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『ヒラ』の憂鬱と『上層部』の憂鬱。立場によって悩みは違えど、これがサラリーマン研究員の現実だ

  • 2024.4.11
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サラリーマンをしています。職種は研究職です。20年ほど前に新卒で採用されてから、同じ会社でずーーっと働いています。研究職ですって?花形じゃん!とも言われたこともあります。もしかすると、この記事を読んでいる方の中には、『子どもが研究者になりたいと言っている』 ・ 『子供を研究職に就かせたい』という方もいるかもしれません。 分かるような気もします。というのも、研究職に就いているとそれなりに、社会的な見られ方は悪くないのです。「へ~~なんだか勉強してきた人なんだ。」「ちゃんと・しっかりしてるんだ~」と誤解してもらえる時もあります。ええ。

私は全然しっかりしていませんよ

たまたま自分が就職活動をしていた時に、同じ分野の企業で採用枠があり、本当に運よく受かっただけ。大量の企業を受け、ほぼ全ての企業からフラれました。女性という時点で不利な思いをしたことも多々。説明会では男女比は半々だったのに、選考が進むにつれて圧倒的に男性の残る人数が増え…最終選考はオール男性。なんてことも当たり前に行われていた時代。それでも一心不乱に履歴書を送り続け、前を向き、もぎとったのが今の会社でした。まぁ、今日はそんな『ある研究職(オバちゃん)のたわごと』だと思って、読んでいって下さい。研究職をしていると年度が終わる1~3月末までは滅茶苦茶忙しい。もちろん会社によると思いますが、予算・次年度の課題・本年の研究のまとめ…ここ最近、ホントに忙しくて、いや待て。最近と言っていいのか。1月からバタバタ中のバタバタで休む暇もない。でもそんなの関係ねぇ!ええーーい!取ってやる!と休みなんぞ取ってみました。なんせ、

ヒラなので

部下はいません。自分の課題とリーダーをしているプロジェクトの進捗をちゃーーんとやっていれば、ヤンヤ言われることはない。ハズ。でね、私がしているプロジェクトが何だかんだで、佳境を迎えつつあるのです。どんな佳境かと言いますと『予算申請のための研究発表』に呼ばれたんですよ。この会、所属する企業の脂ののった研究が発表される場なのです。■業界でもリードしていて■予算がそれなりに必要で■経営者に人的にも予算的にも投資して欲しい分野やそれに関係する研究員が選ばれます。はい。

わたくし、選ばれました

しかもいろいろ端折りますが、発表はトップバッター。発表は数人しかしないため、トップは最も重要な題目を置くらしい。ゴクリ。エライこっちゃ。選んで欲しい時にはお声がかからず、今かよ!という時に声がかかるのがサラリーマン。発表会、本当に所属企業の偉い人が来るんです。私なんぞが会ったこともない人達がゾロゾロ。失敗はしていはいけないんです。なのに、主任研究員の私、発表会ギリギリに『数日、休みを取る』。直属の上司達はこのトリッキーなオバちゃんに、本当に内心コノヤローだと思います。「嘘だろ・・この時期に休むんかい!」ええ。随分と前から休むことを決めていたんです。そのため、休み明けに会社に着いたとたん、

いろんな人からひっぱりだこ

まさかのモテ期到来。特に、発表会の練習やリハーサルをしろと直属の上席たち。そう、複数人いるのよ。そのオジサン達が三角の目をして私の研究資料をみているのよ。私のいないうちにいろいろ解釈をしてくれたようなのです。だいたいは分かっているのじゃなかろうか。でね、この研究は、自分の部署だけでなく、他の部署もいくつか巻き込んで、お伺いを立てなくてはならない研究です。例えば、営業部門だったり、パソコンやサーバーも追加で必要になるので情報系の部門であったり…何が言いたいかというと、自分の部署だけでなく、他の部署にもお金を払ってもらわないといけない。で、今になってうちの部署の上席が言いました。「この研究における、うちの部署の予算、もう少しカットできない?と言うか、何で、うちで払わないといけないの。」 えっ、今言いますか?

「なぜうち(の部署)が予算を持たないといけないの?」

他の管理職たちシーン。それはね、「ぽに(あなたの部下)が、この部署の所属研究員だからだよ~!」と脳内の私が言います。当たり前です。所属している研究員の研究費は、その所属部署が払う。子供が習い事をした時に、誰が費用を払うか。極まれなケースを省いて親が払うべきでしょう。うん。しかし、我が部署のトップは今回のケースを稀なケースだとみているよう。

「うちの部署でこんなに払うべきなにか?」

まだ続けます。凍り付く関係者たち。シーンと静まり返る現場。しらんがな。私は研究しろと言われて結果を揃えてきました。出来る限り、この研究が始まってから数年。上席たちへの相談もたーーっぷりしてきましたし、この予算配分でいいか?って何度も上席にも確認を取りました。毎回、毎回聞いてきました。というか、社内の予算配分や人的配分は、管理職たちがしなさいよ。研究員にやらせんなよ。

研究員には、研究だけに特化させてよ

と言いたいのですが『ジョブ型』にならないのがザッジャパン企業。嘘だとろ…と言うくらい、研究職でも『ゼネラリスト』を求めてきます。研究だけしてればいいよ~なんて都合の良い立場にはしてもらえない。■根回し■予算の内訳を各部署に伺う■上司の機嫌取り■根回しにつながる確認順番を間違えてえらい目にあったことも多々。でも、この課題は慎重に進めてきました。私も勤続20年近くになっているため、そんな簡単に間違えない。ハズ。何度も部署の上席にお願いしたのに、なんでやー!うーーん。ここまで心の中で吠えてきたものの…まぁ、分からない部分もなくない。上席には上席の『憂鬱』があるんですよ。この研究が上手くいくと、

オイシイ思いをするのは我が部署ではないのです

他の部署なのです~。そして、そこの部署のトップとうちのトップ、あまり…仲がよろしいとは言い難い…知らんけど。いやいや結局は、同じ会社なんだから、お財布は一緒だろ。どっちが研究費払ってもいいやん!って言いたいところ。でも面白くないんだろうな。うちの上席は。自分の所の研究員が研究して、お金まで払っているのに、オイシイ思いをするのは他の部署。分かる。分からんでもない。上席には上席の苦悩や憂鬱があるんだ。ただな~どうなのでしょう?科学の進化や顧客に役立つ技術ではなく、誰かの建前やプライドのために研究発表をしている気がします。

いや待て これがサラリーマン研究員の現実だ

うん。そうかもしれない!ただ、やっぱり、こんな昭和な派閥だったり、上席のプライドで仕事を進めていたら、人材逃げるで。私は休み明けで比較的機嫌が良い時なのもあり、そして基本会社のことはどーでも良いスタンスになってきたので、なんとか付き合えますが、『オー人事、オー人事』案件ですぞ。えっ?分からない?『とらばーゆ』がよかった?ん?『ビズリーチ』だって?いや、とにかく。日本の経済が生産性の低い、残念な方向へ進んでいる理由がとーっても良く分かった気がします。結局、研究員である私が、全ての資料を作り直し、もう一度お伺いをたてて、他の部署にも資料を回して、根回しみたいなことをして、「部署ごとの予算の配分、1回白紙でお願い!」とギリギリにメールしまくって、社外にも確認を取って…マジで何をやっているんだろ。その間、当たり前ですが1ミリも研究は進まない。やるよ。仕事だからやるけどさ。下の世代には残せないな。まして子ども達の世代にこの風習…と思わずにはいられない令和6年の春でした。

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