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中国サッカーで「ACLまで出たのに解散・消滅した7つのクラブ」

  • 2024.4.16
中国サッカーで「ACLまで出たのに解散・消滅した7つのクラブ」
中国サッカーで「ACLまで出たのに解散・消滅した7つのクラブ」

Text by 石井彰(編集部)

16日にU23アジアカップで日本代表と対戦する中国。この大会には非常に若いメンバーを招集しているが、大会前の練習試合では悪くない結果を続けており、ジャイアントキリングの可能性もあると現地で報道されている。

ただ、国内リーグは中国バブルの崩壊やコロナ禍でのロックダウンによる影響で多くのクラブが経営難に陥り、消滅を余儀なくされたところも数多い。

今回は「AFCチャンピオンズリーグにも出場した経験を持ちながらも解散・消滅してしまった中国の強豪クラブ」をご紹介する。

深圳健力宝

中国サッカーで「ACLまで出たのに解散・消滅した7つのクラブ」
中国サッカーで「ACLまで出たのに解散・消滅した7つのクラブ」

ACL出場:2005年

解散:2020年

所属した主な選手:クリス・キレン、巻誠一郎、楽山孝志、フアン・キンテロ

指揮した主な監督:フィリップ・トルシエ、クラレンス・セードルフ、スヴェン・ゴラン・エリクソン、ロベルト・ドナドーニ、ジョルディ・クライフ

中国超級リーグが創設されたのは2004年。そのシーズンを制覇したクラブはこの深圳健力宝であった。その後フィリップ・トルシエ監督が指揮したり、巻誠一郎や楽山孝志が所属したこともあり、日本との縁も深いクラブである。

2005年のACLではグループステージで水原三星やジュビロ磐田と対戦し、首位で決勝トーナメントへと進出。準決勝まで勝ち進んだものの、UAEのアル・アインに敗れている。

クラブはその後深圳金威、深圳香雪上清飲、深圳亜旅、深圳紅鑽、そして深圳FCと名前を変えながら戦ったが、2部で7シーズンを過ごすなど低迷。経営的にも難しい状況となり、2023年に2部降格を喫して解散となった。

遼寧宏運

中国サッカーで「ACLまで出たのに解散・消滅した7つのクラブ」
中国サッカーで「ACLまで出たのに解散・消滅した7つのクラブ」

ACL出場:2012年

解散:2019年

所属した主な選手:ケヴィン・オリス、ジェームズ・トロイージ、ダリオ・ヴィドシッチ、キム・ユジン、デリック・チュカなど

指揮した主な監督:ディミタール・ペネフ、ガオ・シェン(高宇洋の父)など

1990年のアジアクラブ選手権では決勝戦で日産自動車を撃破し、中国勢として初のアジア王者に輝いたチーム。当時は遼寧FCとして知られていた。

遼寧中誉という名前で中国超級リーグの創設を迎え、それからしばらく遼寧FCとして活動したあと、遼寧宏運という名前をクラブ解散まで長く使用した。

2011年にリーグで3位となってAFCチャンピオンズリーグ予選の出場権を獲得したが、予選からのスタートということに懸念を示し、大会でのプレーを辞退している。2019年に給与の未払いが明らかになり、経営難で2020年のシーズン参加を認められず解散。

天津権健

中国サッカーで「ACLまで出たのに解散・消滅した7つのクラブ」
中国サッカーで「ACLまで出たのに解散・消滅した7つのクラブ」

ACL出場:2018年

解散:2020年

所属した主な選手:アレシャンドレ・パト、ルイス・ファビアーノ、ジャジソン、クォン・ギョンウォン、アクセル・ヴィツェルなど

指揮した主な監督:ヴァンデルレイ・ルシェンブルゴ、ファビオ・カンナヴァーロ、パウロ・ソウザ、チェ・ガンビ、リ・ウェイフェンなど

2006年に内モンゴル自治区のフフホトで作られたクラブだが、2008年に天津へと移転して「天津松江」に変更。それからも長く2部リーグでの戦いを続けていたが、2015年に権健グループが買収したことで急成長した。

信じられないような大型補強で2016年に2部を制覇して昇格し、初めての超級リーグで3位という好成績を収めた。そして次年度のAFCチャンピオンズリーグでも準々決勝まで進出するなど、新興勢力の台頭を印象付けた。

ところが2018年末には権健グループが違法なマルチ商法を行っていたというスキャンダルに直面し、オーナーが逮捕されてしまう。その結果クラブは親会社を失い、天津天海と名前を変え、2020年に解散することになった。

貴州人和

中国サッカーで「ACLまで出たのに解散・消滅した7つのクラブ」
中国サッカーで「ACLまで出たのに解散・消滅した7つのクラブ」

ACL出場:2013年、2014年

解散:2021年

所属した主な選手:ミロシュ・バヤリッツァ、ズヴェズダン・ミシモヴィッチ、セヤド・サリホヴィッチ、ネルソン・クエバス、モハメド・カロン、リカルド・サントスなど

指揮した主な監督:クロード・ルロワ、ルイス・ガルシア

1995年に上海で発足したクラブが前進となっていた貴州人和。2004年までは上海をホームタウンとして戦い、2007年に西安への再移転で西安滻灞と名前を変えた。さらに2013年に貴州へ移り、このクラブネームとなった。

2013年のAFCチャンピオンズリーグで初出場し、柏レイソルとも対戦してグループステージ敗退。次年度は川崎フロンターレと同じグループで、こちらも決勝トーナメント進出に失敗している。

そしてクラブはこのあと2部降格を喫するなど苦戦し、2016年にはさらに移転して北京人和と名を変えた。ただその中でも成績は上向かず、2020年には3部へと降格。そして2021年の開幕前に経営難で解散している。

大連実徳

中国サッカーで「ACLまで出たのに解散・消滅した7つのクラブ」
中国サッカーで「ACLまで出たのに解散・消滅した7つのクラブ」

ACL出場:2002-03、2004、2006年

解散:2012年

所属した主な選手:アン・ジョンファン、キム・ジンギュ、パク・ドンヒョク、ドン・ファンジュオなど

指揮した主な監督:ウラジミール・ペトロヴィッチ、パク・ソンファなど

AFCチャンピオンズリーグ発足前のアジアクラブ選手権では準優勝の経験もある名門クラブ。1955年に大連船舶として設立され、1982年から大連FCとして本格的にサッカーリーグへと参加。93年にはプロ化して大連万達と名前を変えた。

中国1部リーグを8回制覇するなど強豪クラブとして知られる存在になったが、2000年には万達グループの会長である王健林が審判を批判してサッカー界から撤退すると発表し、急遽実徳グループが親会社になるという波乱も。

それからもしばらくは強豪の地位を守ったが、2005年の優勝以降は徐々に低迷。2012年には経営難のために大連阿爾浜(後の大連一方、大連プロフェッショナルFC)に吸収合併された。

なおその大連プロフェッショナルFCも今年1月に経営難のため解散を余儀なくされている。

江蘇蘇寧

中国サッカーで「ACLまで出たのに解散・消滅した7つのクラブ」
中国サッカーで「ACLまで出たのに解散・消滅した7つのクラブ」

ACL出場:2013年、2017年、2021年

解散:2021年

所属した主な選手:アレックス・テイシェイラ、ラミレス、ジョー、エデル、ミランダ、エスクデロ競飛王など

指揮した主な監督:ファビオ・カペッロ、コズミン・オラロイウ、チェ・ヨンス、ダン・ペトレスクなど

中国サッカーの歴史上最も驚きの解散だった江蘇蘇寧。もともとは1958年に設立されたクラブが前進となっており、1994年にプロ化したもの。2000年に舜天グループが親会社となり、2015年に蘇寧グループに経営権が移った。

中国の巨大コングロマリットのバックボーンを活かして大型補強を敢行し、国内の強豪クラブとして確固たる地位を築いた。2020年には広州恒大の牙城を崩して初のリーグ優勝を果たし、AFCチャンピオンズリーグ出場権を獲得する。

ところが2021年の開幕前、蘇寧グループの経営難のために突如トップチームの活動中止が発表に。選手や監督も全員契約解除となり、「優勝した次の年に解散」という信じられないような結末を迎えた。

広州富力

中国サッカーで「ACLまで出たのに解散・消滅した7つのクラブ」
中国サッカーで「ACLまで出たのに解散・消滅した7つのクラブ」

ACL出場:2015年

解散:2023年

所属した主な選手:エディ・ボスナー、ヤクブ・アイェグベニ、エラン・ザハヴィ、ダヴィ、ミチェルなど

指揮した主な監督:ドラガン・ストイコヴィッチ、スヴェン・ゴラン・エリクソン、ジョヴァンニ・ファン・ブロンクホルスト、コズミン・コントラなど

1986年に瀋陽で発足されたクラブであり、超級リーグ発足時からのオリジナルクラブ。瀋陽金徳として活動したあと、2007年に移転して長沙金徳に変更された。

さらに2011年には再び移転して深圳鳳凰となるものの、6月には広州の不動産会社と契約してまた移転。「広州富力」となって急成長し、2部から1部へ昇格し、2014年にはリーグ3位という好成績を残した。

AFCチャンピオンズリーグには予選からの出場だったがそれを勝ち上がり、本大会へと出場。ガンバ大阪とも対戦したが最下位で敗退している。2023年に経営難のためライセンスを獲得できず、活動停止となった。

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