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SixTONES京本大我、俳優としての稀有な魅力とは? 歴代ドラマから紐解く演技の強みを解説【推しmovies】

  • 2024.4.16
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イラスト:大窪史乃

SixTONESの京本大我が主演を務めるドラマ『お迎え渋谷くん』が初回放送から大きく話題を呼んだ。ソロとしてもミュージカル作品のほか、最近ではドラマやバラエティ番組に出演し、個人のXアカウントを開設するなど注目を集めている。今回の【推しmovies】は京本が出演したドラマ作品にフォーカスしてみたい。(文・柚月裕実)
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【著者プロフィール:柚月裕実】
エンタメ分野の編集/ライター。音楽メディア、エンタメ誌等で執筆中。コラムやレビュー、インタビュー取材をメインにライターと編集を行ったり来たり。SMAPをきっかけにアイドルを応援すること四半世紀超。コンサートをはじめ舞台、ドラマ、映画、バラエティ、ラジオ、YouTube…365日ウォッチしています。

●『私立バカレア高校』で魅せた演技の才能

京本大我のドラマ遍歴をたどる中で、まずはSixTONES結成のきっかけとなった2012年放送『私立バカレア高校』(日本テレビ系)は外せない。

最凶のヤンキー高校・馬鹿田高校と最強のお嬢様高校・第一カトレア学院の合併をきっかけに、両極端な生徒たちの青春をコミカルに描いた作品だ。

京本は長めの髪にターバンをした寺川麻耶役を熱演。「最強にキレる男」と紹介されたように、美意識の高そうな風貌ではあるがキレると別人のように荒れ狂う。

当時はまだ全員が10代で声も若くて高い、初々しさとパワフルさが共存した若手ならではの瑞々しい演技だった。毎話のように登場するケンカのシーンでは、ダンス経験や、メンバーによっては空手経験を活かしたキレとリズミカルな迫力あるシーンを見せた。

京本が演じる麻耶と時宗小百合(光宗薫)にフォーカスが当てられた第5話を改めて見てみると、京本の演技の才能を感じずにはいられないのだ。

●荒くれ者から余命わずかな病人役までこなす演技の幅の広さ

4人兄弟の末っ子として誕生したが、母親は女の子が欲しかったことから麻耶を女の子のように育てたという複雑な生い立ち。それゆえ「女みたい」という言葉を投げかけられると、キレて収集がつかなくなるほどに荒れてしまう。

その一方で、母親との関係に悩み、苦しんだ経験を持つからこそ、小百合の心情を察し、救いの手を差し伸べることができた。

巻き舌で荒々しいアクションシーンを見せたかと思いきや、小百合を心配する表情、麻耶自身の複雑な生い立ちや胸の内を吐き出す際には繊細な声で語るなど、声色を筆頭に雰囲気を作って引き込む。コミカルなストーリーに馴染みながらも、骨太な芝居が物語を引き締めていた。

2013年放送の藤ヶ谷太輔が教師役として主演を務めたドラマ『仮面ティーチャー』(日本テレビ系)では、金を使って学園内での地位を獲得した生徒・ボン役として第1話から活躍。

目力を発揮した狂気的な表情を見せるなど、初回から物語を盛り上げた。また、6年ぶりの連続ドラマ出演で、連続ドラマ単独初主演を務めたのが2022年放送のシンドラ『束の間の一花』(日本テレビ系)。

京本は余命宣告を受けた大学の哲学講師・萬木昭史役で、落ち着いた雰囲気の中で、余命と向き合う青年を好演。

頬をほっそりとさせ、柔らかくて温かみのある声と、知的な落ち着いた佇まい。悲しみだけで埋めない前向きさのある物語に溶け込み、説得力ある芝居を見せた。

●今後も出演ドラマが目白押し

2023年には藤ヶ谷と約10年ぶりの共演を果たした『ハマる男に蹴りたい女』(テレビ朝日系)に香取俊役で出演。

清潔感漂うスーツ姿で、働き盛りのサラリーマンの風格を打ち出した。藤ヶ谷演じる主人公の恋敵として、時には俊が胸キュンを誘うような場面もあるなど、ドラマならではの新たな表情を見せた。

今作の『お迎え渋谷くん』では、“うぶキュン”がキーワードになっているように、年の離れた妹を溺愛する一方で、売れっ子イケメン俳優でありながら恋愛経験はゼロという役どころ。

妹の担任保育士・愛花先生(田辺桃子)との、あまりにも初々しい恋模様が描かれる。コミカルな場面が多いものの、わずかに挟まれた“静”に惹きつけられ、渋谷くんの少しずつ心が揺れ動く姿、予測不能な行動、不器用さには心をくすぐられる。

5月4日には宮部みゆきの小説が原作の『霊験お初 震える岩』(テレビ朝日系)で時代劇に挑戦とドラマ出演が絶えない京本。

さらに今年は初の単独主演映画『言えない秘密』が6月28日に公開を控えているほか、ジュニア時代からオーディションを受けて挑んできた舞台も、今年は古川雄大と京本のWキャストによる『モーツァルト!』の上演が決定している。

●ユーモアたっぷりのSNSも話題に

Xでは個性を発揮した投稿で笑いを誘い、Instagramでは見習いアーティスト (@minarai_artist)として、自ら撮影した写真を投稿するアーティスティックな一面も。『名探偵コナン』シリーズ、『遊戯王』マニアとしても知られ、度々話題を集めている。

SixTONESの田中樹とメンバーが週替わりで出演する『SixTONESのオールナイトニッポンサタデースペシャル』(ニッポン放送)では、ユーモアたっぷりのトークが聴けるのでこちらもおススメしたい。

京本がXを開設した際に「優しい世界にしような!」と呼びかけていたが、抜群の歌唱力や演技力がありつつも堅苦しさがなく、ユーモアたっぷりに楽しませてくれる。「知れば知るほどもっと知りたくなる」というほどに、人を惹きつける魅力があるのだ。

ドラマをはじめ、映画、舞台とフィールドごとに様々な芝居を見せてくれる、俳優としての京本に注目してみてはいかがだろうか。

(文・柚月裕実)

 

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