOKAWA
ウサギが跳ねているように見える (C)荒木健太郎/KADOKAWA

ウサギが跳ねているように見える。

これはまるで、幸せを運んできてくれそうな「虹色の鳥」…! (C)荒木健太郎/KADOKAWA
これはまるで、幸せを運んできてくれそうな「虹色の鳥」…! (C)荒木健太郎/KADOKAWA

これはまるで、幸せを運んできてくれそうな「虹色の鳥」…!

スマホで撮るときにレンズでできる光が、龍の眼のよう! (C)荒木健太郎/KADOKAWA
スマホで撮るときにレンズでできる光が、龍の眼のよう! (C)荒木健太郎/KADOKAWA

スマホで撮るときにレンズでできる光が、龍の眼のよう!

顔に見える雲……。どこが目か口か、わかるかな? (C)荒木健太郎/KADOKAWA
顔に見える雲……。どこが目か口か、わかるかな? (C)荒木健太郎/KADOKAWA

顔に見える雲…。どこが目か口か、わかるかな?

豆知識

雲は、上空の風や空気の乱れによって短時間で姿かたちが大きく変わります。

気になる雲を見つけたらすぐに写真を撮れるよう、いつでもスマートフォン(スマホ)などのカメラを出せるようにしておきましょう。

【著者プロフィール】

荒木健太郎

雲研究者、気象庁気象研究所研究官、博士(学術)。

1984年生まれ、茨城県出身。慶應義塾大学経済学部を経て気象庁気象大学校卒業。地方気象台で予報・観測業務に従事した後、現職に至る。専門は雲科学・気象学。防災・減災のために、豪雨・豪雪・竜巻などによる気象災害をもたらす雲のしくみ、雲の物理学の研究に取り組んでいる。

映画『天気の子』(新海誠監督)では気象監修を務める。

著=荒木健太郎/『空のふしぎがすべてわかる! すごすぎる天気の図鑑』

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