1. トップ
  2. おでかけ
  3. 【日本三大盆踊り】秋田「西馬音内盆踊り」・岐阜「郡上おどり」もうひとつは有名な……!?

【日本三大盆踊り】秋田「西馬音内盆踊り」・岐阜「郡上おどり」もうひとつは有名な……!?

  • 2024.4.6

盆に踊る民俗芸能である「盆踊り」の起源は、なんと1,000年以上前といわれています。盆踊りの音頭を聞くと、不思議と懐かしい気持ちになりますよね。今回は、日本三大盆踊りに挙げられる秋田県羽後町の「西馬音内(にしもない)盆踊り」、岐阜県郡上市の「郡上おどり」、徳島県徳島市の「阿波おどり」の歴史や特徴をご紹介します。

盆踊り初の重要無形民俗文化財「西馬音内(にしもない)盆踊り」(秋田県羽後町)

秋田県雄勝郡羽後町で行われる「西馬音内(にしもない)盆踊り」は、先祖供養や豊作祈願のほか、日々の労働や生活から解放される年に1度のイベントとして長年親しまれてきた踊りです。2022年にユネスコ無形文化遺産に登録されました。

残念ながら、同盆踊りの起源などは記録にありませんが、鎌倉時代の修行僧である源親が、現在の西馬音内御嶽神社を勧請(かんじょう)し、境内で豊年祈願を目的として踊らせたという説があるそうです。

その後、関ヶ原の戦いで敗れて滅んだ、西馬音内城主の小野寺一族を偲び、土着した臣下たちが宝泉寺(西馬音内寺町)の境内で行った供養の亡者踊りが合体したといわれています。

踊りの場所が現在の西馬音内本町通りに移ったのは、1781~1789年頃だと伝えられています。

そして、1947年の戦後の混乱期に、地域の人々にとってかけがえのないこの伝統行事を保存・伝承していこうという熱意により「西馬音内盆踊保存会」が結成され、1970年に「記録作成等の措置を講ずべき無形の民俗文化財」「秋田県無形文化財」に指定されました。1981年には、盆踊りとしては全国初となる国の重要無形民俗文化財に指定されています。

「西馬音内盆踊り」の特徴は、「音頭」と「がんけ」の2種類で構成されている点です。「音頭」は、優雅で静かな抑揚のある踊りで、覚えやすく初心者向けです。一方の「がんけ」は、「音頭」に比べて踊りのテンポが速く、やや難易度が高い踊りといえます。

また、西馬音内盆踊りを踊る際の服装は、女性用の芸術的な「端縫い(はぬい)衣装」と、男女兼用の洗練された「藍染め(あいぞめ)浴衣」の2種類で、「編笠」と「彦三(ひこさ)頭巾」という被り物をするのが特徴的です。

西馬音内盆踊りは、8月16日から3日間にわたって開催され、宵のうちは「音頭」から踊りはじめ、夜がふけてくるにつれて、「がんげ」の踊りとなるのが習わしになっています。快活でにぎやかな囃子や、優雅で美しい踊りをぜひ一度見学したいですね。

西馬音内(にしもない)盆踊り(西馬音内本町通り)

住所:秋田県雄勝郡羽後町西馬音内本町

電話:0183-55-8635(羽後町観光物産協会)

開催期間:8月16日〜18日

朝までエンドレスで踊る徹夜おどりもある「郡上おどり」(岐阜県郡上市)

©️一般社団法人岐阜県観光連盟

2022年にユネスコ無形文化遺産に登録された「郡上おどり」は、約420年前の江戸時代が起源です。城主が士農工商の融和を図るため、藩内の村々で踊られていた盆踊りを城下に集め、「盆の4日間は身分の隔てなく無礼講で踊るがよい」と推奨しました。

それが年々盛り上がりをみせ、現在は7月中旬から9月上旬にかけて30夜以上にわたり踊るロングランに。クライマックスとなる8月13日~16日の4日間は、徹夜で踊り明かす「徹夜おどり」も! 20時~翌朝5時までの最長9時間、エンドレスで踊り続けます。

「郡上おどり」は、「郡上の八幡出てゆく時は、雨も降らぬに袖しぼる」の歌詞で知られています。前述した歴史的背景から地元の人たちはもちろん、観光客も自由に参加できるのも魅力です。みんなでひとつの輪となり、踊りを楽しむことができます。

©️一般社団法人岐阜県観光連盟

さらに踊りに決まった服装はありません。Tシャツでも参加可能です。ただし、郡上八幡は日本の夏風情あふれる町のため、浴衣のほうが町にマッチします。初めて参加する方も、浴衣を着ていれば、多少の踊りのぎこちなさはカバーできるかも!?

また、下駄はぜひとも用意したいアイテム。駄を鳴らす音が、踊りの調子を高めるのが郡上おどりの特徴のひとつなのです。

郡上おどりは全10種類。この踊りの順番には先人のアイデアが盛り込まれており、ここに徹夜で踊り続けられる秘密があるとか。

「郡上おどり」の開催時間は、平日と日曜日はおおよそ20時〜22時半、土曜日は20時〜23時までが基本になっています。なお、踊り会場はひと夏で市街地を一巡します。さらに、おどり会場では毎晩22時頃に、保存会員による審査が行われ、おどりがうまいと評価された方は、「郡上おどり保存会」から免許状が公布されるそうですよ。

「百聞は一見に如かず」ということで、下駄を用意して、ぜひ一度参加してみたいですね。

郡上おどり(郡上市)

住所:岐阜県郡上市

電話:0575-66-1239(一般社団法人 郡上市観光連盟)

開催期間:7月中旬から9月上旬

徳島市の一大イベント!世界でも知られる「阿波おどり」(徳島県徳島市)

©️Artem Mishukov / Shutterstock.com

400余年の歴史を誇り、世界でも知られている「阿波おどり」。その起源は諸説ありますが、、1586年に徳島藩祖・蜂須賀家政が徳島に入り、藍や塩などで富を蓄積した頃から盛んに踊られるようになったといわれています。その後、藍商人が活躍し、年を重ねるごとに豪華な阿波おどりに。

そして、阿波おどりは市民にも定着。自由な民衆娯楽になり、特に戦後の復興の象徴として目覚ましい発展を遂げました。このような経緯を経て、阿波おどりは日本を代表する伝統芸能として、世界からも注目される存在になったのです。

現在、阿波おどりは毎年8月9日の「鳴門市阿波おどり」を皮切りに徳島県内各地で開催されています。なお、最もにぎわうのは、毎年8月12日から8月15日の4日間開催される徳島市の阿波おどりです。国内外から100万人を超える観光客が訪れる一大イベントになっています。

阿波おどりの特徴は、数十人が連(れん)といわれる組を作り、「よしこの節」と、急調の三味線、囃子に合わせ、姿態をくねらせて練り踊り、輪にならないことです。これを「ぞめき」といいます。

©️KPG-Payless / Shutterstock.com

また、阿波おどりには基本の踊り方が2通りあり、「男踊り」は激しく自由な踊りで、「女踊り」は上品でしなやかな踊りです。「男踊り」は太腿までまくりあげた浴衣もしくは法被(はっぴ)なのに対して、女踊りは浴衣に編み笠を身に付けるのもポイントです。

そんな阿波おどりには誰でも気軽に無料で参加できる「にわか連」があり、事前申し込みは不要です。服装も自由なので、ぜひ参加したいですね。

ちなみに、「阿波おどり会館」の2階にある「阿波おどりホール」では、いつでも阿波おどりを体験できます。昼の公演は阿波おどり会館専属連「阿波の風」が出演し、夜の公演は有名連が毎日交代で1連ずつ出演します。その中に「体験コーナー」もあります。

実は筆者は「阿波おどりホール」の阿波おどりを体験済み。とても楽しいひとときでした。ずっと踊っていたい気分になったくらいです。そのため、旅行ついでに訪れるのもおすすめです。

阿波おどり(徳島市)

住所:徳島県徳島市

電話:088-621-5232(阿波おどり未来へつなぐ実行委員会事務局)

開催期間:8月12日〜15日

[参考]

羽後町

アキタファン|秋田県公式観光サイト

羽後町観光物産協会

郡上八幡観光協会

岐阜の旅ガイド|岐阜県観光公式サイト

郡上市

徳島県

徳島市

[Photos by Shutterstock.com]

元記事で読む
の記事をもっとみる