娘とは絶縁、部下はうつ病に。家庭でも職場でもモラハラ加害者だった男性の自覚への道のり

近年、社会的にも注目されることが多くなったモラハラ。恋人や夫婦間など、親密な関係にある相手からの暴力のことをDV（ドメスティック・バイオレンス）と言います。暴力というと、身体的に殴る・蹴るといったことが思いつきますが、精神的に相手を追い詰める行為もDVにあたります。言葉や態度、身振りなどによって人格や尊厳を傷つける行為はモラルハラスメント、通称モラハラとも呼ばれる行為です。今回はモラハラ加害者側の男性のケースを見ていきます。

大手商社の管理職として働く鳥羽さん。職場では通称「仏の鳥羽さん」と呼ばれるほど温和な上司として、部下から慕われています。しかし、鳥羽さんはかつて何人もの部下をパワハラで休職に追い込み、妻と娘にもモラハラ・DV行為を繰り返したモラハラ加害の過去を持っていました。

※この記事ではモラハラ行為について具体的な描写があります。フラッシュバック等症状のある方はご留意下さい。

うつで部下が休職したと知るも「あいつも所詮その程度だったか」としか思わない。

妻や娘を見下し、「主婦失格」「女はダメだな」と罵倒ばかり。

鳥羽さんはあくまで「自分が正しい」という姿勢から、「部下に厳しくできる上司こそが良い」「妻や子が間違っているから正してやっている」という、どこまでも身勝手な考えでモラハラ発言を繰り返していました。

その結果、妻と離婚し、成長した娘には「毒親」と呼ばれ絶縁。当初の「なんで俺がこんな目に」という気持ちは「毒親」を扱った書籍を手に取ったことで変化します。鳥羽さんはそこでやっと自分の過ちを悔い改めようと自覚したのでした。

家庭や職場をはじめ、さまざまな環境で起こりうるモラハラ行為。誰もが加害者にも被害者にもなり得る、身近なハラスメントとも言えます。あなたの身の回りでも、思い当たることはありませんか？

※本記事は龍たまこ、中川瑛著の書籍『99%離婚 離婚した毒父は変われるか』から一部抜粋・編集しました。

著＝龍たまこ、中川瑛／『99%離婚 離婚した毒父は変われるか』