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無敗対決の勝利に貢献!決勝オウンゴール演出の大宮MF泉柊椰「出来はどうであれ点につながったので良かった」

  • 2024.4.7
無敗対決の勝利に貢献!決勝オウンゴール演出の大宮MF泉柊椰「出来はどうであれ点につながったので良かった」
無敗対決の勝利に貢献!決勝オウンゴール演出の大宮MF泉柊椰「出来はどうであれ点につながったので良かった」

Text by 高橋アオ

J3第8節が6日に行われ、大宮アルディージャがFC大阪を1-0で下して首位に立った。大宮ホームで開催された無敗チーム同士の対決は拮抗するも、後半25分から途中出場したMF泉柊椰がコーナーキックからオウンゴールを演出してチームを勝利に導いた。

壁にぶち当たる大宮の翼

この日大宮の右サイドを支えてきたMF中野克哉、DF茂木力也の不在により3-1-4-2システムをぶっつけ本番で使わざるを得ない状況だったこともあり、左ウィングを本職とする泉はウィングバックで途中出場した。これまで大宮で本領を発揮しつつあるサイドアタッカーは早くも決定的な仕事をこなした。

後半29分にFW杉本健勇の飛び出しに合わせて泉がコーナーキックを蹴ると、FC大阪の選手に当たる形でオウンゴールを演出した。この得点が決勝点となり、大宮の勝利に大きく貢献した。泉は「出来はどうであれ点につながったので良かったと思います。(杉本)健勇くんのところを狙って。結構セットプレーでは関係性ができているので、狙って蹴っただけです」と振り返った。

勝利はしたが、課題は多くあったようだ。途中出場からオウンゴールを演出できたものの、それ以降決定的な仕事を果たせなかった。「全然ダメだなと。勝ったので良かったですけど、ボールを持って、剥がして、アシスト、クロス、シュートと全然つなげられてない。自分の出来としては全然まだまだかなと思います」と下を向いた。

開幕ヴァンラーレ八戸戦は2ゴールを奪って圧巻のパフォーマンスを披露した。第3節奈良クラブ戦でも2アシストを記録して、現在リーグ戦7試合2得点3アシストと結果を出しているが、奈良戦以降は結果が出ていない。

泉は「奈良戦もなんですけど、1節目以降自分のプレーには結構物足りなさを感じていて。ドリブルで剥がしてシュートや、スプリントで相手の背後を取ってゴールに絡むというところがあまり出せてない感覚もあります。まぁ…これぐらい早目に壁にぶち当たれて良かったと思っています。半ばぐらいで壁に当たって、後期にかけてその壁を改善していくだと多分遅いと思う。勝点を積み重ねながらですけど、自分の武器をもっと出せるようにしていきたいことと、得点に絡むところはもっとこだわってやらないといけないと思っています」と課題を口にした。

壁に苦しみながらも成長の歩みを止めずに突き進んできた泉は、ひた向きに新たな課題をこなそうとしている。

神戸、山形での経験と課題

びわこ成蹊スポーツ大時代は大学サッカーで最高のドリブラーとして注目を浴びた泉は、下部組織時代に所属したヴィッセル神戸へ帰還した。ただ昨季は苦戦を強いられた。神戸ではJ1で8試合1得点、育成型期限付き移籍で加入したモンテディオ山形ではJ2で7試合出場でゴール、アシストなしとルーキーシーズンは辛酸を舐めた。

山形時代にQolyのインタビュー取材を受けた際に泉は「自分は足元でプレーすることが多い選手だったので、背後を取るスプリントで縦に勝負するとか、そういう自分がいままでやってきたプレーとは違うプレーも求められることが多くなりました。より縦に推進力を使うところに対する自分なりの意識も変わりました。そこのレベルも上がったのかなと思います」と成長を口にしていた。

今季は新天地・大宮でさらなる進化を遂げようとしている。「山形時代では、スタメンが1回もなかった。途中から入って流れを変えるプレーや、そういうタスクを与えられてきた。そういう短い時間で何か仕事をすることが経験値として高まってきているのかなと思っています。ボールが入ったときに何か仕事ができる部分は自信もあります。いまはまだ物足りないですけど、より高めないといけないという気持ちはさらに持っています」と口にした。

無敗対決の勝利に貢献!決勝オウンゴール演出の大宮MF泉柊椰「出来はどうであれ点につながったので良かった」
無敗対決の勝利に貢献!決勝オウンゴール演出の大宮MF泉柊椰「出来はどうであれ点につながったので良かった」

大宮サポーターだけでなく、神戸サポーターからも泉の活躍に熱視線が注がれている。泉は「神戸サポーターの中では、『ドリブルはいいんだけど、身体的なところがJ1の強度に付いていけない』とか、多分そういうところに課題があるんだろうなと多分(印象を)持っていたと思います。そこは課題として取り組んで、レベルアップして帰るというのはもちろんなんですけど、それ以外に『アイツが持ったら絶対に剥がしてクロスを上げる』とか、『アイツが持ったら絶対にシュートまで行く』、『チャンスを作る』と。そういう武器をより伸ばして、さらにベースアップのところを高めて帰ることで、ヴィッセルで流れを変える役目とかじゃなくて、本当にチームの武器として必要とされる存在になって帰りたいと思っています」と決意を口にした。

可愛い子には旅をさせよという言葉があるように、神戸で育った泉は成長の歩みを進めており、新天地で実戦を経て昨季J1王者への復帰を志している。まずは大宮のJ3優勝、J2復帰を果たし、個人としてもさらなる進化を目指す。

無敗対決の勝利に貢献!決勝オウンゴール演出の大宮MF泉柊椰「出来はどうであれ点につながったので良かった」
無敗対決の勝利に貢献!決勝オウンゴール演出の大宮MF泉柊椰「出来はどうであれ点につながったので良かった」

次節今月10日午後7時に開催されるアウェー・Y.S.C.C.横浜戦に向けて泉は「1戦、1戦勝つだけだと思う。僕はチームとして勝つという目標の中で自分が得点だったりアシストで活躍できればよりいいですし、(個人の結果に)繋がらなくてもチームに貢献して、勝利に繋げるようなプレーをできればいいと思っています」と意気込んだ。「for the team」を胸にチームの勝利とさらなる成長を目指す大宮の翼の活躍に期待したい。

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