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蔚山、横浜FMと協力しACL準決勝ホーム戦をユ・サンチョルさん追慕の場に グッズ販売、演出など実施

  • 2024.4.15

蔚山現代(ウルサン・ヒョンデ)が、ホームで行われるACL準決勝で横浜F・マリノスとともにユ・サンチョルさんを追慕する。

蔚山は来る4月17日19時、ホームの蔚山文殊(ウルサン・ムンス)サッカー競技場で行われるAFCチャンピオンズリーグ(ACL)準決勝第1戦で横浜FMと対戦する。

決勝トーナメントでヴァンフォーレ甲府と全北現代(チョンブク・ヒョンデ)モータースを破りベスト4に駒を進めた蔚山は、Jリーグの強豪・横浜FMと決勝の座をかけて激突する。

蔚山は2020年大会以来、4年ぶりのアジア王者に挑戦する。

ホームでの第1戦で“機先の制圧”に成功してこそ、24日にアウェイの横浜国際総合競技場(日産スタジアム)で迎える第2戦の負担を軽くすることができる。

何より、明確なモチベーションがある。蔚山は準決勝2試合中1勝でも挙げることができれば、2025年に開催予定のFIFAクラブワールドカップ出場権を獲得できる。

意義深い「ユ・サンチョル・ダービー」

そんな“ACL日韓戦”の初戦を蔚山は有意義な場にする。蔚山と韓国サッカーの歴史にその名を刻んだ「元祖ユーティリティプレイヤー」、ユ・サンチョルさんを追慕する空間と時間を設けるのだ。

ユ・サンチョルさんは蔚山に在籍した9シーズン通算で142試合に出場し、Kリーグ(1996、2005年)、スーパーカップ(2006年)、A3チャンピオンズカップ(2006年)優勝に貢献した。

まさに蔚山の栄光とともに歩んだ選手であり、2006年3月に引退を発表するまで蔚山で輝きを放ったレジェンドだ。

また、蔚山だけでなく横浜FMにも1999~2000年と2003~2004年に在籍しているなど縁が深い。日韓名門クラブの蔚山と横浜FMにとって、ユ・サンチョルさんは特別な存在なのだ。

ユ・サンチョル
(写真=蔚山現代)現役時代のユ・サンチョルさん

ユ・サンチョルさんは2019年11月にすい臓がんのステージ4であることを公表。以降は闘病生活を送っていたが、2021年6月7日に49歳でこの世を去った。

蔚山は故人をしのぶため、2021年6月20日の城南(ソンナム)FC戦をユ・サンチョルさん追悼試合とした。

これとともに、蔚山文殊サッカー競技場内ホーム側S8区域の柱の裏側に「献身と記憶の壁(Wall of Legends)」の空間を設けた。

同空間には、ホームゲームが開催されるたびにファンが絶えず足を運ぶ。

横浜FMのファン・サポーターたちは、ユ・サンチョルのすい臓がん発覚当時に快癒を願う横断幕を掲げた。惜しまれつつこの世を去ったときも、偉大なレジェンドの冥福を祈っていた。

このように、ユ・サンチョルさんを通じて縁を結ぶことになった蔚山と横浜FMが、“東地区決勝”とも呼ばれるACL準決勝で、東アジア最強チームの座をめぐり戦うことになった。

蔚山ファンの間では、横浜FMとの対決を「ユ・サンチョル・ダービー」と呼ぶ声もある。

そして、蔚山はアジアサッカー連盟(AFC)と横浜FMの同意と協力を得て、ホーム開催のACL準決勝第1戦で「ユ・サンチョルさんメモリアルイベント」を行う。

ユ・サンチョル
(画像=蔚山現代)

日間のサッカーファンのために、蔚山文殊サッカー競技場では試合当日、ユ・サンチョルさんの生前の活躍と歴史を盛り込んだ追悼グッズ「WE REMEMBER YOO」を販売する。

種類はタオルマフラーとTシャツの2種類で、蔚山と横浜FMのファンの両方が購入できるよう、追加でブースが設置される。

これらの商品は、今シーズンから施行中の蔚山オフィシャルショップ「UHDFC SHOP」の海外配送品目に採択され、日本のファンも購入可能となる予定。蔚山の影響力と認知度を高めるきっかけになると期待されている。

このユ・サンチョルさん追悼グッズと関連し、横浜FMはグッズ制作とメモリアルイベントにおいて使用されるエンブレム、提供したユ・サンチョルさん関連のアセットに対するロイヤルティを一切受け取らないことに決めた。

さらに、日本から蔚山を訪れる遠征ファンのために、前述した「献身と記憶の壁」が開放される。

まず、遺族の協力により、「献身と記憶の壁」の空間にユ・サンチョルさんの蔚山、横浜FM時代のユニホームが展示される。

蔚山は警護と安全を確保し、一定時間は横浜FMファンも同空間でユ・サンチョルさんを追悼できる時間を提供することにした。

ユ・サンチョル
(写真提供=韓国プロサッカー連盟)「献身と記憶の壁」

キックオフ前には両チームのファンと選手たちが見られるよう、電光掲示板を通じてユ・サンチョルさんの追悼映像が流れ、蔚山と横浜FMで活躍した故人の生前の姿と記録を回想する。

蔚山の選手たちは同日、ユ・サンチョルさん追悼グッズのTシャツとマフラーを着用してピッチに入る。

試合開始後、ユ・サンチョルさんが蔚山で着用した背番号「6」とかけて、前半6分にユ・サンチョルさん追悼のためのコールと拍手の応援が行われる。

蔚山サポーターズ「チョヨンチョンサ」の音頭とリードによって、60秒間起立しての拍手、ユ・サンチョルさんの応援コール6回、各団体別のパフォーマンスが行われる。

蔚山は両チームとファンが集う場で、共通のレジェンドであるユ・サンチョルさんを追慕するために今回のイベントを用意した。

また、両チームのフロントが協業を通じて初対戦の縁を今後も上手く続け、継続的な交流の始まりを知らせる意味も込められている。何より、ACLという大会の意味と本質を活かすための趣旨もある。

まさしく蔚山だけが可能な「インターナショナルファンフレンドリー活動」だ。蔚山はすでにKリーグ最高の「ファンフレンドリークラブ」として定評がある。

Kリーグ勢で唯一、現ACLで勝ち残っているチームとして、グループステージや決勝トーナメントで対戦した海外チームと、マスコットや多様なメディア活動などの協業を通じて、クラブの価値を広く知らせている。

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