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保育園に預けるのはかわいそう⁉︎ 現役保育士が伝える、登園時に親が「ごめんね」と言ってはいけない理由

  • 2024.4.13

こんにちは!現役保育士のはるです。4月から保育園に入園したみなさん、入園おめでとうございます。今までずっと一緒にいた子どもと離れることを寂しく感じたり、これから始まる新生活に不安を抱いたりしているママも多いと思います。ところで、保育園に子どもを預けると決めて、「こんな小さい子を預けるなんてかわいそう」と言われた経験はありませんか?フォロワーの皆さんにアンケートをとったところ、共働き家庭が増えた現在でも、「かわいそう」と心無い言葉を言われた経験がある方は30%にのぼりました。

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保育園に子どもを預けることは本当にかわいそうなことなのでしょうか?保育園に預けると決めたらママにお願いしたいたったひとつの心構えをお話します。

小さいうちから保育園に預けるとかわいそう?

保育園に預ける年齢が低ければ低いほど「こんなに小さいうちからママと離れてかわいそう」と周囲から言われる事が多いように思います。これは3歳児神話といわれる「子供が3歳になるまでは母親は子育てに専念すべきであり、そうしないと成長に悪影響を及ぼす」という考え方から。特に年次が上の保育士の中には「私たちの時には0歳児クラスなんて入所する子はいなかった」「育休を長くとらないのかしら」という意見を言う方もいらっしゃいますし、その先輩を見て育った保育士で「こんな小さいうちから」という考えが根付いてしまった方もいました。自分が経験した価値観はなかなか覆すことが難しく、そういった方々の何気ない「かわいそう」という一言がママを苦しめているのかなと感じています。

保育園の年少は幼稚園の年少よりできることが多い? 保育園に子どもを預けることの良い側面

保育園に子どもを預けることは決してかわいそうなことではなく、子どもにとって良い側面もたくさんあります。また、保護者にとっても初めての子育てに対して悩みを相談できる相手ができるというのは心強いと思います。私は実際に長女を生後6か月で預けましたが、保育園に預けたことを後悔したことは今までありません。

様々な体験ができる

家庭で行うことが難しいダイナミックな遊びや遊具を楽しめるのも保育園ならでは。私が勤めている園にも0歳児クラスの部屋には大きなスロープやトンネルなどが常設されています。子どもが自由に好きなタイミングで遊べるようにしたいからです。他にも水遊びやボディペインティング、小麦粉粘土や新聞紙遊びなど、家庭で準備が大変だなと感じる遊びも園ではふんだんに取り入れています。ボディペインティングや色水遊びは、乳児クラスには食べても大丈夫なように小麦粉と食紅で作った絵の具を用いるなど安全にも気をつけています。

様々な人から刺激を受ける

0歳児クラスで日々保育を行う担任だけではなく、園長や同じクラスのお友だち、調理の先生や事務所の先生、違うクラスのお友だちなど、関わる大人や子どもはたくさんいます。0歳児クラスのお子さんは大人気で、「かわいい」と近寄ってくる年上のお友だちもいれば、「癒されに来た」と幼児クラスの担任が遊びに来ることも。私も幼児クラスを担任していた時に、ちょっと落ち込んだことがあると顔を出して元気をもらいに行ったこともありました。 人とのかかわりの中で、自分を知り、他者の存在を知り、優しくしてもらったことで小さい子に愛情をもって接する……そんなかかわりが生まれていきます。三歳児神話でいわれる愛着形成。育ててくれる人と愛着を形成することはもちろん大切なことですが、それが必ずしも母親でなければならない、というわけではありません。

基本的な生活習慣は保育園で身に付く

保育園で給食を食べてきてくれる。コップ飲みやスプーンの持ち方なども見てくれる。トイレトレーニングのやり方を教えてくれる。我が子たちも、基本的な生活習慣は保育園が常にやってくれたと言っても過言ではありません。保育士にとってはそれが仕事でもあるので、一人ひとりに丁寧に教えることができますし、周りの友だちやお兄さんお姉さんがやっていることを真似して覚えることもあります。実際に保育園と幼稚園どちらも勤めたことのある同僚は、幼稚園の年少より保育園の年少のほうができることが多くて驚いたと話していました。

親御さんにお願いしたいたった一つの心構え

保育園が始まり、「本当に預けて大丈夫だろうか」「3歳までは一緒にいたかった」と思うママや、不安を感じているママも多いかと思います。慣らし保育で子どもが泣いている姿を見て、「こんな小さなときから預けてごめんね」と思う気持ちもよくわかります。でも、「ママの不安」を子どもは敏感に感じ取るもの。ママが「保育園に預けられてかわいそう」と思いながら預けたら「ああ、自分は保育園に預けられるかわいそうな子なんだ」と思うのではないでしょうか。預けると決めたのであれば、お願いしたいたった一つの心構えが「子どもを笑顔で見送る」ことです。

声掛けひとつで登園渋りが変わる

実際に毎日「ごめんね、行ってくるね」と言って仕事に行かれるママがいたのですが、その子は毎朝泣いていて、なかなか気持ちを切り替えることが難しく、保育士も「ママを思い出してしまうから、笑顔でバイバイしてほしい」とお伝えしていました。でも口癖になってしまったのか、まだママの気持ちに余裕がないのか。いまでも登園渋りに試行錯誤しています。逆に慣らし保育で泣きすぎて嘔吐していたほどの子も、「お迎え来るね」と明るく見送ってもらうようになってからは、泣いたとしてもすぐに切り替えて友だちと遊んでいる姿が多くなったことがありました。ママの声掛けひとつで、子どもにとって「保育園で遊んでいたらママが迎えに来る」という楽しいところに変わることもあります。

保育園は頑張るところでもない

保育園に預けるときについつい「頑張ってね」と言いたくなることもあるのですが、保育園は頑張らなくていい場所です。運動会や発表会の練習、何か大きな大役を任された日(前に出て発表することが決まっていたり、幼児クラスであれば様々な活動があったりするかと思います)は、声かけすることもあると思います。でも、毎日頑張っていたら子どもも疲れてしまいますよね。保育園は子どもにとって初めての小さな社会。保育園にいるだけで、子どもたちは家庭にいるより常に気を張っていたり、疲れたりするので「頑張ってね」ではなく「楽しんできてね」の方が、子どもも自然体で過ごせるのではないでしょうか。ママにとってもガラリと生活が変わる保育園入園。ママが子育てと仕事の両立ができるように、保育園もサポートしていきますし、子どもがより安心して過ごせるように様々な配慮をしています。保育園が「預けられてかわいそうな場所」から「楽しい場所」に社会の意識が変わるように、そして子どもたちが楽しくすごすことができるように。笑顔で見守ってもらえたらいいなと思っています。

【Profile】はる(@hr_hoiku)

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小2女子と年中男子の2児のママ。新設保育園の立ち上げも経験した12年目の現役主任保育士。現場の経験を生かして、保育園側の視点と保護者側の視点からの情報や、子育てが少しでもラクになる保育士のハックを発信。保育士、幼稚園教諭1種、認定ベビーシッターの資格も保有。

Instagram:はる(@hr_hoiku)

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