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満足度高すぎてロス発症…最高に面白かったベスト冬ドラマ(2)放送コードギリギリ…攻めのテレ東が放つカルト作

  • 2024.4.15
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季節の変わり目となり2024年1月期のドラマが続々と終焉を迎えている。配信で様々な作品が気軽に観られる時代の中、テレビも負けじと良作を生み出している。 今回は、1月から3月にかけて放送された冬ドラマ作品の中でも最も好評だった作品をセレクト。作品の内容を振り返りながら、高評価に繋がった要因を解説する。第2回。(文・寺島武志)

放送コードギリギリ…。カルト的人気を博した再生の物語

『闇バイト家族』

俳優の鈴鹿央士
俳優の鈴鹿央士Getty Images

放送期間:2024年1月6日~3月22日
放送時間:金曜深夜0:12~0:52
放送局:テレ東系
脚本:ふじきみつ彦、金沢知樹
キャスト:鈴鹿央士、山本舞香、光石研、麻生祐未、綾田俊樹、吹越満、丸山智己、山口祥行、諏訪太朗、見津賢、夏生大湖

【作品内容】

年齢も性別もバラバラの5人が闇バイトの応募で集結する。ある事情から「ニセ家族」を演じることになった彼らは、出される指令に従い、次から次へ闇バイトを繰り返す…。どん底の彼らの人生に再起はあるのか?

【注目ポイント】

地上波連続ドラマのオファーが絶えず、2022年以降、切れ目なく連ドラに出演し続け、若手人気俳優の仲間入りを果たしている鈴鹿央士。中でも、『silent』(2022・フジテレビ系)での、葛藤を抱えながらも他人にはどこまでも優しい役柄が女性ファンの拡大につながり、“国宝級イケメン”とまで称されるようになる。

そんな人気者の鈴鹿が、新たに出演したドラマのテーマは、何と「闇バイト」。オレオレ詐欺や振り込め詐欺から“進化”して、強盗や店舗荒らしも相次ぎ、ついには死者も出したことで、現在も社会問題となっている。その深刻さは「闇バイト」という言葉が、2023年の新語・流行語大賞のトップ10入りするほど。

彼が自身のタレントイメージをどう考えているかは分からないが、その爽やかな印象からは想像もつかない役柄に、ファンは困惑しただろう。その他にも、テレ東系の深夜ドラマとは思えないほどの豪華キャストを揃え、年齢も性別もバラバラの5人が闇バイトの応募で集結。

ニセの家族を演じながら、様々なタスクをこなしていくというストーリー。しかもその元締めは吹越満演じる刑事というブラック過ぎるキャラクター設定だ。

闇バイトをパロディーとして描きながらも、その悪質な存在を肯定していると受け取られかねない内容に、放送開始当初から「テレ東といえども、さすがに攻めすぎ」の声があった本作。

民放テレビ各局で、コンプライアンスの線引きは異なるだろうが、さすがに闇バイトをドラマ化できるのは、テレ東だけだろう。仮に闇バイトの犯罪被害者が本作を見たら、卒倒するに違いない。

しかし、フラットな視線で見ると、これが面白いのだ。鈴鹿演じる主人公のみならず、5人家族は皆、元来は“いい人”で、半グレ集団や中国マフィアを相手に恐る恐るミッションをこなしていく。その過程で描かれるドタバタ劇が素晴らしく、観ていて抱腹絶倒してしまう瞬間が何度もあった。

当初、主演の鈴鹿ですら「本当に放送できるの?」と語り、父親役の光石研も「さすがテレビ東京!またまた、怪しげなドラマをぶっ込んできました!」とコメントするなど、かなり際どい内容であることは事実。

しかし、本作のメインテーマは、闇バイトの内容そのものではなく、お金に困り、人生に詰んだ者の再生の物語だ。所々に小ネタを仕込みながら面白おかしくストーリーを紡いでいくのだが、いつしか芽生えた“家族愛”によって、各々が正しく新たな人生をスタートさせる姿が見る者の心を打ち、カルト的な人気につながった。

 

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