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抽象へと歩んだ洗練の20世紀彫刻

  • 2024.4.12

Constantin Brancusi

抽象へと歩んだ洗練の20世紀彫刻

Constantin Brancusi
Top Photo:コンスタンティン・ブランクーシ 《接吻》 1907-10年、石膏、高さ28.0cm、石橋財団アーティゾン美術館

20世紀彫刻の領野を切り拓いたConstantin Brancusiの展覧会「ブランクーシ 本質を象る」が、アーティゾン美術館で7月7日(日)まで開催中。

コンスタンティン・ブランクーシ《眠れるミューズ》1910-1911年頃、石膏、19.0×28.0×19.5cm、大阪中之島美術館(5月12日まで展示)

1876年ルーマニア・ホビツァに生まれたConstantin Brancusiは、ブカレスト国立美術学校で学んだ後、1904年にパリに出る。
同地では「The Gates of Hell(地獄の門)」で知られる近代彫刻の祖 Auguste Rodinのアトリエに助手として招き入れられるも、短期間で離れて独自の創作の道へ。

その後はアフリカ彫刻などに通じる野性的な造形を特徴とすると共に、素材への鋭い感性に裏打ちされた洗練のフォルムを追求し、同時代および後の世代の芸術家に多大な影響を及ぼした。

《コンスタンティン・ブランクーシ》1924年(撮影:キャサリン・ドライヤー)、石橋財団アーティゾン美術館
コンスタンティン・ブランクーシ《ポガニー嬢Ⅱ》1925年 (2006年鋳造)、磨かれたブロンズ、高さ44.8cm、石橋財団アーティゾン美術館
コンスタンティン・ブランクーシ《アトリエの眺め、「無限柱」、「ポガニー嬢Ⅱ」》1925年、ゼラチンシルバープリント、東京都写真美術館

本展は、Brancusiの創作活動の全体を日本の美術館で初めて紹介する展覧会。

彫刻作品20点を中心に、フレスコ、テンペラなどの絵画作品やドローイング、写真作品を加えた計約90点で構成される。

コンスタンティン・ブランクーシ《苦しみ》1907年、ブロンズ、29.2×28.8×22.3cm、アート・インスティテュート・オブ・シカゴ Photo image: Art Resource, NY
コンスタンティン・ブランクーシ 《接吻》 1907-10年、石膏、高さ28.0cm、石橋財団アーティゾン美術館
コンスタンティン・ブランクーシ《スタンディング・ボーイ》1913年頃、テンペラ・紙、57.9×33.7cm、メナード美術館

アカデミックな写実性やRodinの影響をとどめた初期から、代表作「The Kiss(接吻)」を生み出した直彫りの技法、対象のフォルムをそのエッセンスへと還元させていく10s、そして「鳥」をはじめ主題の抽象化が進められる20s以降の作品まで揃い、彫刻家としての歩みが窺える充実の内容が実現した。

また絵画作品や写真作品は、一貫して彫刻を創作の核に据えながらも、横断的に異なる手法でそれを相対化していくというBrancusiの近代的なアプローチを提示する。

コンスタンティン・ブランクーシ《雄鶏》1924年(1972年鋳造)、ブロンズ、92.4×10.5×45.0cm、豊田市美術館
コンスタンティン・ブランクーシ《魚》1924-26年(1992年鋳造)、磨かれたブロンズ、13.5×42.0×3.0cm、ブランクーシ・エステート
コンスタンティン・ブランクーシ《洗練された若い女性(ナンシー・キュナールの肖像)》1928-32年(2013年鋳造)、磨かれたブロンズ、54.9×14.9×21.9 cm、ブランクーシ・エステート
コンスタンティン・ブランクーシ《鳥》1930年、フレスコ、29.0×47.0cm、ブランクーシ・エステート

写実を超えて到達した、本質を描くフォルム。
素材の性質へと向けられた特異な意識と探究に、光が当たる。



HELLO DIAL
050-5541-8600



【Brancusi: Carving the Essence】
DATE:7月7日(日)まで開催中
※月曜、4月30日(火)、5月7日(火)休館
※ただし4月29日(月・祝)、5月6日(月・祝)は開館
TIME:10:00am〜6:00pm
※5月3日(金・祝)を除く金曜は8:00pmまで
PLACE:アーティゾン美術館
ADDRESS:東京都中央区京橋1-7-2
ADMISSION:一般 ¥1,800(ウェブ予約チケット)/¥2,000(窓口販売チケット)
※大学生、専門学校生、高校生無料(要ウェブ予約)
※中学生以下無料(予約不要)
※こちらの料金で同時開催の展覧会をすべてご覧いただけます。
同時開催:石橋財団コレクション選 特集コーナー展示 清水多嘉示
※チケットの詳細は展覧会および美術館のウェブサイトをご確認ください。
WEBSITE:www.artizon.museum/exhibition/detail/572

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