1. トップ
  2. ライフスタイル
  3. レウイシアは可憐な花姿が魅力! 特徴や育て方を詳しく解説

レウイシアは可憐な花姿が魅力! 特徴や育て方を詳しく解説

  • 2024.4.6
  • 2889 views

カラフルな花色が揃い、可憐な花姿が魅力のレウイシア。冷涼な気候を好む多年草で、育て方にはコツがいりますが、咲いた時の感激はひとしおです。この記事では、レウイシアの基本情報や特徴、名前の由来や花言葉、種類、育て方など、多岐にわたってご紹介していきます。

レウイシアの基本情報

レウイシア
Khairil Azhar Junos/Shutterstock.com

植物名:レウイシア
学名:Lewisia
英名:Siskiyou lewisia、cliff maids
和名:イワハナビ(岩花火)
その他の名前:レウィシア、華さんご
科名:スベリヒユ科
属名:レウイシア属
原産地:北米北西部〜南西部
分類:宿根草(多年草)

レウイシアはスベリヒユ科レウイシア属の多年草です。原産地は北米北西部〜南西部。主に山地の岩場などに自生しており、冷涼で乾燥した気候を好みます。日本の厳しい暑さや多湿の環境を苦手とするため、暖地では鉢栽培を基本にして適した環境に移動しながら管理することがポイント。夏越しが難しいので、一年草と割り切って楽しんでもよいでしょう。レウイシアは16種類が確認されており、種類によって常緑性と夏に葉を落として生育が止まるタイプとがあります。日本でよく流通しているのは、レウイシア・コチレドン。常緑タイプで、草丈は10〜30cmです。

レウイシアの花や葉の特徴

レウイシア
ASGOLD/Shutterstock.com

園芸分類:草花
開花時期:4月下旬〜6月
草丈:10〜30cm
耐寒性:普通
耐暑性:弱い
花色:ピンク、紫、赤、オレンジ、黄など

レウイシアの開花期は、4月下旬〜6月です。花色は、ピンク、紫、赤、オレンジ、黄など。花茎を伸ばした先端に、花径2〜3cmほどの花を咲かせます。岩場や砂礫地など乾燥した環境に自生することから、体内に水分を蓄えるべく肉厚な葉を持っています。葉は放射状に展開してロゼット状になります。

レウイシアの名前の由来や花言葉

レウイシア
Robert Way/Shutterstock.com

レウイシアは学名のLewisia(レウイシア)がそのまま広まったもので、この花を発見したメリウェザー・ルイス(Meriwether Lewis)に由来しています。和名は「岩花火(イワハナビ)」で、岩場に自生し、花火のような咲き姿を見せることにちなむようです。

レウイシアの花言葉は「ほのかな思い」「熱い思い」「熱い思慕」など。

レウイシアの種類

レウイシア
Marlonneke Willemsen/Shutterstock.com

レウイシアは16種があり、そのほかに園芸品種も多く出回っています。その中でも、国内で流通している種類をいくつかご紹介します。

レディビバ

ロッキー山脈北部で発見された種類で、開花期は5〜6月。夏は地上部が枯れて休眠します。草丈は3〜5cmで、葉の数も少なくやや心もとない姿ですが、大輪の花を咲かせて楽しませてくれます。

ピグマエア(ピグメア)

北米西部の高山に自生し、開花期は5〜6月。ピンク色の花弁に筋が入る可憐な咲き姿が魅力。比較的、多数の花を咲かせます。草丈は5〜10cm。夏は地上部が枯れて休眠します。

エリーゼ

レウイシア・コチレドンの園芸品種。四季咲き性で、主に春と秋に咲きます。ゴールデンイエロー、ルビーレッド、ホワイト、ウルトラバイオレットなど、カラフルな花色が揃い、花径は2〜3cm。草丈は15〜25cmです。

レウイシアの栽培12カ月カレンダー

開花時期:4月下旬〜6月
植え付け・植え替え:3月下旬〜6月上旬、9月下旬〜10月
入手時期:11~3月
肥料:4月下旬〜6月、9月下旬〜11月上旬

レウイシアの栽培環境

レウイシア
Natalia van D/Shutterstock.com

日当たり・置き場所

【日当たり/屋外】春~秋にかけては、日当たり、風通しのよい場所で栽培します。季節に応じて移動できるよう、地植えではなく鉢植えで育てるとよいでしょう。葉焼けするようであれば、遮光して育てます。

【日当たり/屋内】屋内で育てる場合、できるだけ日当たりのよい場所で管理します。

【置き場所】高温多湿を嫌い、花や葉に水がかかると傷むので、梅雨は直接雨の当たらない軒下や日当たりのよい室内に移動します。真夏は風通しのよい日陰に移動しましょう。寒さには強いほうですが、乾いた寒風には弱いため、寒風の当たらない日当たりのよい軒下やフレーム、室内の窓辺などに置きましょう。特に冬に出回る開花株は、温室で開花調整されているため寒さに弱く、室内で管理するのが無難です。

また、レウイシアは乾燥した気候を好むので、水はけのよい土づくりをすることもポイントです。

耐寒性・耐暑性

レウイシアの自生地は、北アメリカのロッキー山脈からカリフォルニア北西部にかけての山地の岩場などで、冷涼な気候を好む高山植物に分類されます。しかしながら、日本は温暖化の影響によって夏が年々暑くなっているために、レウイシアにとっては適した環境とはいえません。寒冷地を除き、夏が暑くなる温暖地では地植えにせずに鉢植えにして、気候によって適した場所に移動しながら管理するのが基本となります。

レウイシアの育て方のポイント

レウイシアは、日本の高温多湿の気候に弱い性質があるので、基本的には鉢栽培が適しています。季節に応じて場所を移動するのがよく、地植えにはあまり向いていないので、ここでは鉢栽培の方法について解説していきます。

用土

土
blueeyes/Shutterstock.com

レウイシアは乾燥を好むので、水はけのよい培養土を使います。市販のものでは、サボテン用か山野草用に配合された培養土を選ぶとよいでしょう。

水やり

水やり
Zoom Team/Shutterstock.com

レウイシアは鉢栽培が基本で、地植えでの環境に比べて乾燥しやすいために日頃の水やりを忘れずに管理します。ただし、レウイシアは多湿を嫌うため、いつも湿った状態にしていると根腐れの原因になるので、与えすぎに注意。乾燥気味に管理することがポイントです。土の表面がしっかり乾き、葉が少ししおれてきたら、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えましょう。水やり後、鉢受け皿に水が溜まっていたら捨ててください。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイントです。

水やりの際は、株が蒸れるのを防ぐために茎葉全体にかけるのではなく、株元の地面を狙って与えてください。特に花弁に水がかかると、傷みやすくなるので注意が必要です。

また、真夏に水やりする場合は、気温が上がっている昼間に行うと、すぐに水の温度が上がってぬるま湯のようになり、株が弱ってしまうので、朝か夕方の涼しい時間帯に行うことが大切です。一方、真冬に水やりする場合は、気温が低くなる夕方に与えると凍結の原因になることもあるので、十分に気温が上がった真昼に与えるようにしましょう。

肥料

肥料
Sarycheva Olesia/Shutterstock.com

4月下旬〜6月と9月下旬〜11月上旬、10日に1度を目安に液肥を与え、株の勢いを保ちます。あまり多肥にすると根腐れしやすくなるので、株の状態を観察しながら控えめに与えるとよいでしょう。葉色が冴えずに生育の勢いがない場合などは、肥料を与えて様子を見ましょう。

注意する病害虫

アブラムシ
nechaevkon/Shutterstock.com

【病気】

レウイシアが発症しやすい病気は、軟腐病などです。

軟腐病は細菌性の病気で、高温時に発生しやすくなります。特に梅雨明けから真夏が要注意。

成長点近くの茎、地際の部分や根が腐って悪臭を放つので、発症したのを見つけたら、周囲に蔓延しないようにただちに抜き取り、周囲の土ごと処分してください。予防としては、連作を避け(同じ科に属する植物を同じ場所に植え続けないようにすること)、水はけをよくしていつもジメジメとした環境にしないこと。また、害虫に食害されて傷ついた部分から病原菌が侵入しやすくなるので、害虫からしっかり守ることもポイントです。

【害虫】

レウイシアに発生しやすい害虫は、アブラムシ、ナメクジ、ヨトウムシなどです。

アブラムシは、3月頃から発生しやすくなります。2〜4mm程度の小さな虫で繁殖力が大変強く、発生すると茎葉にびっしりとついて吸汁し、株を弱らせるとともにウイルス病を媒介することにもつながります。見た目もよくないので、発生初期に見つけ次第こすり落としたり、シャワーではじいたりして防除しましょう。虫が苦手な方は、スプレータイプの薬剤を散布して退治するか、植え付け時に土に混ぜ込んで防除するアブラムシ用の粒状薬剤を利用するのがおすすめです。

ナメクジは花やつぼみ、新芽、新葉などを食害します。体長は40〜50mmほどで、頭にツノが2つあり、茶色でぬらぬらとした粘液に覆われているのが特徴。昼間は鉢底や落ち葉の底などに潜んで姿を現しませんが、夜に活動します。植物に粘液がついていたら、ナメクジの疑いがあるので夜にパトロールして捕殺してください。不可能な場合は、ナメクジ用の駆除剤を利用して防除してもよいでしょう。多湿を好むので風通しをよくし、落ち葉などは整理して清潔に保っておきます。

ヨトウムシは蛾の幼虫で、漢字で「夜盗虫」と書き、主に夜に姿を現して茎葉を食害します。大きくなった幼虫は食欲が旺盛で、一晩に株を丸裸にしてしまうほどです。葉から食害し始めるので、異変を察したら幼虫がまだ若いうちに駆除しましょう。発生しやすい時期は4〜6月、9〜10月です。食害の跡が認められたら夜にパトロールして補殺するか、適用のある薬剤を散布して防除します。

レウイシアの詳しい育て方

苗の選び方

苗を購入する際は、節間が間のびしておらず、がっしりと締まって勢いのあるものを選びましょう。花付きがよく、葉がしっかりしていて枚数が多いこともポイントです。

植え付け・植え替え

ガーデニング
AlenKadr/Shutterstock.com

レウイシアの植え付け・植え替えの適期は、3月下旬〜6月上旬頃、9月下旬〜10月頃です。ただし、花苗店などではこれらの時期以外にも苗が出回っているので、購入したら早めに植え付けてください。

まず、購入した苗より1〜2回り大きな鉢を準備します。乾いた環境を好むため、プラスチック製の鉢などよりは、乾きやすい素焼き鉢を選ぶとよいでしょう。用意した鉢の底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから山野草用またはサボテン用の培養土を半分くらいまで入れましょう。レウイシアの苗をポットから取り出して鉢の中に仮置きし、高さを決めます。苗の根鉢をほぐして用土をすべて落としてから鉢に入れ、少しずつ土を足しながら植え付けましょう。水やりの際にすぐ水があふれ出すことのないように、土の量は鉢縁から2〜3cmほど下の高さまでを目安にし、ウォータースペースを取っておいてください。土が鉢内までしっかり行き渡るように、割りばしなどでつつきながら培養土を足していきます。最後に、鉢底から水が流れ出すまで、十分に水を与えます。

鉢植えで楽しんでいると、成長とともに根詰まりして株の勢いが衰えてくるので、2年に1度は植え替えることが大切です。植え替え前に水やりを控えて土が乾いた状態で行うと、作業がしやすくなります。鉢から株を取り出して根鉢をくずし、古い根が絡みあっているようであればカットして整理しましょう。植え替えの際には、新しい培養土を使って植え直します。もっと大きく育てたい場合は、元の鉢よりも大きな鉢を準備し、軽く根鉢を崩す程度にして植え替えてください。

日常のお手入れ

ガーデニング
Renars Otto/Shutterstock.com

【花がら摘み】

採種する予定がなければ、終わった花は早めに花茎から切り取ります。まめに花がらを摘んで株まわりを清潔に保つことで、病害虫発生の抑制につながりますよ! また、いつまでも終わった花を残しておくと、種子をつけようとして株が消耗し、老化が早まって花数が少なくなってしまうので注意。花がらをまめに摘み取ると、次世代を残そうとして次から次に花がつき、長く咲き続けてくれます。

【枯れ葉の除去】

枯れた葉を見つけたらすぐに取り除き、見栄えのよさを保ちましょう。

夏越し・冬越しの注意点

レウイシア
Irene Fox/Shutterstock.com

【夏越し】

真夏に強い日差しが照りつける環境では株が弱るので、涼しい木陰や風通しのよい日陰に移動しましょう。

【冬越し】

寒さには強いほうですが、常に寒風にさらされるような場所に置くのを避けましょう。霜が降りない軒下やフレーム、日当たりのよい室内の窓辺などに移動します。

レウイシアの増やし方

種まき
Montana Isabella/Shutterstock.com

レウイシアは、種まき、株分けで増やすことができます。ここでは、それぞれの方法について解説します。

【種まき】

種まきするメリットは、輸送などによる苗への負担がかからず、環境に馴染みやすいことです。たくさんの苗が欲しい場合には、コストカットにもなります。

採種する場合は、レウイシアが開花した後に花がら摘みをせずに種子をつけさせます。熟した後に花茎で切り、しばらく乾燥させた後に中に入っている種子を取り出します。種まきの適期は10月頃なので、適期までは保存袋に入れて冷蔵庫で保管しましょう。

種まき用のトレイに市販のサボテン用か山野草用の培養土を入れて十分に水で湿らせ、種子を数粒ずつまきます。覆土の必要はありません。発芽までは風通しのよい半日陰に置き、乾燥しないように適度な水管理をしてください。発芽後は日当たり、風通しのよい場所で管理し、弱々しい苗があれば適宜間引きます。本葉が2〜3枚ついたら黒ポットに鉢上げし、しっかりした苗に育ったら、観賞用の鉢に定植しましょう。種まきから開花までは1〜2年ほどかかるので、時間をかけて見守ってください。

※園芸品種の場合、親と同じ草姿になるとは限りません。

【株分け】

レウイシアの株分けの適期は10月頃です。株を植え付けて数年が経って大きく育ち、子株が増えたらそのままにしておくと株の老化が進むので、「株分け」をして若返りを図ります。株を掘り上げて子株を切り分け、再び植え直しましょう。それらの株が再び大きく成長し、同じ姿の株が増えていくというわけです。

レウイシアを育てるときは高温多湿に注意しよう

レウイシア
Cornflakes/Shutterstock.com

レウイシアは冷涼な気候を好み、日本の暖地では地植えでの栽培が難しいため鉢植えにして楽しむ植物です。夏越しの管理が克服ポイントになりますが、手間をかけた分、健やかに咲く姿を見届けたときは嬉しいもの。ぜひレウイシアの栽培にチャレンジしてみませんか?

Credit
文 / 3and garden

スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。

元記事で読む
の記事をもっとみる