キャサリン皇太子妃一家お気に入りの別邸、アンマー・ホールってどんなところ？

ウィリアム皇太子とキャサリン皇太子妃が結婚したとき、エリザベス女王はとても素敵な贈り物をしました。それが、ノーフォーク州のサンドリンガムの私有地に建つお屋敷、アンマー・ホール。以来このお屋敷は、ときには彼らの本宅として、または別荘として、一家に愛されています。

がんの治療中のキャサリン皇太子妃がアンマー・ホールで過ごすことが発表されている今、あらためて注目されるこのお屋敷について、これまでに知られていることをご紹介します。

アンマー・ホールの歴史

1802年に建てられたジョージアン様式のアンマー・ホールには、寝室が10部屋あり、スイミングプールやテニスコートも備わっています。

ウィリアム王子（当時）とハリー王子が初めてアンマー・ホールを訪れたのは、チャールズ皇太子（当時）の友人であるヒュー・ヴァン・クッツェムが家族とともに10年間ここに暮らしていたときのこと。ウィリアム王子はヒュー・ヴァン・カッツェムの息子たちと親しくなり、ウィリアム・ヴァン・カッツェムはジョージ王子のゴッドファーザーに、ニコラス・ヴァン・カッツェムはルイ王子のゴッドファーザーになりました。

ヴァン・カッツェム家が暮らす前、この家は二組の著名な人々の住居でした。そのうちの一組はケント公爵夫妻で、1972年から1990年までここに暮らしました。

リノベーション

アンマー・ホールがウィリアム王子とキャサリン妃のものになってから、200万ドル（約3億円）をかけてインテリアと庭の改良が行われました。その結果、キッチンが家の中心に置かれる、モダンなレイアウトになりましたが、これはエリザベス女王には理解しがたいことだったかも（チャールズ皇太子の伝記によると、ウィリアム王子とキャサリン妃がキッチンで長時間過ごすことを、エリザベス女王は理解できなかったそう）。

この家のインテリアを手がけたのは、夫妻と家族が暮らすケンジントン宮殿の家のリフォームも担当した、インテリアデザイナーのベン・ペントリース。内装や庭のデザインを手がけたのが建築家のチャールズ・モリスで、ガラス張りの「ガーデン・ルーム」をデザインしたことが知られています。

キャサリン妃はリノベーションに深く関わっていたようで、プロジェクトに参加していたもう一人のインテリアデザイナー、アン・アレンとともに地元の店で部品等を探す姿が目撃されています。

『ザ・ウィーク』誌によると、キングズ・リン・アンド・ウェスト・ノーフォーク自治区議会のウェブサイトに掲載された文書には、アンマー・ホールの古いテニスコートを、人工芝を使った新しいものを建てかえる計画が記されています。また、内部をのぞかれることのないよう、周囲に大量の木々を植えたそうです（パパラッチ対策としては、2015年にアンマー・ホールの上空に飛行禁止令が出たことが大きそう）。

短期間本宅に

シャーロット王女が生まれた後しばらく、アンマー・ホールは育ち盛りの子どもたちを育てる一家の本宅になります。当時、ウィリアム王子はイースト・アングリアン航空救急隊の救急ヘリパイロットとして働いており、ケンブリッジに常駐していました。その後、公務が忙しくなったため、仕事を辞め、ロンドンにあるケンジントン宮殿のアパートメント1Aへ、さらに、ウィンザーにあるアデレード・コテージに移り、忙しい日々を送っています。

家族が水入らずで過ごせる場所

現在は、ジョージ王子、シャーロット王女、ルイ王子とも、ウィンザーにある学校に通学していますが、ひまを見つけては田舎の家に通っているウィリアム皇太子一家。ルイ王子が生まれた2018年夏以後、家族そろってしばらくアンマー・ホールで過ごしていたこともありました。

一家のアンマー・ホールでの暮らしぶりについては、2018年のクリスマスカードでその一端を垣間見ることができます。

また、ウィリアム皇太子とキャサリン皇太子妃は、新型コロナウィルスのパンデミックの間もアンマー・ホールに滞在し、ここで多くのZoomミーティングに参加しました。しばらくの間は、アーチ型のドアのついたニュートラルカラーの部屋を使っていましたが、最近は別の2つの部屋も使っています。一つはダークグリーンの壁に風景画が飾られた部屋で、もう一つはダークレッドの壁紙の、書斎とおぼしき部屋です。

休暇を過ごす別荘として

幸運なことに、ロイヤルファミリーはサンドリンガムでクリスマスと新年を過ごすのが伝統。つまり、休暇中、彼らはほとんど移動することなく、心置きなく過ごせるということになります。

※この記事は2024年4月11日時点のものです。

Translation: mayuko akimoto Photos: Getty Images From: TOWN&COUNTRY