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人気エディター・川口ゆかりの「ふたり暮らしのおしゃれレシピ」第81回「彩りも、味も!春弁当のコツ」

  • 2024.4.13

新生活が始まる春。気持ちも新たにお弁当作りをスタートしようと考えている新米花嫁さんも多いのではないでしょうか? かくいう私も新婚時代は毎朝せっせとお弁当を作っていました。

とはいえ、うどんを茹でることすら知らないレベル。前日のおかずをアルミカップに詰め込み、白米に梅干しをのせて、終了~! ここには載せられないようなおっかさん弁当を作っていたのですが、20年も経つと成長するものですね。やっと人並みに料理ができるようになりました…。そこで今回は、私がお弁当を作るうえで大切にしていることを6つ紹介します。

1:調味料に少しこだわってみる

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おいしいお弁当を作るコツはいたってシンプル! これは料理全般にも言えることですが…いい食材、いい調味料を使うこと。特に大切なのは、調味料

(左から)愛用しているお酒はこんにちは料理酒、お酢は千鳥酢、みりんは古式本みりん、お醤油は麹のしょうゆ。お味噌やマヨネーズ、ドレッシングは手作りするとやっぱり美味しいので面倒でも作って、ソースやケチャップはなるべく使わないように心がけています。牛乳やミネラルウォーターのように毎日グビグビ飲むものじゃないから、スーパーで購入する場合は特売品ではなく、少しお値段のはるものを選ぶといいかもしれません。

2:発酵調味料の力に頼る

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手軽に美味しいものを作るなら? 発酵調味料に頼ってみましょう。単調になりがちな味付けに奥行きがでます。塩麹や醤油麹もそのひとつ。手作りしているというと驚かれるのですが、麹・水・塩だけのシンプルな材料を混ぜるだけ。実は簡単! 玉ねぎ麹、醤油麹、塩麹と何種類か作ってストックしています。

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例えば、お弁当の定番、唐揚げ。脂質も少なく高タンパク・低カロリーな鶏胸肉を醤油麹(塩麹でも可)に少し漬け込んでから揚げてみてください。驚くほどお肉が柔らかく、美味しくなっているはずです。「紀伊国屋」で購入した笹の葉は殺菌効果も高く、見栄えのいいお弁当にひと役。

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麹は山梨県甲府市の「おかめ麹」がお気に入り。地元で愛される老舗こうじ屋の麹は、スーパーで売っている市販の麹とは味の深みが全然違うんです。200g330円という良心的なお値段もうれしいポイント。オンラインでも購入できますのでよかったらぜひ。

3:実力以上に見える!曲げわっぱのお弁当箱

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お弁当箱は見た目が良いだけでなく、時間が経ってもご飯やおかずをふっくら美味しく保てる曲げわっぱを愛用しています。スタメンはこの3つ。おかずが多い時は2段式、時間がないときは丸型や面長と用途に合わせて。会社でサッと捨てることはできないけれど、長年使い込んでいくと味わいが出て、愛着がわいてくる。こんな経年劣化も曲げわっぱの魅力です。

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丸いお弁当箱の中央に味付けしたお肉を。まわりにナムルや煮玉子、野菜を盛り付けてビビンバ風に。野菜たっぷりで栄養バランスもバッチリ!前日に仕込んでおけばさらに朝がラクですよ。

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バジルがふわっと香るガパオライスと、野菜のシャキシャキっとした食感が楽しい生春巻きを詰め合わせたエスニック弁当。ガパオはお味噌を隠し味に。ヘルシーでいて、食べ応え抜群。

4:食事を作る上で大切にしている五味

五味とは、旨み・甘み・塩味・酸味・苦味のこと。そのなかでも生きるために必要な甘みや塩味は、必然的に摂取するようにできているのだとか。旨みも然り。その反面、酸味と苦味は意識的に摂るようにしないと食べる機会が得られない味覚だそう。だからこそ、お弁当や日々の献立にわざわざ1品入れるように心がけています。

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この日は4種類のおにぎりが主役。少しずつ、いろいろな味を楽しめるようにアレンジして。梅干しやさっと茹でたカブにゆかりのふりかけをあえて、酸味を加えました。余りがちなカブの葉は茹でてから塩もみして、おにぎりに混ぜ込んで。食材を無駄なく使い切るのも普段から心がけていることのひとつです。

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大人数で持ち寄る場合は、唐揚げや肉団子、玉子焼といった誰もが好きなものを。いまの時期なら、くるくると渦巻いた見た目が可愛らしいこごみやほろ苦いふきのとうを添えると、見た目は地味ながらも春の訪れが感じられるお弁当に。

5:バランスの良い食事の合言葉“まごわやさしい

バランスよく食べれるように意識しているのは“まごわやさしい”という言葉。ま=豆製品、ご=ごまやナッツ、わ=わかめなどの海藻類、や=野菜、さ=魚、し=しいたけなどのきのこ類、い=いも類のこと。

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この日は海苔弁でした。鮭には味噌(豆)とマヨネーズをあえたソースを塗ってから焼いて、飽きることなく食べれるようにひと工夫を。ほうれん草(野菜)の胡麻和え(ごま)、レンコンとしめじ(きのこ)のきんぴら、茹でたじゃがいも(いも)とアスパラにマヨネーズとカレー粉を少し加えたポテサラを添えて、“まごわやさしい”をコンプリート。“絶対にこうしなきゃ!”と難しく考えると嫌になってしまうので、ゲームをクリアする感覚で楽しんでいます。

6:常に心がけているのは、丁寧に盛り付けること

おっかさんのようなお弁当を作っていた私が丁寧にお弁当を盛り付けるようになったのは、ある料理家さんに「雑に盛り付けたご飯は雑に扱うよね」と言われたことがきっかけでした。確かに…!と妙に納得してしまって。とはいえ、毎回完璧に作ることはできないから、ご飯におかずをのっけただけ、なんて日もあります。でも時間があるときはできるだけ丁寧に。

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たとえば、細かく刻んだ野菜とご飯をカレー粉で炒めたピラフも、えびやスナップエンドウを盛り付けるだけで、ぐんと華やぎます。このひと手間があるだけで見栄えが全然違う!

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ひとくち大の大きさに丸めたご飯には、桜の塩漬けをのせて、春らしさを意識して。ほろ苦さのある菜の花はいまが旬の食材。前日に茹でて(隙間を埋めるように)おかずといっしょに詰めれば、春弁当が出来上がり。忙しないランチタイムにお花見気分を味わってもらえた嬉しいな。そんなことを考えながら作ったお弁当です。

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うまくできる日もあれば、そうでない日も。毎日小さなドラマがあるお弁当。普段は家でお昼を食べる方もお弁当を持ってご近所の公園でいただくと、ちょっとしたピクニック気分を味わうことができますよ。好きなおかずを詰めて、好きな場所で好きな人と、短い春を思う存分、楽しんでみませんか。

写真・構成/川口ゆかり

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