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愛子さまの記事と正反対…「悠仁さまへの手作り弁当に大根の葉」紀子さまの"賢母"記事が裏目に出る根本原因

  • 2024.4.7

宮内庁は、昨年4月に広報室を設置、今年4月にはインスタグラムを使った情報発信を開始した。武蔵大学社会学部教授の千田有紀さんは「天皇家の長女、愛子さまに関する記事が好意的に受け止められているのに対し、SNSなどでは、秋篠宮家についての記事は相変わらず否定的なコメントが多い。秋篠宮家ももっと、等身大の姿が見える情報発信をした方がよいのではないか」という――。

第14回日本学術振興会育志賞の授賞式後に行われた記念茶会で、受賞者と懇談される秋篠宮ご夫妻。2024年2月28日、東京都港区の明治記念館[代表撮影]
第14回日本学術振興会育志賞の授賞式後に行われた記念茶会で、受賞者と懇談される秋篠宮ご夫妻。2024年2月28日、東京都港区の明治記念館[代表撮影]
愛子さま関連の記事とは対照的

宮内庁に昨年4月、広報室が新設された。秋篠宮家長女の小室眞子さんの結婚をめぐってバッシングが起こったことをきっかけに、それまでのメディア対応中心の広報から、情報発信の強化にも力を入れる方針に転換したようだ。

秋篠宮家のイメージアップを意識している様子もあるが、SNSなどを見ていると、相変わらず批判的な声は多い。大学を卒業され、本格的に公務を始められて一挙手一投足が報道され、好意的に受け止められている愛子さま関連の記事と、あまりに対照的である。

話題になった「紀子さまの手作りのお弁当」の記事

最近では「悠仁さまのお弁当は紀子さまの手作り『大根の葉もおかずに』」(2024年3月16日、AERA dot.)という記事が話題になった。これを読んだときには、「いやいや、以前会見で、お弁当を作っていると話された紀子さまに、秋篠宮が割って入って、『あなた、(作ってもらったおかずを)詰めるだけじゃないの』と発言されたよなぁ」という映像を思い出してしまった。

秋篠宮家に好意的な、優等生的で完璧な姿を映し出すような内容の記事は、たしかに平成の時代にはよくみられたが、今ではむしろ、逆効果になるように感じられる。特にこの記事については、過去の発言との齟齬そごもあるので、なんとなく「わざとらしい」と感じられて、鼻白んでしまうのではないだろうか。

また、子育てや公務にお忙しい紀子さまが、毎朝お弁当まで作られるのは、実際には大変であり非現実的であると思われるし、まさか好物でもないかぎり、大根の葉の炒め物を皇族が食べていらっしゃるとはなかなか信じがたい。

そこまで国民に懸命に寄り添おうとされている努力がむしろ、痛ましく感じられてしまう。

「人格否定発言」に対する紀子さまのコメント

秋篠宮家がバッシングされるときに思い起こすのは、当時は皇太子だった天皇陛下による「雅子さまへの人格否定発言」があったとされたあとの、2004年の秋篠宮と紀子さまの会見である。

雅子さまの結婚後の「さまざまな苦労」について問われた際に、紀子さまは「不安や戸惑いなどもございましたが、その都度人々に支えられ、試行錯誤をしながら経験を積み、一つ一つを務めてまいりました」と答えられている。そして現上皇陛下のあたたかい見守りや秋篠宮の「導き」について感謝を述べていらっしゃった。当時は雅子さまへの風当たりが強く、「さすがは紀子さま」という賛美が圧倒的に多かったように記憶している。

しかしその紀子さまも、ご成婚後はもちろん、なかなか大変だったという記事を目にした。秋篠宮邸から深夜に「お前はなにもわかっていない」という秋篠宮の怒号が聞こえ争われている、また紀子さまが自室に引きこもって出てこられないといった記事を読んだ記憶もある。

一般家庭に育った女性が皇族に嫁げば、それは想像もつかないような困難が待ち受けているだろう。そうした大変さについて、素直に述べられても、国民は紀子さまを嫌いにならないだろうし、むしろ好感を持つのではないかと思う。

たとえば前述の2004年の記者会見での回答についても、「私は克服したけれども、雅子さまも大変でしょう」といった共感を示していれば、もう少し今の風あたりは弱かったかもしれない、とすら思う。

対比されてしまう愛子さまと悠仁さま

平成の御代には「笑わない愛子さま」など、愛子さまへの心無いバッシングもあり、それと対になっていたのが、とにかく挨拶を重視しているという秋篠宮の教育方針への賛美だった。

現在は、はじけるような笑顔を見せられる愛子さまに対し、悠仁さまはそうではない。思春期の男子だから当たり前ではあるのだが、こうした状況も平成時代の報道を思い起こすと、なんとなく秋篠宮家への冷たい風あたりへと転化しているように思われる。

新年の一般参賀
※写真はイメージです
「夫に苦労」には共感

私自身は、秋篠宮さまの「典型的な(その年代にありがちな)日本男児の振る舞い」に遭遇していらっしゃる紀子さまの姿を拝見し、紀子さまのご苦労を思って胸を痛めたり共感したりすることがある。

昨年5月に行われた、イギリスのチャールズ国王の戴冠式の際にも、紀子さまは着物を着ていらっしゃって速くは歩けないのに、秋篠宮はすたすたと急ぎ足で歩いていらっしゃった。飛行機のタラップで腕を組んで降りようとする紀子さまに対しても、気恥ずかしいのかなんとなくいつも不愛想である。以前など、旅先でスナップ写真を紀子さまに撮ってもらい、今度は秋篠宮さまが紀子さまを撮って差し上げるのかと思いきや、そのまま無視して歩きだされたことがあった。

皇室に入られても、一般庶民と同じように、ちょっと気が利かないところのある夫に苦労されているのだろうなと思うとき、紀子さまに共感や愛情を感じる。

求められているのは「完璧な姿」ではない

もちろんお立場上、「うちの夫は気が利かなくて」などと言うことはできないだろう。しかし、特に現代においては、国民の敬愛は、完璧よりもむしろ欠落や親しみやすさに向けられるものである。天皇御夫妻も愛子さまも、これまで大変な困難があったにもかかわらず、ひたむきに物事に向き合っていらっしゃる、その姿勢に国民は敬愛を惜しまないのだ。

4月1日から、宮内庁がインスタグラムで皇室の情報発信を始めた。まずは天皇皇后両陛下の活動に関する画像や動画の投稿などを行うとのことだが、今後はさらに情報発信が活発化するだろう。秋篠宮家も、ぜひ等身大の姿を見せてほしい。

千田 有紀(せんだ・ゆき)
武蔵大学社会学部教授
1968年生まれ。東京大学文学部社会学科卒業。東京外国語大学外国語学部准教授、コロンビア大学の客員研究員などを経て、武蔵大学社会学部教授。専門は現代社会学。家族、ジェンダー、セクシュアリティ、格差、サブカルチャーなど対象は多岐にわたる。著作は『日本型近代家族―どこから来てどこへ行くのか』、『女性学/男性学』、共著に『ジェンダー論をつかむ』など多数。ヤフー個人

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