1. トップ
  2. おでかけ
  3. 「深海」「毒」「性」!?攻めた学術系エンタメ展で水族館を盛り上げる仕掛け人たち

「深海」「毒」「性」!?攻めた学術系エンタメ展で水族館を盛り上げる仕掛け人たち

  • 2024.4.8
『毒毒毒毒毒毒毒毒毒展・痛(もうどく展2)』の様子

攻めた学術系エンタメ展を次々企画

『ゾクゾク深海生物2024』に『毒毒毒毒毒毒毒毒毒展(もうどく展)』シリーズ、同じく3度にわたり開催された『性いっぱい展』と攻めた企画がいつも話題を呼ぶ〈サンシャイン水族館〉。これらの仕掛け人の一員である、今井俊宏さんと片野未奈子さんに話を聞いた。

「企画は何より面白いこと。そして新しい発見があることを意識しています」と今井さん。初めて担当した『もうどく展2』では水槽さえも新たに製作したという。「まさに0から100まで作る作業でした。空間に何をどう置いてどんな動線を作るか、ということからBGMまで考えました。展示物の解説文を書いたり、必要があれば生き物の採集に行ったりすることもあります。『もうどく展』は累計65万人の来場者数の面ではもちろん、当館の企画の中でも特にSNSで反響をいただくシリーズでもあります。そういった反応を見られるのも嬉しいですね」

『毒毒毒毒毒毒毒毒毒展・痛(もうどく展2)』の様子
今井俊宏さんが担当し、2017年に開催された特別展『毒毒毒毒毒毒毒毒毒展・痛(もうどく展2)』の様子。怪しげでかつ古びたラボのような内装デザインにも企画チームのアイデアが生かされている。生き物はもちろん、演出も見どころなのだ。
『毒毒毒毒毒毒毒毒毒展・痛(もうどく展2)』
特別展『毒毒毒毒毒毒毒毒毒展・痛(もうどく展2)』。
〈サンシャインエンタプライズ〉アクアゲストコミュニケーション部の今井俊宏さん
今井さんは特別展を担当する傍ら、飼育員としてアロワナやドラドなどが見られる水槽〈きらめきの泉〉なども担当している。

ただ面白いだけではない。今井さん自身、飼育スタッフとして生き物に接しながら企画に携わっているので学術的な裏づけがある。それは片野さんが手がける企画でも変わらない。例えば『もっと♡性いっぱい展』。夜のイベント展示として生き物の性をテーマにして人気を博した『性いっぱい展』の第2弾としてコロナ禍に開催。来場者の理解を深める工夫を随所に施した。

〈サンシャインエンタプライズ〉片野未奈子さんの2020年『もっと♡性いっぱい展』の展示
片野未奈子さん担当の2020年『もっと♡性いっぱい展』の展示。夜の開催に合わせ、展示の説明パネルもネオン調にデザイン。

「飼育スタッフに協力してもらって、紙粘土やシリコンゴムで生き物たちの性器の模型(!)を作ってもらいました。サイズも触感もこだわって、楽しく学べる場になったらいいなと」。棒でツンツン触れる仕様にしたり、発情期の生き物の匂いを嗅げる展示を考案したりするなど、体験型展示にも、触れ合いに気を使う時期ならではの工夫を凝らした。結果、さらに回を重ねるヒット企画に。大真面目な攻めのエンタメが、続々と生まれている。

〈サンシャインエンタプライズ〉アクアゲストコミュニケーション部
オフィスで雑談がてら企画の相談をすることも。
『ざんねんないきもの事典』高橋書店/著
『へんないきもの展』をはじめ、書籍を基にした企画も少なくない。

Information

〈サンシャインエンタプライズ〉アクアゲスト コミュニケーション部

〈サンシャイン水族館〉で企画立案から展示・宣伝までを手がける。2013年『たまご・卵・タマゴ展』を皮切りに、特別展を毎年開催。

元記事で読む
の記事をもっとみる