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実は姿勢も? メンタルヘルスに影響を及ぼす5つのこと

  • 2024.4.12
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私たちの精神的な健康は、多くの要因と密接に関係している。そしてそれは、自分でコントロールできるものばかりじゃない。だけど、米国の処方箋の価格比較サイト「GoodRx」の医学ライターであり、サンフランシスコを拠点とする精神科医のサラ・グプタ博士いわく、メンタルヘルスを守るうえで重要なのは、自分の意思で変えられる習慣に取り組んでいくことだという。

そこで今回は、実はあまり知られていない、メンタルヘルスに影響を及ぼす5つの要素をグプタ博士が解説し、感情的なウェルネスを守るために簡単に取り組めるヒントを併せて教えてくれた。アメリカ版ウィメンズへルスからみていこう。

姿勢

おそらく在宅勤務経験者なら皆知っている。3時を過ぎると無性にソファに行きたくなるあの気持ち。パソコンに向かってずっと前かがみの姿勢でいると、気分に影響が出てしまうのはどうやら本当のよう(これはオフィスワーカーを含め、在宅勤務者に限ったことではない)

「体の姿勢は、脳に情報を送っています。これに多くの人は気づいていないんです」とグプタ博士。学術誌『Cognition and Emotion』に掲載された2017年の研究では、背筋を伸ばして座っている人より、うつむいた姿勢で座っている人のほうが、ネガティブな気分から脱却するのに苦労していることが明らかになっている。

▶︎グプタ博士からのアドバイス

1時間毎にスマホのリマインダーやアラームをセットして、その都度姿勢を正すようにしよう。アラームが鳴ったら、肩は腰の上に、頭を中心の位置にあるかをチェック。「椅子に深く腰掛け、背筋を伸ばし、腹式呼吸で深く息を吸いましょう。姿勢の違いを体に感じさせるのです」とグプタ博士。もし不安な気持ちになったときは、この方法を思い出して。

友人

友人を大切にすべき理由はたくさんあるけれど、その上位にくるのは私たち自身のメンタルヘルス。「友人やコミュニティの存在があるということを知ることだけがメリットではありません。人とのつながりは、幸福感をもたらす脳内の神経伝達物質を増加させます」とグプタ博士。でも、重要なのは友人の数ではない。大切なのは、自分が一番自分のままでいられる人たちに囲まれること。

▶︎グプタ博士からのアドバイス

まずは自分自身に素直になり、あなたが気分転換や充実感、元気を得るために友人と過ごす時間がどれくらい必要なのかを把握すること。そして、それを自分で現実化すること。それが、たとえ月に1度だけの友人との食事であっても、あなたの人生に大きな違いが生まれることは間違いないから。

人間関係の幅を広げたいときは? グプタ博士いわく、なにか新しいことを始めるといいそう。「例えば新しいクラスを受講したり、ボランティアをしたり、地元の博物館や庭園の会員になるなどです。これらのアクティビティはあなたの世界を広げ、新しいつながりや友情の扉を開いてくれます」とグプタ博士。

笑うこと

好きなTV番組を何時間も見ていると、しばしば批判を受けがち。でも、それであなたが大笑いできるのだとしたら、それは少なくても自分にいいことをしている(友人と一緒に見るとさらにいいかも)

「笑顔でいたり笑ったりしていると、“すべては順調だ、私は今リラックスしている、人生はいいものだ”というような前向きなメッセージが脳に送られるのです」とグプタ博士。「リラックスした状態が、不安やうつ、ストレスから自分を守ってくれるというエビデンスもあるんですよ」

『PLOS One』誌が発表した2020年の研究では、とくによく笑う人は、あまり笑わない人に比べてストレスの多い状況下で精神的な影響を受けにくいことが報告されている。

▶︎グプタ博士からのアドバイス

1日1回は笑うことを目標にしよう。好きな番組を再生リストに追加したり、面白い友達と電話したり、お気に入りのミームアカウントをスクロールするなど、あなたの人生に光を与えてくれるものなら何でも取り入れていこう。

水分摂取量

水を十分に飲むことは、身体的、精神的な健康における重要な鍵を握っている。 「水を十分に飲んでいないと体は軽度の脱水状態になるため、命にかかわる状況にあると判断し、体は警告を放ってストレスホルモン(とくにコルチゾール)を分泌し始めるのです」とグプタ博士。

こうした状態は頻繁に起きてはならないことであり、コルチゾールの上昇は不安やうつ、気分障害に発展するとグプタ博士は付け加えている。

▶︎グプタ博士からのアドバイス

「のどが渇いたときや気分が滅入ったときは、冷たい水を飲みましょう」とグプタ博士。「よりルーティン化したアプローチを好む人は、アラームやトラッカーを利用して、水を飲むことがセルフケアの一環であることを常に忘れないようにしましょう」

自然へのアクセス

「ストレス反応の多くを、私たちの先祖の脳がコントロールしています」とグプタ博士。人間はもともと自然の中で過ごす時間を必要とする生きものであり、「新鮮な水と太陽光、自然に囲まれた環境を好むように進化してきました。これらが生き延びるために必要な資源を提供してくれていたからです。現代では生き延びるだけでなく、私たちの発展や成長までも支えてくれています」

自然の中で過ごす時間は、それがほんの少しであれ、心の健康にとっては大きなメリットでしかない。学術誌『Frontiers in Psychology』に掲載された2019年の研究によると、20分外で過ごすだけで、ストレスホルモンの数値が著しく減少することがわかっている。

▶︎グプタ博士からのアドバイス

できるだけ外に出ること。家の中に閉じこもる日は、デスクの上に植物を置いて自然を取り入れるようにしよう。

※この記事は当初、アメリカ版コスモポリタンに掲載されました。 ※この記事は、アメリカ版ウィメンズヘルスから翻訳されました。Text: EMILY SHIFFER Translation : Yukie Kawabata

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