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初回デートは21時解散。次のデートに繋がらなかったのはなぜ?【令和の大人の恋愛事情:後編】

  • 2024.4.7

マッチングアプリで知り合って初デートにまでは漕ぎ着けても2回目デートにつながらない、その理由とは? 恋愛ライターの毒島サチコ氏が、大人の恋愛の複雑性に切り込む「令和の大人の恋愛事情」。後編の今回は、女性のキモチを描きます。ユキカが21時に帰宅してしまったワケはなんだったんでしょうか?

なぜ、大人になればなるほど恋は難しくなるのだろうか?
次につながらなかったデート、帰ってこなかったLINEライン……。

この恋、どうすればうまくいった?

恋愛ライター・毒島サチコによる、実際のエピソードを元にした大人の恋愛“”あるある”ショートストーリー。

本日のテーマは「マッチングアプリからの初回デート」。

デートはいい雰囲気だったのに、トイレから帰って来るなり「やっぱり帰る」と言い出した彼女。いったい、なぜ……?

↓ 前編はコチラ ↓
「初回デートは21時解散。次のデートに繋がらなかったのはなぜ?【令和の大人の恋愛事情:前編】」

■【side:ユキカ】アプリで好印象な彼と初デート。だけど彼の本名を知って……。

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「多くて2カ月に1回くらいですかね。映画館は職場からすぐなので」

――え? 趣味が映画鑑賞なのに、多くて2カ月に1回………!? 本当に映画好きなの?

「どこで働いていらっしゃるんですか?」

「丸の内です。ここからすぐですよ」

その言葉に、私はセイヤさんからのメッセージを思い出した。

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――会社の近くだから、丸の内一択だったんだ。私は仕事を早退して、1時間もかけて来たのに……。

「このお店も、仕事終わりによく来ます」

「そ、そうなんですね……」

お店は丸の内の夜景が見えるイタリアンレストラン。周りを見渡すと、カップルだらけだ。

――いったい誰と来てるんだろう……。

言葉の節々に多少の違和感を感じつつも、私はセイヤさんのほうをチラリと見た。すると彼は何かを察したように、私を2件目のバーに誘った。さらにLINE交換を求められる。

「このLINEの名前、セイヤさんの本名ですか?」

「はい。フルネームです。仕事でLINEを使うので。変わった名前ですよね。悪いことしたらすぐに僕ってばれちゃいます(笑)」

「珍しくてかっこいい名前ですね」

「ありがとうございます。ユキカさんのアイコンも素敵です。僕、ユキカさんみたいな清楚で黒髪ロングの女性がタイプなんです」

セイヤさんからのストレートなアプローチに、思わず冷静になる。

「嬉しいです。あ、お店出る前に、私、お手洗いに行ってきますね」

アプリで出会った相手の本名を知ったとき、女性がトイレですることとは……

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トイレに入り、私はセイヤさんの本名を検索にかけた。

アプリでの出会いは、初回デートで初めて本名が分かることが多い。自分の身を守るためにも、私は相手の名前が分かった段階で、一度検索するのを習慣にしている。

検索結果に表示されたのは、セイヤさんのフェイスブックページだった。名前が珍しいため。すぐに彼だと分かった。投稿そのものは5年前から止まっていたが……、スクロールして、セイヤさんがタグづけされている写真が目に入る。

その瞬間、私は絶句した。

――なに、これ。

◆◆◆

ユキカが早々に帰った最もなワケとは

トイレから戻ると、私は慌ててカバンから財布を取り出した。早く帰りたかったからだ。

その姿を見たセイヤさんは、どこか自慢げに「もう払ったから大丈夫だよ」と言う。

「いえ、出します」
「じゃあ、2件目はユキカさんにお願いしようかな」
「……すみません。明日早いので……やっぱり帰ります」
「えっ? まだ21時なのに?」

突然帰ると言い始めた私に、セイヤさんは明らかに動揺している。

私は受け取りを拒否するセイヤさんに無理やりお金を渡し、店を出たのだった。

問:なぜ、突然彼女は帰ってしまったのか?

答:本名を検索したら、彼のSNSから本性が分かってしまったから

お店を出た後、私はもう一度セイヤさんのフェイスブックページを開いた。

そこには、セイヤさんがタイ料理店で半裸姿で酔いつぶれる姿や、ギャルっぽい女性との2ショットがあった。しかも「セイヤはギャル好き! 笑」のメンション付きで……。

セイヤさんの投稿自体は、5年前から止まっているが、彼はたびたび友人たちによってタグづけされているようだった。

おそらく自分がタグづけされていることに今も気づいていないのだろう……。

「僕、ユキカさんみたいな清楚で黒髪ロングの女性がタイプなんです」

――ウソつき。……本当はギャル好きのくせに。

映画好きも、パクチー嫌いも、デートをうまくいかせるためのその場しのぎのウソ。

人の本性はSNSにあらわれるのだーー。

■今日の学び

相手の情報がすぐに“検索”できる時代。SNSの投稿には気を付けるべし!

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↓ 永合弘乃氏の受賞作品を公開中 ↓

本コラムを執筆している毒島サチコ氏(本名:永合弘乃)執筆のシナリオ「Perfect Worldへようこそ」が第17回「南のシナリオ大賞」を受賞しました。

一般社団法人日本作家協会九州支部のHPにて、オーディオドラマ&シナリオが公開中です。切ない15分の恋物語。ぜひお聞きください。

「南のシナリオ大賞『Perfect Worldへようこそ』(writers9sib.org)」

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「『第17回南のシナリオ大賞』は永合弘乃さんが大賞受賞! 登場人物のことをもっと知りたくなる秀逸設定に唸る」

↓ 前編はコチラ ↓
「初回デートは21時解散。次のデートに繋がらなかったのはなぜ?【令和の大人の恋愛事情:前編】」

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