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発達障害の女子高生が生きる道を見つけて行く…“普通とは何か”を問いかける映画『ノルマル17歳。― わたしたちはADHD ―』【編集部の「これ、気になる!」 Vol.43】

  • 2024.4.13

発達障害のひとつ、ADHD (注意欠如・多動症)をテーマにした話題の映画『ノルマル17歳。― わたしたちはADHD ―』が先日公開し、東京・アップリンク吉祥寺にて上映中です。

ADHDは「注意欠陥多動性障害」を意味する英語名・Attention-Deficit Hyperactivity Disordersの頭文字をとった略称。

「ADHD」の主な特徴としては、「集中力がない」「忘れ物が多い」「じっとしていられない」といったものが挙げられますが、実際には個々で特性が異なり、子どもが成長するまで気づきにくい場合も。

社会に出てから「もしかして自分は?」と考えて診断を受ける人もいますが、その特性は子どもの成長段階で起こり得るものも多くあり、「我が子がどうも育てにくい」と感じているママたちの中には、「もしかしてうちの子、発達障害?」と悩む人たちも少なくありません。

近年「発達障害」への関心は高まり、言葉としての認知度は広まってきてはいるけれど、その特性を持った子どもたちの実態や感情、そしてその家族たちについては、あまりよくわからない…といった方も多いでしょう。

そんな今、『ノルマル17歳。― わたしたちはADHD ―』は、発達障害の子どもを取り囲む家族や社会の問題から、“普通とは何か”を問いかける映画です。

<ストーリー>

物語の主人公は、ADHDという共通点を持つ2人の女子高生。

進学校に通う絃(いと/西川茉莉)は物忘れがひどく、大事なテストの日に目覚まし時計をかけ忘れて寝坊してしまう。絃はそのまま登校せず、気づけば見知らぬ公園へ。

そこで派手な格好をした女子高生・朱里(じゅり/鈴木心緒)に声をかけられる。朱里はいきなりADHDであることを絃に告白。驚く絃を強引に街へと遊びに誘う。

初対面の絃(写真右)に「あたし発達障害あってさ。ADHDっての。知ってる?」と話しかける朱里(写真左)。

朱里に連れて行かれた場所は、いつも家と学校の往復しかしない絃にとって新鮮な世界。

やがて2人は友達になるものの、朱里の派手な身なりに不快感を持つ絃の母(眞鍋かをり)に交際を禁じられてしまう。

絃の母は子どもたちに「普通」の価値観を押しつけようとする。

一方で朱里は自身の物忘れが原因で姉(花岡昊芽)との喧嘩が絶えない上、父(福澤朗)や母(今西ひろこ)からも厳しくされ、家庭内で孤立。朱里は次第に部屋に引きこもるようなる。

絃との距離も次第に離れていく朱里。

見た目や行動は対照的だけれど、ADHDという同じ悩みを持つ2人の女子高生の葛藤、彼女たちを取り巻く両親や学校との軋轢が描かれており、どんな立場の方でも「普通とは何か?」を考えさせられるストーリーです。

ADHDや発達障害という言葉だけが一人歩きしてしまい、「障害だってわかっているなら対策すればいいでしょ?」「自覚していて治せないなら甘えじゃないの?」といった誤解も生まれやすくなっています。しかし実際には発達障害の特性にはグラデーションがあり、ひとりひとり個性があるのです。

当事者でなくても発達障害を取り巻く現状を知り、寄り添っていくことがとても大切です。まずはこんな映画をきっかけに、考えてみてはいかがでしょうか。

映画『ノルマル17歳。-わたしたちはADHD-』

出演:鈴木心緒、西川茉莉、眞鍋かをり、福澤 朗、村野武範 、小池首領、今西ひろこ、花岡昊芽 ほか

監督:北 宗羽介

脚本:神田 凜、北 宗羽介

音楽:西田衣見

撮影:ヤギシタヨシカツ(J.S.C.)

エグゼクティブ・プロデューサー:下原寛史(トラストクリエイティブプロモーション)

プロデューサー:北 宗羽介、近貞 博、斎藤直人

製作:八艶、トラストフィールディング

配給:アルケミーブラザース、八艶

後援:一般社団法人 日本発達障害ネットワーク(JDDnet)、NPO法人えじそんくらぶ ほか

文化庁「ARTS for the future!2」補助対象事業

©2023 八艶・トラストフィールディング /80分/カラー/5.1ch

公式サイト:https://normal17.com

(田辺香)

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