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世界が注目!ビタミンDの意外な働き

  • 2016.2.17
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ビタミンDは骨強化に関わる栄養素としてよく知られています。さらに最近の研究報告では、免疫力アップ、インフルエンザの予防、生活習慣病の予防などの効果も発表されています。世界で注目されているビタミンDの働きをご紹介します。

ビタミンDの基本情報

骨の形成:カルシウムの吸収を高めて、骨や歯の健康をたもつ

筋肉の収縮:筋肉のカルシウム濃度を調節し、筋肉の収縮に作用する

神経伝達:血液や筋肉のカルシウム濃度を調節することによって、神経伝達を助ける

⇒ビタミンDの働きを詳しく解説

ビタミンDが注目されている働き

免疫力アップ

ビタミンDは細胞内で抗菌物質を分泌して免疫力を高める働きがあります。ビタミンDにはきのこ類に含まれる「ビタミンD2」と青魚など動物性食品に含まれる「ビタミンD3」がありますが、日光にあたることによって体内でも合成されます。

冬場に日照時間が減ると、体内のビタミンD量が減少し、免疫力が低下してしまいます。ビタミンDを十分にとり入れておくことで、冬場に流行しやすい風邪やインフルエンザの予防に繋がります。

うつの予防

ビタミンDは、情緒の安定や睡眠に関わるホルモンであるセロトニンの合成に関与します。冬に日照時間が少なくなる欧米の高緯度地域では、「季節性うつ」の発症率が高くなります。日光にあたると体内でビタミンDが合成されますが、冬になり日照時間が減るとビタミンDが合成されにくくなり、ビタミンD不足が生じることと関連します。冬こそ外での日光浴が必要です。

インフルエンザなどの感染症予防

ビタミンDにはウィルスや細菌などの感染に対して抵抗力を高める作用や免疫を調整する作用があります。そのため、結核菌、季節性インフルエンザ等の感染症予防に働きます。

がん治療や予防に働くという研究も

昨今の研究では、ビタミンDは遺伝子を制御していることが判明し、細胞分化や増殖の調整をしています。ビタミンDが正常細胞の分裂をコントロールし、がん細胞が異常に増殖しないよう抑制する働きがあります。研究により、特に大腸がんの予防に働く(※1‐2)ことも分かってきています。

ビタミンDの特徴

脂溶性ビタミンのため、調理中の損失が少なく加熱調理に向いています。主に魚介類、きのこ類などに含まれており、油と一緒に取ることで吸収量がアップします。ごまやピーナッツなどの種子類、乳製品と合わせてとり入れると効果的です。 また、ビタミンDは紫外線を浴びることにより体内で合成することが出来ます。そのため、適度な日光浴や散歩がビタミンD合成に役立ちます。しかし、日焼けをするほど過度に日光にあたると紫外線の害を引き起こすため、1日15分程度が適量です。

ビタミンDが最大限に効果を発揮するには、カラダに十分量のビタミンDが蓄積されていることが大切です。カラダの内と外両方からのアプローチでビタミンDの摂取を心がけましょう。

【参考・参照】(※1)国立がん研究センター ビタミンDと大腸がん罹患との関係について〈http://epi.ncc.go.jp/jphc/outcome/301.html〉(最終閲覧日 2017/6/12)(※2)厚生労働省「統合医療」情報発信サイト ビタミンD〈http://www.ejim.ncgg.go.jp/pro/overseas/c03/17.html〉(最終閲覧日 2017/6/12)

【執筆者】衞藤 敬子/管理栄養士コントラクトフードサービス大手(株)グリーンハウスに入社、社員食堂のメニュー提案や栄養指導業務を経て、2009年「あすけん」に参加。アドバイス作成やサービス開発に携わる傍ら、年間150件以上の栄養指導やプロアスリート選手の食事サポート、セミナーなどを実施。現在はフリーランスに転向し、幅広く活躍。

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