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「シャワーのような雨」っていうけど、もし本当にシャワーの勢いの雨が降ったら?

  • 2024.4.8
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局地的大雨 (C)荒木健太郎/KADOKAWA
局地的大雨 (C)荒木健太郎/KADOKAWA

きれいな夕焼けはいつ見えるのだろう?

雲を見て天気を予想してみたい!

空を眺めている時、テレビのニュースを聞いている時など、疑問に感じる天気の話題がたくさんありますよね。私たちの生活を大きく左右する天気について少しでも知識があれば、美しい空や雲に出会えるようになり、災害からも身を守れるようになります。

『すごすぎる天気の図鑑』シリーズでおなじみ、雲研究者で、映画『天気の子』やドラマ『ブルーモーメント』でも気象監修を務める荒木健太郎さんが、そんなおもしろくてためになる、天気にまつわる知識を紹介してくれます!記事で紹介する内容は、YouTubeチャンネル「荒木健太郎の雲研究室」の動画でも解説していますよ。

※本記事は荒木健太郎著の書籍『空のひみつがぜんぶわかる! 最高にすごすぎる天気の図鑑』から一部抜粋・編集しました。

シャワーの雨の強さは1時間に6万mm!

通り雨は、「シャワーのような雨」といわれることがあります。もし本当にお風呂のシャワーの勢いで雨が降ったらどんな強さの雨なのか、調べてみました。

まず、雨量とは、降った雨が流れ去らずにたまった場合の水の深さのこと。雪や霰を融かして測ったものも含めて降水量ともいい、単位はmmです。

一方、その瞬間に降っている強さの雨が1時間続いた場合の降水量を降水強度といい、単位はmm毎時です。

アメダスの雨量計では降水量、レーダー観測では降水強度を観測しており、気象庁ウェブサイトで雨の状況を確認できます。

一般的なシャワーでは水の流れる量(流量)は1分あたり10Lで、これを10cm四方の手のひらで受けた場合、なんとシャワーの降水強度は6万mm毎時!

1時間続けば雨量6万mmで、これを体重100kgの小柄な力士で考えると、1m四方あたり6秒にひとり落ちてくるのと同じ水の重さです。

私たちがお風呂で体感しているのは、とんでもない強さの雨なのです。

100kgの小柄な力士 (C)荒木健太郎/KADOKAWA
100kgの小柄な力士 (C)荒木健太郎/KADOKAWA

雨量が1時間に50mmだと、1m四方にどのくらいの時間で小柄な力士が落ちてくるかな?(答えは最後)

光学式ディスドロメーターという降水粒子を測る機器 (C)荒木健太郎/KADOKAWA
光学式ディスドロメーターという降水粒子を測る機器 (C)荒木健太郎/KADOKAWA

光学式ディスドロメーターという降水粒子を測る機器で試したところ、降水強度は測定限界の9999mm毎時までしか観測できなかった……。

局地的大雨 (C)荒木健太郎/KADOKAWA
局地的大雨 (C)荒木健太郎/KADOKAWA

局地的大雨。このときレーダーで推定された降水強度は最大142mm毎時だった(2016年9月5日12:00)

■雨の強さと降り方

雨の強さと降り方 (C)荒木健太郎/KADOKAWA
雨の強さと降り方 (C)荒木健太郎/KADOKAWA

豆知識

「バケツをひっくり返したような雨」は、1時間雨量が30mm以上50mm未満の激しい雨を指しています。実際にバケツをひっくり返した雨を考え、5Lのバケツの水を1秒で10cm四方に落とした場合……雨量は1時間に180万mm!?

クイズの答え:

2時間にひとり(60000㎜のときに6秒にひとりなので、50㎜の場合には(60000㎜÷50㎜)÷6秒=7200秒=2時間)

著=荒木健太郎/『空のひみつがぜんぶわかる! 最高にすごすぎる天気の図鑑』

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