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シーズン2から何が変わった? 藤原竜也登場でテンション爆上がり…ドラマ『おいハンサム!!2』第1話考察&感想レビュー

  • 2024.4.11
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©東海テレビ/日本映画放送
『おいハンサム!!2』第1話より
おいハンサム2第1話より ©東海テレビ日本映画放送

主人公・源太郎(吉田鋼太郎)と妻・千鶴(MEGUMI)が暮らす伊藤家に、独立して別々に暮らしているはずの三姉妹が次々と帰ってくる。漫画家の彼氏と同棲している三女・美香(武田玲奈)、バツイチの次女・里香(佐久間由衣)、そしてモテていたはずが近ごろ男の影が全く無くなった長女・由香(木南晴夏)。

【写真】ドラマ『おいハンサム‼2』劇中カット一覧

姉妹の目的は録画を忘れた昨夜の恋愛ドラマ。ドラマを観ながら大きな声でツッコミを入れる三姉妹に、源太郎は「うまくいっていないのか?」と妻にコッソリと聞く。

翌日、寝違えて首を痛めた源太郎は、コルセットをつけて出社することに。環境問題をテーマにした事業を始め、2つの他社からそれぞれプランナーが来ることになった。

金井(嶋村太一)は、完璧なプレゼンでコミュニケーション力もあり、源太郎の部下からも好印象。もう1人の神田(永野宗典)はどこか暗い印象で、プレゼン資料に裏紙(一度印刷したコピー用紙などの裏面)に使用していたり、自分から理解を求めようとしていない態度に、プロジェクトのメンバーからはあまり評価されなかった。金井と契約しようという意見が多い中、源太郎は違った。

いくらプレゼンが良くても、飲みかけのペットボトルを取引先の会社のごみ箱にそのまま捨て去る金井の姿を見逃さなかった。さらに高評価のプレゼンもすべてAIに作っていたことが判明。

一方で、神田がスーツのポケットが不自然に膨らみ、歩くたびに不思議な音を発していたことも源太郎は見逃していなかった。単刀直入に本人に尋ねると、神田は道端に落ちたペットボトルをそのままにしておけずに全て回収していたことが分かる。カラカラと音がしていたのは、自治体によって捨て方が違うため、捨てるに捨てられず溜まってしまったペットボトルの蓋によるものだった。

その真摯な姿に胸を打たれ、契約は神田と結ぶことと相成った。

©東海テレビ/日本映画放送
おいハンサム2第1話より ©東海テレビ日本映画放送

『おいハンサム!!』で注目すべきポイントの1つは、三姉妹、由香・里香・美香の恋愛模様だろう。シーズン1から変化した三姉妹の現状を確認してみよう。

シーズン1では、大阪でわがまま夫と暮らしていたが、夫の不倫が発覚したことで離婚するに至った次女・里香。離婚後は東京に戻って以前の職場に復帰し、新たなスタートを切った。シーズン2冒頭では、なかなか良い出会いがなく道端で見かけた不倫カップルに野次を投げつけるほどにくさっていた様子。

仕事の昼休み、里香は自販機で”新発売”の文字に惹かれてジュースを買うも、その不味さに後悔していた。ほどなくして、同じビルの別会社で働く男性が同じジュースを買うではないか。目が合うと「新発売に弱いんです」というその男性の名前は原(藤原竜也)。そんな彼に運命を感じるが、その刹那「僕の妻もです」という言葉で、里香のときめきは一瞬で終わってしまった。

里香に同情しつつも、視聴者の心は藤原竜也の登場に動揺を禁じ得ない。本来ならば主役級の彼が、まさかこんなちょい役で終わるのか?今後また登場するのではないかと、期待に胸が膨らむ。

長女・由香は、シーズン1では男性から引く手あまたで、既婚男性からピュアな若手の後輩まで恋人を絶やさなかった。ところが、シーズン2ではなぜか急にモテなくなったという。

ある日バーで飲んでいると若い男性2人から声を掛けられるが、それが久しぶり過ぎて嬉しさのあまり思わず泣いてしまい、そんな由香に男性はドン引きして去ってしまうという始末だ。

その一部始終を見ていたのが、由香の元恋人・大森(浜野謙太)。由香の父・源太郎の取引先の会社に勤めており、何かと伊藤家と縁がある。シーズン1から何かと由香と鉢合わせする機会が多く、過去に由香に振られた立場から軽口を叩きあう仲なのだが、中には由香や視聴者に至言を与えてくれるキャラクターだ。最早腐れ縁のような2人のやりとりに今後も目が離せない。

三女・美香はシーズン1では、売れない漫画家で半ばヒモと化していたユウジ(須藤蓮)を見限り、欠点など存在しないかのように見えたエリート男性と交際していた。しかしモラハラ気質のある彼に合わせて、自分を押し殺して服装や生活スタイルを変える生活に嫌気がさして破局。なんだかんだ自分と波長の合うユウジと復縁した。

シーズン2ではユウジと同棲中。ユウジも漫画家として認められつつあり、ゴールイン間近だったはずなのだが、美香はユウジと担当編集者の浮気を疑い始める。ユウジが自分宛にLINEを誤送信したことで詰め寄ると、粘着質なファンに絡まれ、事には及んでいないもののなし崩し的にラブホテルで休憩したということが明らかに。

怒った美香は、実家に戻りしばらく距離を取ることにするのだが、そのスト―カー気質のあるファンの影がちらつく。今後2人の関係をかき乱す悪い予感が…。

『おいハンサム!!2』第1話より
おいハンサム2第1話より ©東海テレビ日本映画放送

『おいハンサム!!』の登場人物は、伊藤家だけでなく全員クセのある個性派ぞろいだ。

美香の同僚で大きな胸がとにかく印象的なシイナさん(野波麻帆)は、シーズン1では婚活に勤しんだ結果、勤め先の社長(山中聡)と結婚したものの、2では夫婦仲はどうやらあまりうまくいっていない様子。

由香の元カレの大森は、食べることが趣味で自分なりの通な飲食の仕方を由香に伝授していた一方で、由香と別れてから長年恋人が出来ずにこじらせていたが部下の渡辺(太田莉菜)が運命の相手なのではないかと絶賛片思い中。今のところ、渡辺の方は全くその気が無いように見られるが…今後、どうなっていくのだろうか。

美香の恋人のユウジはシーズン1では全く売れない漫画家だったのだが、今は担当編集者がつくほどに成長。ネットでも固定ファンがついており、目覚ましい成長を遂げている。見た目も以前は無造作ヘアだったが、短く切って真っ赤に染めている。

そんな中、全く変わっていないのがMEGUMI演じる源太郎の妻・千鶴。演じているMEGUMIは若すぎないか?とツッコミたくなるが、それも感じさせない程の落ち着きで、本当の母親のように見える。家族の些細な変化にすぐに気づき、圧倒的包容力で全てを受け入れ助言する。いつも家族をまとめている源太郎の影に隠れて、実は千鶴が裏のボスなのだ。

少し趣旨とずれてしまうが、今作の監督が『闇金ウシジマくん』と同じ山口雅俊。由香を演じる木南晴夏をはじめ、浜野謙太や光宗薫、永野宗典などウシジマくんに出演していた俳優がちらほら。ウシジマくんを観ていた人なら「あれ?この人」と気付く人も多いのではないだろうか。作品のジャンルが全く違えど、脇役でも視聴者に印象を残すような演出はウシジマくんと共通するところがある。

そんな味わい深いキャラクター達の変化にも目が離せない。

おいハンサム2第1話より ©東海テレビ日本映画放送

今作品は、ストーリーごとに関わった人々や出来事を通して、父・源太郎が格言を残す。バラバラに暮らす娘たちのスマホから「伊藤家リモート会議が招集されました。ふるってご参加ください。」という源太郎の声による着信音が鳴ると、どんな状況でも伊藤家全員が必ず参加する。

それは人生において大切な言葉で、三姉妹から「ハンサムな顔して何言ってんの」と突っ込まれるのが恒例だ。

今回は、コルセットをつけながら勢いよく立ち上がり、「安易に人を見くびってはいけない。軽く見ていた人が、実は中身の伴った人だったり、気の毒に思った人が実は私たちより、ずっと幸せだったりするかもしれない。分からないことを批判するな。視野を広く持て。」という言葉を残した。

源太郎が職場で環境問題に対するプレゼンをしていた対照的な2人の他社の社員との関わりを通して出てきた言葉だ。里香と美香は「首回らないくせに」と言っていたが、由香にはその言葉が刺さっていた。

由香は、伊藤家のご近所に住んでいる独特な雰囲気をまとった独身女性・大杉さん(富田靖子)と何度かすれ違う折に、この年まで独身で実家住まいで傍目には惨めに見える大杉さんの姿と、突然モテなくなった自分の未来が重なって見えて不安を感じていた。

ところが、近所のそば屋で大杉さんと偶然出くわしてランチを一緒に取ることに。そこでの大杉さんをは天ぷらそばのそば抜きを注文して、つゆに浸った天ぷらをつまみに酒を飲み、その後にもりそばで〆るというこだわりの食べ方をしており、地道に仕事をしながらささやかな幸せをかみしめている姿を目の当たりにした。

由香もまた「この年まで独身だから不幸」だと、「安易に人を見くびって」いた。我々視聴者も、日常で身の回りの誰かのことを軽く見ていやしないだろうか。

コメディの中にもこうした些細なことだけど大事な気づきを与えてくれる『おいハンサム‼』。次回が待ち遠しくて仕方がない。

(文・曾澤奈津美)

 

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